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2021年シーズンの低迷を受けてセカンダリーの改善に着手するレイブンズ

2022年05月29日(日) 16:33


ボルティモア・レイブンズ【NFL】

この数年間、ボルティモア・レイブンズはトップ10にランクされるディフェンスをコンスタントに生み出すことで知られていたが、2021年はセカンダリーに負傷者が続出したことでディフェンスがいつになく低迷し、2015年以来初めて負け越している。結果としてトータルディフェンスで19位に沈み、許したパスヤードが4,742ヤードとリーグ最下位になってしまったレイブンズだが、仕事に戻る準備はできているようだ。

ヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーは現地26日(木)の練習後に「後ろのグループ、つまりセカンダリーの人材については、本当に良い感じだ」と述べている。

守備陣を強化するために、レイブンズはオフシーズンにいくつかの動きに出た。ドラフトでセーフティ(S)カイル・ハミルトンを指名したほか、Sマーカス・ウィリアムスとコーナーバック(CB)カイル・フラーと契約を結び、Sトニー・ジェファーソンと再契約してセカンダリーに厚みを持たせている。さらに、2021年シーズン第13週に胸筋を断裂したCBマーロン・ハンフリーや、シーズン開幕前にACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂したCBマーカス・ピータースなど、昨季の全試合あるいはその一部をケガで欠場した守備選手も復帰することが決まっている。ハンフリーは今週、レイブンズのOTA(チーム合同練習)に参加している姿が目撃されており、ハーボーHCはピータースがリハビリを「順調に進めている」と明かした。

このように、新たに加入した選手とケガから復帰した選手が一気に集まることで、彼らは限られた出場機会を得るためにポジション争いをしなければならなくなる。しかし、ハーボーHCはそれを望んでいると語った。どれほど奥行きのあるディフェンスでも、ケガによって急激に枯渇する可能性があることを彼は痛感しているからだ。

「そうだ、彼らには多くのスナップをさせる。去年、それに気がついた」とハーボーHCはコメントしている。

また、レイブンズはセカンダリーの選手の柔軟性を高めようとも考えている。そうすれば、負傷者が出たときに他のポジションをカバーできるだけではなく、新守備コーディネーター(DC)マイク・マクドナルドがさらにクリエイティブなプレーをコールすることができるようになるからだ。

ハンフリーは「どのDB(ディフェンシブバック)も、いつでもどのポジションでもプレーできるようにしておきたい。そういう柔軟性があれば、セカンダリーでいい仕事ができるようになると思う」と話している。

そして、ハンフリーはレイブンズが特に改善を目指している分野としてターンオーバーを挙げた。昨季の記録はわずか15回とNFLで30位タイに終わっている。ハミルトンはノートルダム大学での3年間でインターセプト8回をマークし、ウィリアムス、フラー、ジェファーソンの3人はキャリアを通して合計38回のインターセプトと15回のフォースドファンブルを決めてきたため、オフシーズンに加わった彼らの存在は問題の解消につながるはずだ。さらに、出場可能な状態だった6シーズンで31回のインターセプトをマークしているピータースや、2020年にリーグ最多8回のフォースドファンブルを記録したハンフリーもいるため、レイブンズにはダウンフィールドを混乱に陥れるための顔ぶれがそろっていると言えよう。

ハンフリーは「とにかくターンオーバーについて考えたいんだ」と強調しており、「フォースドファンブルのことばかり考えて、カフェテリアを歩いているときに誰かが持っているランチプレートにぶつかってそれを落とさせてしまうかもしれない。これは俺たちにとって本当に重要なことなんだ。基本的に優れたディフェンスができても、ターンオーバーを生み出せなければ、そのディフェンスはやっぱり何でもないものになる」と続けた。

ケガ人の続出で調子を落とし、プレーオフ進出も逃したシーズンを経て、レイブンズはデプスチャートを改善したり、セカンダリーに新たなアプローチをとったりすることで以前の姿を取り戻せるかもしれない。

【RA】