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残された時間は多くないからこそありがたいとバッカニアーズQBブレイディ

2022年06月16日(木) 10:15


タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Mark LoMoglio】

ご存知の通り、クオーターバック(QB)トム・ブレイディの引退は40日間――聖書の中で特別な意味を持つ数字――しか続かなかった。

この40日間に砂漠で断食をしていたわけではないが、ブレイディは自分が飢えていることに気づいた。そう、ブレイディは競争に飢えていたのだ。

『The Dan Patrick Show(ダン・パトリック・ショー)』に出演したブレイディは妻と過ごした時間について、「僕たちはたくさんの時間を一緒に過ごした」と振り返っている。

「一番大きいと思うのが、チームに言ったとき、皆は僕なしでプランを立てなきゃいけないと分かっているように見えた。それからジョン(リヒト/ジェネラルマネジャー)やブルース(エリアンス/元ヘッドコーチ)が少し時間を置こうと言ったんだ。僕はそうしようと言って、そしたら、力が満ちているのを感じた」

「時が過ぎて、とにかくものすごくコンペティティブになっているのを感じたんだ。ちょっとおかしいよね。だけど、それが現実なんだと思う。45歳で、自分をやりこめようとしてくるたくさんの若手たちと一緒にそこに出ていくんだ。“Instagram(インスタグラム)”でアーロン・ドナルド(ロサンゼルス・ラムズDL)がワークアウトしているのを見て、しまった、引退しておくべきだったかも、って感じさ。彼はビーストだからね。でも、自分には競いたいという欲求がある。そして、それはもうすぐなくなっていく。それに疑いはないし、そんなに多くは残っていないと分かっているから、まだ時間があることを本当にありがたいと思っている」

すでに賞味期限は切れている時期だとも言えるブレイディだが、工業用防腐剤の助けは必要としていない。柔軟性にフォーカスしたアプローチはよく知られており、厳しい食事制限(イチゴは食べない!)と組み合わせることで、40歳を超えてもハイレベルなプレーを継続しているのだ。

とは言え、いつかはそのときが来る。このオフシーズンに、一時的にではあるがそれが現実のものとなった。いざ引退した後には、高額が約束されている『Fox Sports(フォックス・スポーツ)』での仕事が待っている。

新しい仕事では、そのアプローチに大きな転換が迫られるだろう。ただ、それはまったく馴染みのないものではない。ブレイディはただ、会議テーブルの反対側にいくだけだ。

将来的にアナリストとして試合の準備を進めることについて、ブレイディは「僕は何よりそれに馴染みがあるからね。2001年にプレーしはじめてから、22年もすべてのプロダクションミーティング(試合前に行われる放送局とチームメンバーが出席する会議)に出ているんだから。彼らが何を求めているかも、何を求められているかも知っている。試合に向けて準備しているチームとすごく似ていると思う」と話している。

「もちろん、多くのことを学ばなきゃならない。まったく新しいキャリアになるだろう。僕にとっては何かに挑戦する新しい機会で、自分にできるかぎりの成果を出すために全力でやるつもりだ。だからこそ、最初にセットを歩く日は、自分にとって最高の瞬間じゃない。本当に良くなるためにはたくさんの困難の中で成長しなきゃならないけれど、わくわくする部分もあると思う」

「自分にはかなりの経験があるから、周りの人を助けられるなら、コーチたちや選手たちと話す。フットボールというスポーツが大好きで、そこにいるんだ。だから、そこが一番エキサイトする部分だと思う。そして、ものすごく短い間引退していたことの一つの理由には、他の多くのチャンスを検討してみる必要性があったと思う。最終的にこうなったことは、僕にとって一番の興奮だった。まとまりのないところもあったけれど、結局は・・・そういうことを経験して、僕は満足だ」

22年のキャリアは、ブレイディに地球上で誰よりも多くのフットボールについての学びを与えた。しかし、今はまた別の状況で、新しい1年が待っている。いずれは正式にブレイディが向こう側に踏み出すときが来るだろう。

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