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昨年の出来事には「ある種の治療が必要」とジャガーズHCペダーソン

2022年05月16日(月) 10:29

ジャクソンビル・ジャガーズのダグ・ペダーソンHC【AP Photo/John Raoux】

ジャクソンビル・ジャガーズはドラフト全体1位で指名したディフェンシブエンド(DE)トラヴォン・ウォーカーと、新ヘッドコーチ(HC)ダグ・ペダーソンと共に現地13日(金)からルーキーミニキャンプを開始した。全体1位指名選手を迎え入れたのも、新たなヘッドコーチ(HC)を採用したのも、ジャガーズにとっては2年連続のことだ。

2022年シーズン終了時に3年連続でドラフト全体1位指名権を獲得するのを避けたいのであれば、ジャガーズはフィールド以外の面も改善しなければならないだろう。

ペダーソンHCは金曜日に開かれた記者会見で「去年の状況や出来事にはある種の治療が必要だと思っている。信頼関係が壊れたままになっているからだ」と述べている。

「私としては、信頼を取り戻すことが必要であり、自分を通してそれを感じてもらわなければならないと思っている。透明性や誠実さを見てもらわなければならない。いつも言っているように、彼らに率直な態度をとるし、彼らも私にそうしてほしい」

「決め手となるのはコミュニケーションと、対話の糸口をつかめるかどうかだ。チームの中でそのように会話することもできたし、みんなは本当にそれを受け入れてよくやってくれていると思う」

2月にペダーソンHCを採用したとき、ジャガーズは単にスーパーボウルで優勝経験のある人物を確保しただけではなかった。元HCのアーバン・マイヤーによって悪化していた関係を修復する存在としてペダーソンHCを迎え入れたのだ。1年間は何もせずに過ごしていたものの、ペダーソンHCは経歴だけではなく、ジャガーズのロッカールームを正常な状態に戻せるような気質も持ち合わせている。

マイヤーが12月に解任される1試合前に、『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロはマイヤーと選手、スタッフの間で沸々と湧き上がっていた緊張感を記録していた。それには、マイヤーがシーズン第4週に行われた試合で敗れた後、チームの帰りの便に同乗する代わりにオハイオ州にとどまったことで騒動になった件や、ワイドレシーバー(WR)マービン・ジョーンズとの口論、そしてアシスタントコーチ陣を負け犬呼ばわりしたと言われている件などが含まれている。

マイヤー時代の悪影響はいまだに続いており、元キッカー(K)ジョシュ・ランボーが先週、マイヤーが好ましくない職場環境を作り出したとしてチームを訴える事態にもなった。

参考までに記しておくと、ペダーソンHCのチームへのアプローチはすでに定着しつつあるように見える。

4月にチームがオフシーズンプログラムを開始した際、ペダーソンHCとの関係について尋ねられたクオーターバック(QB)トレバー・ローレンスは報道陣に対して次のように明かした。「コーチが経験者で、自分と同じ立場にいたことがあって、クオーターバックとしてプレーしたことがあるというのは大きいと思う。それから、ヘッドコーチとしてもこのレベルで成功を収めてスーパーボウルで優勝しているし、(フィラデルフィア)イーグルスでやってきたこととか、そういうのを全部見てきた。自分たちにとって助けになるそういったことに頼れるのは大きいよ。今のところ、彼の進め方は素晴らしいと思っている。(彼は)本当にリラックスしているし、明らかに俺たちに多くのことを期待してくれている。チームに対してそういう大きな期待を抱くのは大切だと思っていたけど、彼は正しい方法で物事に対処してくれると思う」

ジャガーズが今回のドラフト1巡目で指名したもう1人の選手であるラインバッカー(LB)デビン・ロイドは、ペダーソンHCが最初からうまくやってくれているというローレンスの感想に同意しているようだ。

ロイドは土曜日に行われたルーキーミニキャンプの場で報道陣に「彼は選手のコーチでもあるし、すでに言った通り、俺たちはそう話しながらプレーしていくと思う。彼は一緒にいて楽しい人だけど、それと同時に、仕事となればそれに集中するし、そういうときの彼は真剣そのものだ。彼はみんながより良くなる状態とか、何をすべきか理解している状態を大切にしている。自分たちが同じ考えを持っている限り、彼はどうすれば最高のチームになれるかということだけを考えてくれているコーチの1人だと感じている」と話している。

選手たちからの信頼が回復し始め、フィールド上のパフォーマンスだけに集中できるようになったことで、ジャガーズは2021年シーズンで大きく道がそれてしまったところからようやく軌道修正していけるだろう。ジャガーズは2008年以降、1度しか勝ち越しのシーズンを送っていない。

ペダーソンHCは確かに信頼関係を再構築するのに適した人物だ。運が良ければ、ペダーソンHCはイーグルスでヘッドコーチを務めていたときに収めた成功をジャガーズにももたらすことができるだろう。

【RA】