正式なOCが定まらない中でペイトリオッツの新任務につくジョー・ジャッジとマット・パトリシア
2022年05月17日(火) 15:33かつてニューイングランド・ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックの下で働いていた著名な人物たちが、この1年半のうちにペイトリオッツに戻ってきている。
ヘッドコーチを務めるも功を奏しなかったジョー・ジャッジとマット・パトリシアが、かつて所属していたペイトリオッツに戻ってきているが、興味深いのはどちらも漠然とした肩書きを与えられていることだ。パトリシアはベリチックHCの下でシニアフットボールアドバイザーを務めて2年目になる一方で、ジャッジは今年に入ってから攻撃アシスタントに起用されている。
それよりさらに興味深いのは、彼らがこれまでの役割から離れて新たな職に就くかどうかだ。
ベリチックHCの下でスペシャルチームコーディネーターを務めていたジャッジは2020年にニューヨーク・ジャイアンツのヘッドコーチ(HC)に起用されている。それから2年を経て、今度は攻撃アシスタントとしてペイトリオッツに戻ってきた。そのジャッジはラスベガス・レイダースのヘッドコーチに就任したジョシュ・マクダニエルズの後任として攻撃コーディネーター(OC)になる可能性を秘めている。また、特別なプロジェクトを遂行するのにぴったりな肩書きを与えられたように見えるコーチ――正しくはアドバイザー――のパトリシアも、同じように攻撃コーディネーターを務める可能性があると見られている。
ジャッジは現地16日(月)に報道陣に対して、クオーターバック(QB)マック・ジョーンズだけではなく、他の攻撃選手とも一緒に取り組んでいると明かした。しかし今のところ、ジャッジはオフェンスの責任者になるのかどうかを知らされていない。
ジャッジはプレーコールを担当するのかという質問に「何も公表されていないし、決定もされていないし、声がかかっているわけでもない」と答えている。
現時点でこのような役割に誰もアサインされていないのは気になることではあるが、5月の時点で心配することではない。レギュラーシーズンが始まる頃には、体制は整えられているだろう。とはいえ、チームを取材するメディア関係者からすれば奇妙な状況だ。新加入した選手がすでにペイトリオッツでの最初の練習を始めている中、記者たちはペイトリオッツの秘密を解き明かしたくても、ジャッジとパトリシアに2022年の現時点までの職務内容を尋ねることしかできない。
組織内での職務の交換は実現するのだろうか。確かにそうなる可能性はあるが、パトリシアはオフェンシブラインと一緒に仕事をしていると月曜日に明かしていたものの、ペイトリオッツはジャッジとパトリシアの担当を公言していないため、不確かな情報をもとに予想するしかない状況だ。
現時点では、ジャッジがQBコーチに、パトリシアがオフェンシブラインコーチになるのが妥当なように思える。誰がプレーコールを担当するのかはいまだに謎に包まれており、夏になるまでは決定されない可能性もある。ペイトリオッツが組織内の人物にプレーコールを任せようとするのは初めてではないが、マクダニエルズ以外の人物が攻撃コーディネーターを担当するのは2012年以来初めてであり、トレーニングキャンプ中に知恵比べが展開されるかもしれない。
2005年にペイトリオッツでアシスタントオフェンシブラインコーチを務めていたパトリシアは、オフェンシブラインの担当経歴があるものの、2006年からは守備側の指導を担当していたため、オフェンスサイドで過ごすのは2005年以来のこととなる。一方、ジャッジはこれまでNFLで攻撃アシスタントを務めたことが一度もない。
おそらく、不確実な状況だと思わせているのには、競争面での利点があるという理由があるのだろう。ベリチックHCは外部の心配をよそに、自分のやり方で物事を進めることで知られている。ベリチックHCが経験豊富な2人の補佐官をどのように判断するのかは数週間も経てば明らかになるはずだ。
【RA】