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背水の陣でパッカーズでのキャリア立て直しに望むWRサミー・ワトキンス

2022年06月10日(金) 12:09


グリーンベイ・パッカーズのサミー・ワトキンス【AP Photo/Morry Gash】

サミー・ワトキンスは自分が高い期待に応えられていないことを承知している。しかし、彼はそこから逃げるのではなく、この状況を変えるチャンスを受け入れている。

新たにグリーンベイ・パッカーズのレシーバーになったワトキンスは、現地8日(水)に「コーチに話したんだ。“俺は背水の陣だ“って。俺のキャリアは俺が思い描いたようにはなっていない」とチームの公式サイトに話した。

バッファロー・ビルズは2014年ドラフトの全体4位でワトキンスを指名した。NFLでの最初の2年間に、ワトキンスはダイナミックな能力を見せている。ルーキーとして16試合で982ヤードをマークしたワトキンスは、2年目に13試合で1,047ヤード、タッチダウン9回を記録した。

しかし、元全体4位指名選手はケガや不安定さによって調子を落としていく。ワトキンスはルーキーシーズンを除いてフルシーズンを戦い抜いたことがなく、2015年より後は657パスヤードに届いていない。

「それが俺のキャリアに起こった不運だった――フィールドに立ち続けることが。フィールドに立っているとき、俺はボールを運べるし、キャッチできるし、得点することもできて、支配的な選手になれる。だが、そのフィールドにとどまることがカギなんだ」

ビルズ時代が3シーズンで幕を閉じると、ワトキンスはロサンゼルス・ラムズで2年、カンザスシティ・チーフスで3年を過ごし、昨シーズンにボルティモア・レイブンズでプレーした後、このオフシーズンにグリーベイに加入した。

プレーメイク能力の片りんは見え、チーフスがスーパーボウル優勝を果たす過程ではプレーオフでファンタスティックなプレーを披露していた。だが、ワトキンスはそれを安定して出し続けることができず、毎週頼れる武器にはなっていない。昨シーズンはボルティモアで好スタートを切って最初の試合で合計100ヤードを記録し、ケガに見舞われたシーズン第5週までにキャッチ8回、292ヤードを積み上げていた。

2巡目指名権をWRクリスチャン・ワトソンに使ったものの、パッカーズはWRデイバント・アダムスをトレードに出し、WRマルケス・バルデス・スカントリングがカンザスシティ・チーフスと契約するのを見送った後に大物ベテラン選手を獲得しておらず、ワトキンスが時を巻き戻したかのような活躍を見せることに期待している。

共に過ごしたラムズ時代に触れつつ、パッカーズのヘッドコーチ(HC)であるマット・ラフルアーは「彼のゲームはわれわれが一緒だった2017年からまったく落ちていないと思う」とコメントした。

「運は少しなかったかもしれないが、彼はわれわれのオフェンスで大きな役割を担うだろう」

クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースは若手よりもベテランとの仕事を好む傾向がある。ワトキンスにはプレーオフ常連チームで重要な役割を担うチャンスがあるはずだ。

ロジャースは「たくさんのプレーができる選手をそろえるのが大事だと思うし、サミーには彼のキャリアの新しい道をたどり続けるチャンスがあると思う」と話した。

「彼がこのオフェンスでプレーを決めるチャンスは間違いなくある。俺はあの気質が好きなんだ。あの人柄が本当に楽しいし、彼には自分が望むだけの生産性のある年を過ごすために必要なすべてが目の前にあると思う」

28歳のワトキンスは、グリーンべイでのチャンスをものにできなければNFLで戦える期間は終わりに向かうと分かっている。

「あの電話をもらったことで、このシーズンへの俺の展望や、どれほどプレーしたいかは全く変わった。始まるのが待ちきれない。まだ仕事が終わっていないんだ。自分のタンクにはまだまだ力があると感じていて、最高レベルのフットボールがたくさんできると思っている。安定してフィールドに立てればと思っている」とワトキンスは話した。

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