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QBダーノルドの現状に満足しているパンサーズHCルール

2022年06月17日(金) 15:52

カロライナ・パンサーズのサム・ダーノルド【AP Photo/Mark Humphrey】

カロライナ・パンサーズのミニキャンプが終了し、サム・ダーノルドが先発クオーターバック(QB)であることが明らかになった――少なくとも、今のところは。

現地16日(木)に取材に応じたヘッドコーチ(HC)マット・ルールは、今すぐに試合を実施するとなった場合に誰がオフェンスをけん引するのかというシナリオについて、次のように率直に明かしている。

「サムはずいぶん良くなった。オフェンスで本当に成長しているし、今日試合があったとしたら、サムがクオーターバックになっていただろう」

言うまでもなく、ルールHCの現段階の評価によってパンサーズのQB状況をめぐる憶測が止むことはないだろう。クリーブランド・ブラウンズに不満を持つQBベイカー・メイフィールドがチームにトレードを要請して以来、パンサーズはその候補先として有力視されてきた。また、パンサーズは4月に行われたドラフトでトレードアップの末にマット・コラルを3巡目で指名しただけではなく、2シーズンで豊富な経験を積んだP.J.ウォーカーも呼び戻している。

ヘッドコーチとしての通算成績が10勝23敗と、重要な3シーズン目を迎えているルールHCは、7月下旬に実施されるトレーニングキャンプで再集合したときに、ダーノルドがさらに成長するところを見たいと思っているようだ。

ルールHCは「サムの仕事は次の5週間で、今よりいい状態でウォフォードに現れられるようにすることだ」と述べている。「彼は昨日、オフェンスでのフットワークの良さを実感していると言っていた。トレーニングキャンプに参加して向上しなければならないし、パッドをつけて、相手が倒そうとしてくる中でやらなければならない。今、高校から大学まで、クオーターバックの世界を見てみると、7対7では多くの選手が投げることができている――つまり、相手が追いつめてきたときにどうするかだ。だから、それが彼のステップだ。彼も私も(攻撃コーディネーター/OC)ベン(マカドゥー)もそれを分かっている。それがコーチとしての私たちの仕事だし、私たちの仕事はこれを取りに行こう、あれを取りに行こう、と考えることではない――それは(ジェネラルマネジャー/GM)スコット(フィッタラー)の仕事だ。私たちの仕事はサムにできる限り準備を整えさせることだ」

「どのポジションでも、大幅に改善できるのであれば、絶対にそうすべきだ。しかし、みんなが今年、これまでよりも良いプレーをすることで多くの改善を図れるし、私は彼の目指す方向性を気に入っている」

パンサーズでの初年度にあたる2021年シーズンを先発として迎えたダーノルドは、3勝0敗と勢いのあるスタートをけん引した。しかし、ダーノルドの不調をきっかけに低迷したパンサーズはその後の6週間でわずか1勝しか挙げられず、シーズン第7週にはダーノルドをベンチに下げている。ダーノルドはシーズン第10週に肩の負傷で故障者リザーブ(IR)に置かれており、これがきっかけでパンサーズはQBキャム・ニュートンと契約することになった。その後、ダーノルドはシーズン第15週まで欠場を余儀なくされ、シーズン最後の2試合は出場している。

ダーノルドは昨シーズンを5勝12敗で終えたパンサーズで12試合に出場して(そのうち11試合で先発を務めて)2,527パスヤード、タッチダウン9回、インターセプト13回を記録。パンサーズのオフェンシブラインはダーノルドがプレーしやすくなるようにサポートすることができず、ダーノルドはサック35回、ファンブル9回を浴びた。パンサーズ攻撃陣はシーズン通算で52回のサックを喫し、試合あたり190.5ヤードしか稼げず、それぞれのカテゴリーで下から数えて5番以内に入っている。

木曜日のルールHCの言葉を聞いて、ダーノルドは自信をつけたかもしれないが、保証は何一つない。今回の早期評価はパンサーズのQB状況をめぐる物語の中ではささいな事柄に過ぎない可能性がある。

【RA】