2022年NFLシーズン:スケジュールが過酷なチーム10選
2022年05月13日(金) 22:55多くのフットボールファンにとって、現地12日(木)に行われた2022年シーズンのスケジュール発表は、蛍光ペンを取り出すタイミングだっただろう。
勝ち星が予想される試合を確認し、応援しているチームの難敵を見極め、勝敗が予測しづらい相手に対しては十分な楽観的見方を保っておこう。ただ、優勝候補が年ごとに入れ替わることや、それらのすべてが予測不可能であることは忘れてはならない。あなたの応援するチームは昨シーズン、プレーオフに進出していただろうか。もしそうならば素晴らしい。しかし、再びそれが実現されるだろうか。
2022年シーズンの開幕まではあと4カ月ほどあるが、各チームにとってどのような日程になるのかを分析し始めるには、今が絶好のタイミングだと言えよう。そこで、第57回スーパーボウルの開催地であるアリゾナ州グレンデールへの道のりが最も困難だと予想されるチームをいくつか見てみよう。
<第1位>
ピッツバーグ・スティーラーズ
スケジュールの強度:.512(12位タイ)
バイウイーク:第9週
スティーラーズにとって、シーズン前半の試合はほぼすべてが大きなハードルになる可能性がある。クオーターバック(QB)ベン・ロスリスバーガーが引退してから新たな時代に向けての第一歩を踏み出したスティーラーズは、シーズン序盤の8試合のうち5試合でハインツ・フィールドから離れることになる。シーズン第9週のバイウイークを終えた後も、シーズン最後の7試合中4試合がロードゲームとなるため、状況はさほど良くならない。QBミッチェル・トゥルビスキーと新人QBケニー・ピケットが先発の座を争う予定の中で、ロスリスバーガーの後任は誰になるのかまだ明らかになっていないが、スティーラーズは誰が先発を務めたとしても、その選手が困難な序盤の戦いをうまく処理し、最後まで力強い展開をもたらしてくれることを願っているだろう。そのシーズン終盤にはラスベガス・レイダース、ボルティモア・レイブンズ、クリーブランド・ブラウンズとの試合が待ち受けている。
<第2位>
アリゾナ・カーディナルス
スケジュールの強度:.543(2位)
バイウイーク:第13週
シーズン序盤にアリゾナ・カーディナルスが長引く問題の解決に取り組む時間などない。彼らを待ち構えるライバルたちが、そうはさせないのだ。カーディナルスは開幕早々に厳しいAFC西地区の荒波に放り込まれ、初戦でカンザスシティ・チーフスをホームに迎えた後、敵地でレイダースと対戦。ホームに戻ってきたところで楽になるわけではなく、シーズン第3週には地区ライバルであり、スーパーボウル覇者であるロサンゼルス・ラムズを迎え討つことになっている。
明るい材料としては、カーディナルスはシーズン第10週までホームとアウェーの試合を交互に行い、第11週にはライバルの49ersとメキシコシティで対峙することが挙げられる。しかしながら、ラスト4戦中の3試合――過去2年にカーディナルスがタイヤをパンクさせた時期――がロードで行われる予定だ。その中でカーディナルスはデンバーとサンフランシスコを訪れるほか、クリスマスにはホームでバッカニアーズと対戦する。これは重要な年を迎えているヘッドコーチ(HC)クリフ・キングスベリーにとって、良い引きとは言えないだろう。
<第3位>
ニューヨーク・ジェッツ
スケジュールの強度:.495(17位タイ)
バイウイーク:第10週
オフシーズンの動きがどれだけ見事だったとしても、2022年のジェッツにとってAFC東地区での戦いは決して容易ではない。特に、マイアミ・ドルフィンズが自らアピールしている興奮に見合うだけの力を発揮したとしたら。最初の9週でロバート・サラーHCのチームを待っているのは、自分たちを吹き飛ばしてしまうような強敵たちだ。ジェッツは2022年のコンテンダーと目されるチームとの9連戦を控えており、それはAFC北地区の4チームとのバトルから始まる。最初はボルティモア・レイブンズ(ホーム)で、その後の対戦相手はクリーブランド・ブラウンズ(アウェー)、シンシナティ・ベンガルズ(ホーム)、ピッツバーグ・スティーラーズ(アウェー)だ。そこからはドルフィンズ、グリーンベイ・パッカーズ、デンバー・ブロンコス、ペイトリオッツ、ビルズと対戦し、ようやくバイウイークが訪れる。後半のスケジュールはやや軽めになっており、ホームでベアーズ、ジャガーズ、ライオンズとの試合に挑むものの、地下の暗がりから頂点までの道のりが急勾配なのは変わらない。
<第4位>
ロサンゼルス・ラムズ
スケジュールの強度:.567(1位)
バイウイーク:第7週
第56回スーパーボウル王者であるラムズはロンバルディトロフィーを手に入れたその場所で彼らの偉業を祝うだろう。その後、ラムズはタイトル争いをする上で最も脅威になると見られるチームの一つ、バッファロー・ビルズと対戦する。シーズン第1週からそういった大仕事を抱えるラムズは、第3週から第5週にもアリゾナ・カーディナルス(アウェー)、サンフランシスコ・49ers(アウェー)、ダラス・カウボーイズ(ホーム)といった強敵に挑む。それでもまだ、10月半ばに達していないのだ。
シーズン第7週にやってくるバイウイークは、少し早すぎると感じられるかもしれない。ラムズの終盤11戦はほとんど息をつく間もなく、QBトム・ブレイディ率いるタンパベイ・バッカニアーズとの試合が49ersおよびアリゾナ・カーディナルスとの再戦にはさまっている。11月27日(日)にカンザスシティに飛んだ後、第14週から第17週にはレイダース、パッカーズ、ブロンコス、ロサンゼルス・チャージャーズと対戦。シーズン締めくくりの4週間のうち、3回はアウェーでの試合に挑むラムズには、実に困難なタスクが課されている。
