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ケガでスーパーボウルを逃した痛みをリングで癒やすラムズTEヒグビー

2022年05月18日(水) 14:46


ロサンゼルス・ラムズのタイラー・ヒグビー【Ben Liebenberg via AP】

タイトエンド(TE)タイラー・ヒグビーは今も膝の負傷からの回復に努めている。もう一つヒグビーが癒そうとしているのが、第56回スーパーボウルのフィールド上でロサンゼルス・ラムズに貢献できなかったという心の痛みだ。

輝くリングを手に入れることで、その痛みは少し収まったようだ。

「2週間くらいはダークなところに沈んでいたけど、リングをもらったことでずっと良くなった。だから、今はいい感じさ」とヒグビーは現地17日(火)に話した。

スーパーボウルリングは栄光と勝利の現れであり、癒しの力もあるのかもしれない。ラムズがシンシナティ・ベンガルズを下したスーパーボウルにMCL(内側側副靭帯/ないそくそくふくじんたい)の負傷で出場できなかったヒグビーは、今も体調を万全に戻すために取り組んでいるところだ。

「膝はすごくいい感じできている。俺はリハビリを最高の状態で進めていて、2週間くらい前にフィールドに立ちはじめた。シーズンが始まるまでに時間があるから、彼らはゆっくり俺を戻そうとしている」とヒグビーは話している。

昨シーズンにヒグビーはキャッチ61回、560ヤード、タッチダウン5回をレギュラーシーズン15試合でマーク。プレーオフでは3試合に先発してさらにキャッチ9回、115ヤードを記録したものの、ラムズのスーパーボウル優勝は一歩下がったところで見守るしかなかった。昨年はこれまでのすべてをラムズで過ごしてきたヒグビーのキャリア6年目だった。

したがって、ヒグビーは以前にもスーパーボウルに出場したことがある。ニューイングランド・ペイトリオッツに敗れた第52回スーパーボウルだ。

「前に1回プレーしたことがあるのは、間違いなく幸運だった。だけど、今の考えとしては、俺がまたプレーし、今回は勝利できるように、そこへ戻らなきゃならない。キツイけど、この仕事に全力を捧げなきゃ」とヒグビーは話している。

「シーズン中だけのことじゃなくて、開幕するまでにも相当な量のトレーニングがある。それに、シーズンは長く、日曜日の試合やテレビでは見えない舞台裏の仕事がたくさんある。だから、出場して俺がつぎ込んできた仕事を見せられなかったことや、プレーできなかったことがキツイ。すべての中で最高に楽しいゲームなんだから。子どもの頃にテレビで見ていて、どうしてもスーパーボウルでプレーしたかった。だから、俺にとってはとにかくキツイことだった」

2年連続の戴冠に向け、ラムズは戦力を補強している。ラインバッカー(LB)ボビー・ワグナーやワイドレシーバー(WR)アレン・ロビンソンと契約したラムズだが、ディフェンシブバック(DB)ジョーダン・フラーと共に体調が万全のヒグビーを取り戻せば、ロンバルディトロフィーに向けてさらに良い兆候となるだろう。

チーム全体として連覇に決意を固めている中で、2月にチームの本拠であるSoFiスタジアムで行われた決戦に参加できなかったヒグビーも、同じくらい刺激を受けている。

「去年はスーパーボウルでプレーできなかったから、また戻りたいんだ。俺はハングリーだ。もう1回出たくて、ハングリーになっている。この試合でプレーしたい。この一戦でプレーして、もう一度勝ちたい」とヒグビーは言う。

今のところ、その膝の負傷と精神状態は、スーパーボウル制覇の見返りによって良い形にあるようだ。

「リングのおかげで、俺にとってはすべてが良くなった」とヒグビーは語っている。

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