コマンダースDCデル・リオ、フロイドさん殺害への抗議を議事堂の暴動と比較したことを弁明
2022年06月09日(木) 11:36ワシントン・コマンダースの守備コーディネーター(DC)ジャック・デル・リオは、ジョージ・フロイドさんの死に対する抗議活動を、2021年1月6日に米国連邦議会議事堂で起きた暴動と比較した最近の『Twitter(ツイッター)』のコメントについて弁明した。
現地8日(水)にそのツイートに選手たちはどう反応するかと聞かれたデル・リオDCは、なぜ2020年の夏に起きた抗議運動が同じように精査されないのかという「素朴な疑問」を抱いたのだと語った。
「人々の生活が破壊され、店が焼かれても問題ないとされる」とデル・リオDCは述べている。「その後に国会議事堂で騒動があって、何も燃えていないのにこっちは大きな問題として取り上げられている。これはダブルスタンダードだと思うんだ」
デル・リオDCはその日のうちに、1月6日の暴動を「騒動」と分類したことを謝罪する声明を発表したが、米国内の「コミュニティにおける暴力」を非難する姿勢は崩していない。
デル・リオDCは声明の中でこう述べた。「2021年1月6日に米国連邦議会議事堂で起きた襲撃事件に言及する形で、本日コメントを出した。そのような事態と比較したことは無責任であり、完全に私の過失だ。申し訳なく思っている。ただ、全国のコミュニティにおける暴力を非難したコメントに偽りはない。それと同時に、私はアメリカ国民として、わが国における平和的な抗議行動を支持している。アメリカにおけるすべての平和的な抗議活動を全面的に支持してきた。私は一緒に働く仲間のコーチ、選手、スタッフ全員を愛し、尊敬し、サポートしており、彼らの価値観や意見を尊重している」
デル・リオDCは最初のコメントに続き、1月6日の事件に対する議会公聴会についてのツイートに反応する形で、「なぜ夏の暴動、略奪、焼失、個人の財産の破壊が議論されないのかについての全容を理解したいと思っているが、これは?」というコメントを水曜日の夜にツイッターに投稿している。
デル・リオDCとヘッドコーチ(HC)のロン・リベラは、その意見が選手の間でどう受け止められるかは心配していないという。選手の多くは黒人で、2年前のフロイドさん殺害事件をきっかけに警察の横暴や人種差別について声を挙げてきた。
「もし彼らに思うところがあって、それについて話したいのであれば、私は誰とでもそのことについて話すつもりだ」とデル・リオDCは水曜日に述べている。「まったく問題ない。いつでも話をする。だが、彼らはそうじゃない。私は自分の意見を述べているだけで、アメリカ人である私たちは皆、自分の意見を主張する権利があると思っている。特に、きちんと敬意を払っているのであれば。私は敬意を払っている」
黒人であるコーナーバック(CB)のケンドール・フラーはデル・リオDCのツイートには気づかなかったという。記者がそれを読み上げた後、フラーはこう言った。「今は特に言うことはない。もし言いたいことや感じることがあれば、それは彼に伝える」
59歳のデル・リオDCは2020年に当時のワシントン・フットボール・チームに入団し、リベラHCのスタッフになって以来、公式のツイッターアカウントに保守的な意見を何度も投稿している。
オフシーズンのワークアウトの後にデル・リオDCは「今まで言ったことや書いたことは、選手やコーチなど、一緒に働くみんなの前でも問題なく言ったり書いたりできる」と話している。「アメリカ人として自分を表現する。私たちにはそれができる。私はこの国を愛しているし、自分の信じることを信じているし、言いたいことは言ってきた。たまに、それで気分を害する人はいるかもしれない」
ワシントンのディフェンスを任せるためにデル・リオDCを雇ったリベラHCは、スタッフと話す内容について議論つもりはないという。
「誰もが自分の意見を持つ権利がある」とリベラHCは述べた。「もしそれが問題に発展するようなことがあれば、その時に話し合いの場を持つ。今は、そうなった時に対処するものだと考えている」
ディフェンスのキャプテンを務めるディフェンシブエンド(DE)のジョナサン・アレンは、「彼の意見はどうでもいい。彼が毎日出勤し、一生懸命働いてくれる。俺がディフェンスコーディネーターに求めるのはそれだけだ」と『NBC Sports Washington(NBCスポーツ・ワシントン)』にコメントしている。
デル・リオDCは1985年から1995年にかけてラインバッカー(LB)としてNFLで11シーズンプレーした。2003年から2011年までジャクソンビル・ジャガーズ、2015年から2017年までオークランド・レイダーズでヘッドコーチの職に就くなど、1997年からリーグでコーチを務めている。
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