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亡くなる前にアルコールと薬物を摂取していたドウェイン・ハスキンズ

2022年05月24日(火) 12:23


ピッツバーグ・スティーラーズのドウェイン・ハスキンズ【AP Photo/Terrance Williams】

現地23日(月)に公開された検視報告書によると、先月にフロリダの州間高速道路を徒歩で横断している際にダンプトラックにひかれて亡くなったピッツバーグ・スティーラーズのクオーターバック(QB)ドウェイン・ハスキンズは、その以前に飲酒し、薬物を摂取していた。

ブロワード郡検視局は4月9日の夜明け前にハスキンズが州間道路595号のフォートローダーデール・ハリウッド国際空港付近で死亡事故に遭った際、血中アルコール濃度は0.20だったと述べている。これは州が運転の際に定める上限値である0.08の2.5倍になる。

検視報告書の公開に続き、ハスキンズの妻であるカラブリヤ・ハスキンズさんは弁護士を通じてプライバシーの尊重と節度を求める声明を発表した。

「ドウェインの妻、家族、そして彼の思い出と真実に代わってお伝えする者として、われわれは皆さまに敬意を示しつつ、尊重、節度ある態度、また、法執行機関の調査が継続し、重要な仕事が行われている間に、一般の方々が何らかの判断を下さないことをお願い申し上げたい」と声明にはある。

カリフォルニア大学デービス校や他の大学の研究によれば、ハスキンズと同等の体重(104kg)の人物が亡くなる前に今回のレベルのアルコール濃度に達するには、少なくとも10杯のドリンクを摂取する必要があるという。また、ハスキンズの体内からは強い鎮痛剤であるケタミンとその代謝物であるノルケタミンが確認された。この薬物は医師が処方できるものだが、乱用されることがある。

ハスキンズがひかれた地点の近くで捜査当局がガス欠になっている本人の車を発見したと報告書にはある。目撃者はハスキンズがトラックとSUVに立て続けにひかれた際、ハスキンズはセンターレーンに立って車両に向かって手を振って停車させようとしていたと話している。報告書はハスキンズが鈍力的外傷によって亡くなったとしており、変更点はない。

スティーラーズは捜査当局に対し、ハスキンズにはメンタルヘルス的な問題はなく、自殺などの行為はなかったと述べた。チームはハスキンズが時に深酒をすることや、マリファナを使用することがあると明かす一方、それ以外に娯楽用途の薬物を使用している様子はなかったと明かしている。検察医は死因を事故と断定した。

24歳のハスキンズはスティーラーズのチームメイトの数名とトレーニングするために南フロリダを訪れていた。報告書によれば、ハスキンズはチームメイトと夕食にでかけた後、友人もしくはいとこと共に、おそらくマイアミにあるクラブに向かった。2人はそこで喧嘩し、別行動している。

ハスキンズは事故の少し前に、ピッツバーグにいる妻カラブリヤさんと電話で話し、車がガス欠になったと伝えていた。その後、カラブリヤさんは911番に電話し、夫がかけ直してこないこと、カラブリヤさんからの呼び出しに応じないことについての不安を訴えている。通信指令係が最新情報を確認するために電話を保留している間、カラブリヤさんが祈りの言葉を唱えている様子が音声で記録されている。通信指令係は改めて連絡が行くため電話の近くにいるようカラブリヤさんに指示した。

ハスキンズは2018年にオハイオ州立大学で活躍し、いくつかの校内記録をマークしたほか、ビッグ10チャンピオンシップゲーム戦、およびバッカイズがワシントン・ハスキーズに勝利したローズボウルの両方でMVPに選ばれた。

2019年NFLドラフトの1巡目でワシントンから指名されたハスキンズは、2シーズンで3勝10敗になった後にリリースされている。ピッツバーグと契約した昨年には試合に登場していなかった。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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