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バッカニアーズQBトム・ブレイディ、引退後はFox Sportsへ

2022年05月11日(水) 12:05

タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Mark LoMoglio】

クオーターバック(QB)トム・ブレイディの40日間の引退期間は、今はまだキャリアを終えるべきときではないと本人に自覚させた。この期間はまた、ブレイディに将来のことを前もって計画しておくことを促したのかもしれない。

ブレイディはNFLキャリアを終えた後の進路を決断している。フットボールの放送に携わるのだ。『Fox Sports(フォックス・スポーツ)』が現地10日(火)に、7度のスーパーボウルチャンピオンであるブレイディが引退後にメインNFLアナリストとして入局することを発表した。『The New York Post(ニューヨーク・ポスト)』のアンドリュー・マーチャンドはブレイディとフォックス・スポーツの契約が10年3億7,500万ドル(約489億0,038万円)だと報じている。

タンパベイ・バッカニアーズのQBであるブレイディが引退した際には、プレー・バイ・プレーアナウンサーのケビン・バークハードと共に試合を伝えていくことになる。

もちろん、それがいつなのかは誰にも予測できない。これまでに確立されていた選手寿命の概念をことごとく覆しているブレイディがフットボール界に示したのは、偉大なQBがアクティブロースターにいなくなった世界の概観だけだった。引退宣言後、すぐにまだそのときではないと判断したブレイディは、引退後の生活がどうなるかに心躍らせながらも、23回目のシーズンより後のことを考えてはない。

(ブレイディ)「ワクワクするけど、バッカニアーズと一緒にフィールドでやらなきゃいけない仕事がまだたくさんある」

(Fox Sports)「われわれは喜びをもって、7度のスーパーボウルチャンピオンであるトム・ブレイディがプレーキャリアを終え次第、メインアナリストとしてFox Sportsに加わることを発表する」

当然ながら、『Twitter(ツイッター)』上にはジョークが飛び交った。

(アンドリュー・シシリアーノ)「2035年くらい?」

(アンドリュー・マーチャンド)「トム・ブレイディがキャリアを終えた際にメインNFLアナリストとしてFox Sportsに加わることに合意、Foxのラクラン・マードックCEOが発表」

(イアン・ラポポート)「2045年だな」

(ジョー・フリント)「トム・ブレイディがキャリア終了後にメインNFLアナリストとしてFox Sports加入! ラクラン・マードックがFoxの収支報告で公表」

実際のアクションというよりはテレビ上の話題という意味合いが強いかもしれないが、今後ブレイディがプレーすると分かっているシーズンについてその未来を予測する際、この件が一つの話題になるだろう。ブレイディがフットボール上での未来における分岐点に立たされたとき、必要であればいずれはアナリストの職が保証されているというカードを切ることもできる。ブレイディとバッカニアーズの契約はあと1年となっている。

ブレイディが引退に際して抱えていた最も大きな疑問――そして、おそらく最も厄介な現実――は、非常にシンプルだった。すなわち、“次に何をするのか?”。競技外からも多くの関心を集めていたブレイディだが、人生における役割を置き換えるのは簡単ではない。フィールドから放送席への移動であれば、ブレイディはこのゲームとの近さを保ちつつ、20年以上の知見を毎週、視聴者に提供できる。

カメラの前での未来は、ペイトン・マニングやトニー・ロモの例のように、元スタークオーターバックの道として常に存在した。しかし、ブレイディに注目が集まったのは、ニューイングランドを離れてタンパに移ってからだ。バッカニアーズではペイトリオッツ時代より多くの広告や番組に出演し、そのパーソナリティがより公に示されている。『ESPN+』のドキュメンタリーシリーズである“Man in the Arena(マン・イン・ザ・アリーナ)”は20年にわたるニューイングランド時代にかかっていたカーテンを開けており、放送界での未来を検討することは、ブレイディによって数年前よりも容易になっていたかもしれない。

それがいつ現実のものとなるかについては、今後を見守るしかない。しかし、45歳になるシーズンに闘志を燃やしているブレイディが引退後の時間をどう過ごすのかについて、フットボール界はもう答えを得ている。

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