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QBタゴヴァイロアのボールは“これまで受けた中でも一番いい部類“だとドルフィンズWRヒル

2022年05月26日(木) 20:16

マイアミ・ドルフィンズのタイリーク・ヒル【AP Photo/Mary Holt】

マイアミ・ドルフィンズのワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルは、自身の経歴にあらたな称号をつけ加えることを検討しているかもしれない。すなわち、“トゥア・タゴヴァイロアのハイプマン(*)”と。(*ラップ等でメインの演者をアシストする存在)

ヒルは今月初め、ある動画が出回ったときに、必要にかられてそういった役割を引き受けている。その動画によってタゴヴァイロアは腕の強さについて容赦のないジョークを浴びせられることになった。ヒルはその翌日、相手と同じ方法で反撃し、『Twitter(ツイッター)』にさまざまなデプスのターゲットへのパスをつなぐタゴヴァイロアのビデオを投稿。今でもヒルは自分が素質の高いクオーターバックとプレーすることに自信を持っている。

「最初は、これはおかしなことになると思った。ボールがあっちこっちに行って。でも、実際のところ、トゥアのボールは俺がこの人生で受けてきた中でも多分、一番いい部類に入る。すごくキャッチしやすい。トゥアはものすごく正確なクオーターバックだ」とヒルは現地24日(火)に『ESPN』に話した。

ヒルには自分のクオーターバックを持ち上げるだけの十分な理由がある。移籍先のドルフィンズで4年1億2,000万ドル(約151億9,866万円)の延長契約を結んだヒルは、自分の将来をドルフィンズに投資した。その未来はほぼクオーターバック次第だ。

タゴヴァイロアはフランチャイズクオーターバックとしての立場を確実なものにできないまま、3年目を迎えている。そのタゴヴァイロアが強く必要としていたプレーメーカーとしてやってきたのがヒルだ。ドルフィンズはタゴヴァイロアに多くの武器を与えており、レシーバー陣としてはヒルをはじめてとしてジェイレン・ワドル、フリーエージェント(FA)で契約したセドリック・ウィルソンをそろえ、攻撃型のヘッドコーチ(HC)マイク・マクダニエルまでも加わっている。

昨シーズンのタゴヴァイロアにとっては、正確性と同じくらい健康状態とプロテクションが重要だった。序盤には負傷によって戦列を離れている。ドルフィンズはオフシーズンの間にこれに対応し、3度のプロボウラーであるレフトタックル(LT)テロン・アームステッドと元ダラス・カウボーイズ先発ガード(G)のコナー・ウィリアムズによってオフェンシブラインの左サイドを強化した。

今はそれらすべてを、フィールド上でフランチャイズを引っ張っていく能力のあるクオーターバックが率いる生産的な攻撃陣としてまとめあげるときだ。そういった役割を担うには、信頼が大きな要素となる。

これまでのところ、良い形できているようだ。

マクダニエルHCは「私の目に映っているのは、重要なときにアタックする選手で、フットボールをプレーするのが本当に好きな選手だ」と語る。

「クオーターバックの本能というものが話題になるのは聞いたことがあるだろう。私にはそれが何を意味するのか分からなかった。今はその意味が前より分かるが、本能という以外にどう表現すべきかは今も分からない」

「だが、その選手がこのポジションを長い間プレーしてきたことや、彼がクオーターバックというポジションのレンズを通してフットボールのゲームについて考えていることは確かだ。攻撃プランやマイアミ・ドルフィンズの先発クオーターバックであることに関しては、私は彼の成長に非常にエキサイトしているし」

多くの有名クオーターバックについて大きな動きに出ることを検討した末に、ドルフィンズはタゴヴァイロアのままで進むことを決めた。少なくとも、今のところは。2022年こそ、タゴヴァイロアがその手でつかむべきシーズンだ。

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