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NFL界をわたって故郷にたどり着いたセインツWRジャービス・ランドリー

2022年05月17日(火) 16:36

クリーブランド・ブラウンズのジャービス・ランドリー【AP Photo/Ed Zurga】

ワイドレシーバー(WR)ジャービス・ランドリーはそのキャリアにおいて、一歩前に進むごとにさらなる成功をつかんできた。その一方で、一歩進むごとに故郷からは遠ざかっていった。

しかし、次の一歩ではこれ以上ないくらいホームに近づく。

ニューオーリンズ・セインツと1年契約を結んで地元に戻ってくるランドリーは、ルイジアナ州のラッチャー・ハイスクール時代に注目を集めはじめ、ルイジアナ州立大学(LSU)でWRオデル・ベッカムと共に活躍。NFL入りを果たしてからはマイアミ・ドルフィンズとクリーブランド・ブラウンズでそれぞれ4年を送っている。

大統領の任期と同じだけの期間を2チームで過ごしたランドリーは、30歳の誕生日まで6カ月という段階で故郷に戻ってきた。

「ぐるっと回ってきたな」とランドリーはチームの公式サイトに話している。

「戻ってこられたのはありがたい。子どものときにはいつだってニューオーリンズ・セインツやLSUタイガーズでプレーしたいと願っていたし、地元の子どもとして、俺はその両方を達成したって言うことができる」

ニューオーリンズに戻るという決断は、一晩で成されたものではない。ベテランレシーバーのランドリーは2022年NFLドラフトに先立ってセインツ訪問に多くの時間を費やした上で、契約に合意している。セインツが1巡目でオハイオ州立大学のWRクリス・オレーブを指名したことで、ランドリーがビッグイージーに向かう可能性は低くなったように見えていた。

しかし、オレーブとマイケル・トーマスがロースターにいるにもかかわらず、セインツはなおもスロットレシーバーをプレーするベテランをマーケットで探していた。そのセインツが完ぺきにフィットする存在として見出したのが、賢くてシャープなルートランナーであり、キャッチの信頼性に優れ、タフネスは折り紙つきのランドリーだった。

クリーブランドでは1シーズンを除いてほぼケガをおしてプレーしてきたランドリーは、2019年には股関節の負傷で全方向への動きが制限されていた。それでもそのシーズンを1,174レシービングヤード、タッチダウン6回で終えたランドリーは、ケガについてシーズンを通して一度も公に語ることはなく、2020年のプロボウルの場でようやく『NFL.com』にケガについて明かしている。

翌年、ランドリーはシーズン第5週のインディアナポリス・コルツ戦で肋骨を折ったものの、15試合でプレーしてキャッチ72回、840ヤード、タッチダウン3回を記録。ブラウンズがピッツバーグ・スティーラーズに勝利したプレーオフの試合で活躍し、キャッチ5回、92ヤード、タッチダウン1回をマークしている。

2021年は膝の負傷を抱えながら戦い、12試合でキャッチ52回、570ヤード、タッチダウン2回を記録したランドリー。後に膝の負傷は健康上の問題の始まりに過ぎなかったことを打ち明けており、大腿四頭筋の部分断裂と骨挫傷にも見舞われたことを明かしつつ、「俺がそれについてちょっとでも話すのを聞いたことはないはずだ」と指摘している。

ランドリーがケガによってプレー時間を失ったのは、2021年シーズンが初めてのことだった。ロッカールームでもその努力は知られており、ランドリーはチームメイトたちから広く尊敬され、どのチームのカルチャーにも強い影響力を持つことで高い評価を得ている。ランドリーがクリーブランドを離れる際、ほとんどの人々が近年のブラウンズを笑いの対象からコンテンダーへと変えた立役者としてランドリーを称賛していた。

セインツのヘッドコーチ(HC)であるデニス・アレンは「彼はわれわれのリーグにおいて、本当に優れたプレーヤーだ」と述べている。

「チェーンを動かせるとわれわれが感じる男であり、人格面でも、リーダーシップの面でも活躍してくれると思える男だ」

ランドリーは自分の経験と信頼性を活かせる場所として、クオーターバック(QB)ドリュー・ブリーズが2020年に引退したのを受けて今も足場を固めようと努力し続けるセインツへ向かう。チームの先導役を担うと見られるQBジェイミス・ウィンストンはランドリーをニューオーリンズに呼び寄せようと努力した一人であり、ランドリーはセインツ攻撃陣の中で重要な役割を果たせると自信を持っている。

「俺にとってはただそこへ行き、俺が必要とされる場所で、自分が必要とすることをやるってだけ」と言うランドリーは次のように続けた。

「(デニス・アレンHCと)すごくいい話し合いをしたし、ジェイミスやピート(カーマイケル/攻撃コーディネーター)ともいい話をした。そのおかげで俺はこの攻撃陣の一部になり、新しい武器になれるという自信を持てたし」

ランドリーにとっては、1年契約に過ぎない。これまでに長い負傷歴を持つランドリーだが、一方で自分の体を犠牲にしてでもチームに貢献することを証明してきた。そのランドリーが大きな影響を与えるとしたら、ニューオーリンズ以上の場所はあり得ない。

「俺はここから45分のところで育った。いつも近くで見ていた。AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)側でプレーしてきたから、セインツのことはまったく心配しなくてよかった。今はNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)で、彼らがなんのために戦っているのか、どういう文化なのかを知り、その一部になれることがうれしい」

そう話すランドリーは「いつもどこかで見ていた。だけど今は、このステージに立ち、家族や友達、皆が試合を見に来られるようになっている。最高だろうな」とつけ加えた。

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