QBランスは「本人が思っている以上に馬力を秘めている」と49ersシャナハンHC
2022年06月18日(土) 13:00ルーキーシーズンの大半をクオーターバック(QB)ジミー・ガロポロの控えとして過ごした後、QBトレイ・ランスがサンフランシスコ・49ersで司令塔の役割を担う番がようやく回ってきた。
ノースダコタ州立大学でそれほど多くプレーしていなかったランスが最初のシーズンで苦戦したのは無理もない。それでも、22歳のランスは素晴らしい腕力と走力を誇っており、それらを一気に発揮できればその組み合わせは破壊的なものになるだろう。
49ersが年に1度開催するイベント『State of the Franchise(ステート・オブ・ザ・フランチャイズ)』でヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハンはランスの潜在能力を高く評価した。
『SI.com』によると、シャナハンHCは「トレイの最大の強みは若さだということを知っておいてもらいたい」と述べたという。「彼は本人が思っている以上に馬力を秘めている。才能だけではなく、素質や頭の良さも備えている。彼は逆境を乗り越えられると思う。このプレッシャーにも耐えられると信じている。大変にはなるだろう――そういうポジションだからね。このポジションにつける才能を持った人間は、この世にそれほど多くない――32人はいるかもしれないが。しかし、浮き沈みが激しい中でそのポジションを務められるだけの才能と素質を秘めている人は、間違いなく32人もいない」
「どれほど優秀でも、誰かが追いついてくるものなのだ。ペイトン・マニングのように人生であれだけフットボールに打ち込んだ人が、ルーキーイヤーに何をしたか、何回のインターセプトを喫したかを見れば、彼が優れた素質を持ち、困難を克服できたということが分かるだろう」
昨シーズン、シャナハンHCは新人のバックアップクオーターバックにプレッシャーをかけたくなかったのか、ランスに関する話題をほとんど避けていた。しかし、ガロポロがチームを去る方向に進んでいる中、49ersがランスを確保するためにトレードアップした価値があったことを、ランス自身が証明すべき時期が来ている。
ランスは昨シーズンに先発出場した試合で苦戦を強いられていた。その2試合ではパス成功率59.6%、441ヤード、タッチダウン2回、インターセプト2回、サック3回という記録に終わっている。しかし、初先発したシーズン第5週と2回目の先発出場を果たしたシーズン第17週とを比べると、そこには著しい改善が見られた。
オフシーズンをフルに活用してオフェンスをリードしてきたシャナハンHCは、ランスが次のステップに進む準備ができていると信じている。
シャナハンHCはチーム全体について「でも、実際に負けてみないと分からないものだろう。そこから始まるからだ」と語り、次のように続けた。「今からそれを経験する。プレシーズンかもしれないし、シーズン第1週かもしれないが、それは起こるのだ。その後にプレーできるかどうかが分かる。水曜日の練習にはどのように臨めばいいだろうか。どうすれば、そのようなことが二度と起こらないようにできるだろうか。“どうすれば回避できるんだ?”と言う人もいる。うちの選手には能力がある。クオーターバックにも能力がある。知られていなくても、多くの選手が能力を持っている。シーズン中に厳しい試練を与え、長い間やっていけるかどうかを見極めるつもりだ」
49ersはランスが長期にわたってチームにとどまり、スーパーボウル優勝に貢献してくれるような選手になることに賭けている。今こそ若いQBがチームをリードするチャンスなのだ。
【RA】