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健全に進むスミスとロックのシーホークス先発QB争い

2022年06月10日(金) 10:48

シアトル・シーホークスのジーノ・スミス【NFL】

ジーノ・スミスとドリュー・ロックがシアトル・シーホークスの先発クオーターバック(QB)争いに臨む。この戦いはトレーニングキャンプの終盤まで続くだろう。

これまでのところ、競争は健全であり、痛烈なものにはなっていない。

現地8日(水)、チームの公式サイトに「俺たちがこのチームの先発になろうと頑張っているのは、2人とも分かっている」と語ったロックは、次のように続けた。

「俺たちは相手の靴を踏んづけたりしない。お互いに腹を立てたりしない。ただ“OK、あの日は彼の番。この日は俺の番。この時は俺で、また別の時は彼だ”って具合だ。彼らは俺たちの両方を理解する必要があり、俺たちの両方から感じる必要がある。これまで本当にいい感じで、すごく気楽だった。この状況に対するジーノのやり方に感謝しているし、彼も俺のやり方をありがたく思ってくれればいいね」

スミスはニューヨーク・ジェッツ時代以来、レギュラーシーズンに先発するチャンスがなかった。ロックはデンバー・ブロンコスにいた昨オフシーズンに、テディ・ブリッジウォーターとのQB争いに敗北している。

ロックは昨年のデンバーでの失敗から学び、シアトルの新たな環境を楽しんでいるようだ。

「俺は終始比べようとしていた。あの日はテディの勝ちか? 俺はあの日に勝ったのか? って具合だ」と話すロックは、こう続けている。

「全体としてそういうふうに考えだすと、メンタルに良くない。より優れたクオーターバックになろうというプロセスのために、良くない。その日に誰が勝ったかとかじゃないんだ。今日は自分の周りの皆をもっと高めるために、自分自身が良くなれたかが大事だ。なぜなら、自分のベストでプレーしているなら、周りにいる他の10人も本当に優れたフットボールができるからさ。だから、ただ比較するんじゃない。比較は喜びをかすめ取っていくっていうのは、大学時代に(元ミズーリ大学コーチの)バリー・オドムがある日俺に話してくれたことで、俺はそれに心打たれた」

もともとの才能を踏まえれば、ロックがやや優勢でキャンプを迎えるはずだ。しかし、シアトルで4年目に入っているスミスをあなどってはならない。ラッセル・ウィルソンの後ろに控えていた31歳のスミスは、先発になるための再度のチャンスに強い気持ちで挑むだろう。

スミスはシアトルのこれまでのシーズンと今季を比較して「レップスに関しては、そうだ(違いがある)」と話している。

「それぞれとたくさんのレップスができるようになって、試合で一緒にプレーする選手たちと実際に練習できている。それが違いだ。だけど、自分のメンタリティに関しては変わらない。俺は最初から同じやり方で準備してきたし、だからこそ俺はこのチャンスをつかんでいるんだと思う」

プレシーズンでそれぞれのクオーターバックがアクションを見せるまで、先発選手を決定する要素はほとんど出てこないだろう。そして、もしかしたらそれまでに、別の潜在的な先発QBが自由に暗躍し、シアトルがこのQB争い自体をお流れにするかもしれない。先を見通すことは、決してできないのだ。

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