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膝の手術から回復し、好感触を得ているレイブンズTEニック・ボイル

2022年06月14日(火) 11:38

ボルティモア・レイブンズのニック・ボイル【Michael Owens via AP】

今季を迎えるにあたり、ボルティモア・レイブンズのタイトエンド(TE)ニック・ボイルは1年前と全く違う位置にいる。

昨年のボイルは膝の大掛かりな手術からのリハビリの途中であり、2021年シーズンの全体を通じて完全にこのケガから回復することはなかった。過去数カ月を膝の負傷からの完全回復に費やしたボイルはOTA(チーム合同練習)に参加しており、今はケガの前よりも強くなったとすら感じると話している。

「どんなときでも、選手が現場に戻って、前と近いレベルでさえプレーできないと感じれば、落胆するものだ」とボイルはチームの公式サイトに語った。

「今年は戻ってきて、前よりもずっと良い感じになっている。本当にいい感触だ」

29歳のボイルは2015年にリーグにやってきて以来、最高のブロッキングタイトエンドの一人だと見なされてきた。レイブンズ攻撃陣における重要選手としての位置を確立したボイルだが、2020年シーズン第10週に膝周りにタックルを受けたことによって複数の靭帯(じんたい)損傷と骨折を喫して手術を余儀なくされ、回復までの長い道のりをたどっている。

ボイルはフィールド復帰の希望を胸に2021年シーズン開幕までの期間をすべて膝のリハビリに費やしたものの、ダメージが非常に大きかったために、序盤9試合の欠場を強いられた。ボイルは自分なしで戦うチームを見守っていたその期間があまりにもきつかったと振り返っている。

「俺にとってはきつかった。・・・皆が練習しているのを見て、フィルムを見て、ミーティングルームに参加しながら、“あそこにいくために何だってやらなきゃならない”って感じだった。傍観して、何かに参加しながらも見てなきゃいけないのは本当にハードだった」

ボイルはチームに貢献すべく、フィールド復帰を心待ちにしている。昨年のレイブンズはケガの影響でシーズン半ばまでに大きく調子を崩しており、ボイルはまだ万全の体調ではないと分かりつつもシーズン第11週のシカゴ・ベアーズ戦に出場。勝利したこの試合でスナップ32回分でプレーし、チームメイトたちから復帰の決断を称賛されたボイルだが、そこからシーズン閉幕までは散発的にプレーするのみで、キャリア初期のようなインパクトを残せずにいた。膝が100%になっていないボイルは、以前とは別の選手になっていた。

「俺には準備が整っていなかったかもしれないし、自分の足も水準には達していなかったかもしれない。でも、俺は本当に出たかったし、自分はフィールドに戻るために本当に努力していたことを示したかった部分もある」とボイルは言う。

一度すべてを白紙に戻したボイルは、2022年シーズンに以前の自分の取り戻そうと決意。膝のリハビリが専門のトレーナーと共に作業に取り組むべく、妻を説得して家族でアリゾナに引っ越した。2カ月かけて施設でフィットネスに取り組んだボイルは、膝の負荷をへらすための厳しい食事制限も実施している。

そういったハードワークが報われた。ボイルによれば、体重は以前にプレーしていたときから4.5kgから5.5kgほど落ちたとのことで、膝によって自分の体を支えられるという感覚が戻っただけではなく、実際に以前よりも強くなっているという。

「感覚はいいし、その体重だったときより強くなりつつある。とにかく膝の負荷がかなり減ったと思う。“車から荷物を降ろして、馬力は変わっていないからさらにタフになり、もっと速く動ける感じ”かな。全体として、とにかく前より感覚が良くなっている」とボイルは話した。

今、健康な体を取り戻したボイルは、再び攻撃陣に貢献する準備を整えている。8勝9敗のシーズンからの巻き返しを狙うレイブンズにおいて、ボイルはまた重要な役割を果たせることを証明しようとしている。しかし、まだやるべきことは多く、ボイルはまた自分らしいプレーをできるチャンスがあることだけで感謝しているようだ。

「そこに戻ることができて、そこにいることにいい感触を得られているだけでありがたいことさ」とボイルは話した。

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