<第5位>
カンザスシティ・チーフス
スケジュールの強度:.533(5位タイ)
バイウイーク:第8週
<第6位>
ラスベガス・レイダース
スケジュールの強度:.528(7位タイ)
バイウイーク:第6週
<第7位>
ロサンゼルス・チャージャーズ
スケジュールの強度:.519(10位)
バイウイーク:第8週
<第8位>
デンバー・ブロンコス
スケジュールの強度:.509(15位)
バイウイーク:第9週
スケジュールを評価するこのリストは、ホームおよびロードの有利不利、相手の強さ(主観的になるのは否めない)などによる、極めて初歩的なスコアリングシステムでまとめられている。そういった基準を当てはめる前から、AFC西地区のチームのスケジュールが最も厳しいものにランクづけられることは分かっていた。このディビジョンは2022年に死闘を繰り広げることになるだろう。シーズン終盤にかけて、地区の覇権をめぐる争いが生じる可能性がある。というのも、過去6シーズンにAFC西地区王者となったチーフスが、ラスト6戦中4試合をロードで戦うのだ。チャージャーズもそれほど有利ではなく、シーズン最後の7試合のうち、4戦がアウェーで組まれている。その中には2021年に大きな落胆を味わい、ポストシーズン返り咲きを目指すインディアナポリス・コルツとのプライムタイムの一戦(第16週)や、ディフェンディングチャンピオンであるラムズとの試合(第17週)などがある。シーズン最終戦ではデンバーに飛び、QBラッセル・ウィルソン率いるブロンコスと再度相まみえる予定だ。
そのブロンコスについて触れれば、2022年の初戦はマンデーナイトフットボールを見に来た大観衆を前に、ウィルソンがシアトルに戻ることになる。シーズン第3週から第6週には49ers、レイダース、コルツ、チャージャーズと対戦。ジェッツおよびジャガーズ戦では一息つけるかもしれないが、ジャガーズとの試合はロンドンのウェンブリー・スタジアムで実施される。そこからのスケジュールにはいくらかの救いもあるため、ブロンコスはフィニッシュラインに向けて長いマラソンのラストスパートをかけることができる。
レイダースに関しては、閉幕までの6週のうち4試合はホームのアレジアント・スタジアムで快適に戦うことが可能だ。とは言え、ホームとアウェーの混ざった序盤5試合については、スロースタートを回避するための努力が必要になる。開幕からの対戦相手にはチャージャーズ、カーディナルス、タイタンズ、ブロンコス、チーフスといった競合が名を連ねている。ラスト6週ではホームでの時間が多いとは言え、迎える相手も黙って打たれているようなタイプではない。シーズン第14週から第17週にラムズ、ペイトリオッツ、スティーラーズ、49ersとの試合に挑んだ後、第18週はライバルであるチーフスとのホームゲームでレイダースのシーズンは幕を閉じる。
<第9位>
クリーブランド・ブラウンズ
スケジュールの強度:.495(17位タイ)
バイウイーク:第10週
ブラウンズにとって2022年シーズンは比較的対処しやすい形でスタートする。序盤の対戦相手はそれぞれの地区で最下位に沈み、巻き返しを狙っているチームたちであり、ブラウンズはカロライナに飛んだ後、ホームでジェッツと対戦。そのままクリーブランドにとどまってサーズデーナイトフットボールでスティーラーズと戦うと、次はアトランタへと向かう。QBデショーン・ワトソンが出場できるかどうかを問わず、チームにとってはやりやすい1カ月となるだろう。
しかしながら、以降のスケジュール(特にラスト9戦)については恐ろしい状況が待っている。10月が終わるまでにチャージャーズ、ペイトリオッツ、レイブンズ、ベンガルズとの試合が組まれており、シーズン第9週にバイウイークをはさむと、マイアミに飛んでからニューヨーク州西部で爆発力のあるビルズと対戦だ。シーズン第12週にはQBトム・ブレイディとバッカニアーズがファーストエナジー・スタジアムに戻ってくるブラウンズを待ち受けている。ブラウンズのシーズンラスト9戦のうち、6試合がロードゲームであり、うち3試合の相手は2021年のプレーオフチームとなっている。そして、最終戦の舞台は敵地ハインツ・フィールドだ。ポストシーズンに戻ってくるのは、とてもではないが簡単な仕事ではない。
<第10位>
シンシナティ・ベンガルズ
スケジュールの強度:.536(3位)
バイウイーク:第10週
昨年度AFC王者のベンガルズは地区ライバルのスティーラーズ――ベンガルズが昨シーズンに2試合を合わせて65対20という差をつけた相手――をポール・ブラウン・スタジアムに迎えて今季をスタートし、続いてダラスでNFC東地区チャンピオンと対戦する。シーズン前半は困難さで言えば入り混じっている形だが、後半は厳しい状況になっていく。シーズン第10週のバイウイークが終わってピッツバーグを訪問した後には、タイタンズ、チーフス、ブラウンズ、バッカニアーズ、ペイトリオッツ(クリスマスイブ)、ビルズ(マンデーナイト)、レイブンズといった強敵との試合が続くのだ。ベンガルズが2年連続でプレーオフに進出したとすれば、彼らは2021年シーズンのようにレイブンズに勝利を収めることを望むだろう。ただし、その夢を現実のものとするには、それまでにやることがたくさんある。彼らの旅路は、決して容易なものではない。
【RA/A】