コルツとの別れは「突然やってきた」とQBウェンツ
2022年05月21日(土) 17:22インディアナポリス・コルツのオーナーであるジム・アーセイがクオーターバック(QB)カーソン・ウェンツに対する否定的な意見を公言してからしばらく経った。この間、アーセイは自身のコメントをウェンツにじっくりと受け止めさせている。
一方でウェンツは、今になってもコルツとの決別の仕方に驚いているようだ。
『Fort Worth Star-Telegram(フォートワース・スター・テレグラム)』によると、ウェンツは『FOX Sports(フォックス・スポーツ)』のコリン・カウハードがホストを務めるポッドキャストに出演した際に次のように明かしたという。「まさかあんな展開になるとは思っていなかった。あそこではかなり良い状態だと思っていた。組織内にいるどの人とも素晴らしい関係を築いていたしね。彼らの良さは言い尽くせない。(別れは)突然やってきたという感じだったんだ」
フランク・ライクはコルツのヘッドコーチ(HC)に就任する前に、フィラデルフィア・イーグルスで攻撃コーディネーター(OC)を務めており、そこでウェンツと共に取り組んでいた。そのような過去があったため、コルツはライクHCと再会したウェンツがうまくやっていくのではないかと考えてチームに迎え入れている。彼らはすでに信頼関係を構築していただけではなく、ライクHCがウェンツを成功に導く方法を知っていることも証明されていた。そして、2021年シーズンの大部分ではこの賭けが成功するかのように見えていた。
しかし、コルツはシーズン最後の数週間で失速し、シーズン第18週には最も順位の低かったジャクソンビル・ジャガーズに敗れてポストシーズン進出を逃している。ウェンツ率いるコルツはこの試合で格下のディビジョンライバルに先制点を許し、そこから逆転するわけでもなく悲惨な結果に終わった。この結果に憤慨したアーセイはビデオを撮影し、コルツのファンに対して、このような失敗が二度と起こらないように必要なことは何でもすると約束している。
どうやら、コルツがウェンツから離れることは必然だったようだ。
アーセイは3月末に「最も悪いのは、ミスを犯しながらも、それを抱えたまま前に進もうとすることだ。われわれにとってはフランチャイズとしてそこから離れなければならないものだった。それは実に明らかだった」と述べている。
ウェンツをワシントン・コマンダースにトレードした後、コルツは実績のあるベテラン選手がチームをスーパーボウルに導いてくれると信じてQBマット・ライアンを獲得した。コルツがライアンを迎え入れた一方で、移籍したウェンツは以前にも増して批判にさらされている。
ウェンツは「それはしょうがないさ。誰もが自分の意見を持つ権利がある。去年は本当に楽しい1年だった。信じられないようなことをやってのけたと思っている。最後で一歩及ばなかったのは言うまでもないけど。終盤では苦戦していたし、タイミングも悪かった」と話している。
クリスマスに行われたアリゾナ・カーディナルス戦で見事な投球を披露して勝利に貢献するなど、ウェンツが調子の良いタイミングは確かにあった。そのときは、コルツが本当に優れたチームであるかのように見えていた――そうではないと分かるまでは。
コマンダースに迎え入れられたウェンツが、どのようにして自分の価値を証明するチャンスを得るのかはそのうち分かるだろう。コルツ時代のような展開になれば、ウェンツの時代はそこで終わってしまうかもしれない。ウェンツはそのような心配事が実際に起こらないように集中しているようだ。
【RA】