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二度と「安心」してはいけないと2022年のカーディナルスを率いるSブッダ・ベイカー

2022年05月28日(土) 18:25

アリゾナ・カーディナルスのブッダ・ベイカー【AP Photo/Phelan M. Ebenhack】

3万フィート上空から見ると、アリゾナ・カーディナルスの周りにいくつかの奇妙なエネルギーがあるようだ。

カイラー・マレーとの契約の問題は継続している状況で、この2年間はシーズン後半の失望によって勢いをそがれている。可能性は見えているが、チームはどうしても仕事をやり遂げられないようだ。この現実から逃げない1人の重要な選手がいる。

「俺たちは、昨年やったことよりはるか上を目指そうとしている。俺たちは一日一日、毎週を大切に取り組んでいるし、それができれば、勝つことができるだろう。俺たちの昨年の最初の8、9試合を見て、みんなどこか安心しちまったんじゃないかと思ったよ。多くの見出しに登場したことや、多くの勝利を得たことにね」セーフティ(S)のブッダ・ベイカーは、『Arizona Republic(アリゾナ・リパブリック)』を介して、今週話した。

「でも、プロとして、雑音を無視し、一週間一週間を大切に過ごすことができるかは俺たち次第なんだ。俺らは自分たちが素晴らしいフットボールチームだと信じているし、今年は昨年よりもずっと良いチームになると思う」

カーディナルスは2021年シーズンの大半の時期において、最高とは言わないまでも、NFL屈指のチームに見えた。開幕から10勝2敗という結果はチームに大きな期待を与えたが、おなじみのシーズン後半の失速はファーストラウンドでのポストシーズン終了にチームを導いた。

カーディナルスの好調なスタートによって構築された期待のすべては、同地区のライバルであるロサンゼルス・ラムズに34対11で負けたことで消えてしまった。シーズン第4週の対戦では大差で勝利したチームに敗北し、そのラムズは第56回スーパーボウルを制覇。カーディナルスは2022年に向けての計画を立てることしかできなかった。

振り返ってみると、ラムズはカーディナルスにとって昨シーズンの立ち位置を示す最高の物差しとなった。第4週の勝利は他チームの注意を引いたが、全国放送されたシーズン第14週のホームでのラムズ戦は、没落の始まりだった。その1週間後、格下のデトロイト・ライオンズに30対12で打ち負かされ、さらにクリスマスにはホームでインディアナポリス・コルツに22対16で敗れ、サンタクロースにプレゼントをおあずけされた。

カーディナルスは、レギュラーシーズン最後の5試合で4敗してポストシーズンに突入した。ワイルドカードの結果は驚きではなかったが、それ以降に起こったことは、引き続きカーディナルスをニュースに登場させている。

チャンドラー・ジョーンズがラスベガス・レイダースへ旅立ち、マレーがカーディナルスについての『Instagram(インスタグラム)』の投稿を削除してオフシーズンのドラマを開始。ディアンドレ・ホプキンスはパフォーマンス向上の薬物違反のため6試合の出場停止処分を言い渡された。

カーディナルスは、チームが2022年にこの危険な地形を進むためのリーダーを必要とするだろう。ジョーンズとベテランインテリアラインマンのコリー・ピータースがいなくなった今、2度のオールプロを経験したベイカーがより目立つ役割に踏み出す時が来たのだ。

「間違いなく、やるべきことがたくさんあると感じたよ。多くの選手が同じことを思っている。俺はディフェンスの選手だから、自分がコントロールできることは絶対にコントロールしたいし、それがディフェンスであり、みんなそうやって一つ一つのプレーにアプローチしている。ディフェンシブラインマン(DL)であれ、ラインバッカー(LB)であれ、DBであれ、俺はみんなのおかげでうまくやれるし、みんなも俺をうまく使っているよ」

ベイカーはそのような期待に値する選手であることを成績で証明している。プロボウルに4回選出されている彼は、カーディナルスのディフェンスで経験豊富なリーダーとして機能し、本人が言うように、安心してしまわないことの重要性を強調しなければならないだろう。

2022年、カーディナルスは12勝0敗でシーズンを開始することもできるが、それでも過去2シーズンで遭遇したのと同じ落とし穴は避けなければならないだろう。同じ失敗を繰り返さないようにできるかは、ベイカーのような選手たちにかかっている。

カーディナルスのヘッドコーチ(HC)クリフ・キングスベリーはベイカーについて「彼は私がここに来たときからプロボウル、オールプロのレベルにあって、私はただ彼がリーダーとして成長するのを見ていたんだ。フィッツというレシーバー(ラリー・フィッツジェラルド)を失い、パトリック・ピーターソンを失い、さらに今チャンドラーを失っているが、彼は明らかにその役割を受け入れている。彼のプレーの仕方、体調管理の方法や、すべきことをする姿は、若い選手たちにとっての偉大なロールモデルだ」と話した。

【AK】