議会の公聴会への召喚をコマンダースのスナイダーは辞退、グッデルは応じる予定
2022年06月16日(木) 11:01ワシントン・コマンダースのオーナーであるダン・スナイダーは、来週に行われるアメリカの下院監視・政府改革委員会の公聴会を辞退した。
一方、NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは委員会の召喚に応じ、オンラインで証言することになったと『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが報じている。
委員会はオーナーの職場管理に関する議会調査の一部として、6月1日にスナイダーの出頭を要請した。これに対してスナイダーは弁護士を通して書簡で返答している。
この書簡でスナイダーは、「長年にわたるコマンダースに関連するビジネス上の対立があり、委員会が公聴会のために提案した最初で唯一の日付は国外にいる」と説明しており、その日付は6月22日となる。
スナイダーの弁護士であるカレン・パットン・シーモアは書簡の中で「スナイダー氏はこれまでと同様、委員会に協力する意志はあるものの、以下に述べる理由により、予定されている公聴会で証言するという委員会の招請に応じることはできない」と述べている。
スナイダーが不正行為を行ったと主張する元コマンダースの従業員の代理人を務めるリサ・バンクス氏とデブラ・カッツ氏は声明の中で、スナイダーに罰金つきの召喚状を出すよう議会に呼びかけた。
「私たちはクライアントとともに、ダン・スナイダーが自発的に出頭する勇気がないことに失望しているが、驚いてはいない」と弁護団は声明で述べている。「委員会がスナイダーを強制的に出廷させる召喚状を発行することを期待している。スナイダーは、そろそろ自分が法律を超えられる存在ではないことを思い知るべきだろう」
グッデルも証言するよう6月1日に要請されている。
最初の要請に対する返答として、リーグのスポークスマンであるブライアン・マッカーシーは、「議会のワシントン・コマンダースに関する長期的な調査において、NFLは46万ページ以上の書類を提出し、書面や議員のスタッフとの対話を通じて多くの質問に答えるなど、多岐にわたって協力してきた」と述べている。
コマンダースの職場での不祥事について、独立した調査の結果を記した報告書をリーグが発表しなかったのを受け、議会が2021年10月に調査を開始した。
コマンダースは2020年の夏に弁護士のベス・ウィルキンソンを雇い、セクハラなど、組織内の不適切な行為の疑惑を調査している。その後、リーグがその調査を引き継ぎ、7月に1,000万ドル(約13億4,180万円)の罰金を科し、チームの文化は「毒性」を持ち、オーナーや上級幹部はセクハラやその他の職場問題にほとんど注意を払っていないと述べた。
スナイダーは日々の業務から身を引いているが、報告書が提出されていないことにより、議会が問い合わせる事態となった。
2月に行われた議会の円卓会議では、チームの元従業員の証言からスナイダーに対する新たな不正疑惑が浮上している。スナイダーはこの疑惑に対し、以前に組織内で起きた“不祥事”を謝罪する声明を出したものの、“私個人に向けられた”疑惑は“まったくの嘘”だと主張した。
元従業員の証言を受けて、議会の調査は組織の財務状況にも及んだ。監視・政府改革委員会は4月に連邦取引委員会に書簡を送り、コマンダースが10年以上にわたってビジターチームにチケット収入を渡さない、ファンに返金すべき保証金を返さないなど、違法となりうる財務行為を行っていた可能性がある証拠を発見したと発表している。
コマンダースは財政面での不正についての疑いを全面的に否定している。
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