ニュース

新体制になっても「DNAを同じように保ったことが重要」とセインツRBイングラム

2022年06月19日(日) 10:07


ニューオーリンズ・セインツのマーク・イングラム【NFL】

今週、ミニキャンプの全日程が終了した後、ニューオーリンズ・セインツは元ヘッドコーチ(HC)のショーン・ペイトンが指揮を執っていない状態を初めて本格的に経験することになった。これまでのところ、新ヘッドコーチのデニス・アレンはセインツの選手たちから好意的な評価を得ている。

それはアレンHCと、もともと親交があったことを踏まえると、驚くべきことではないのかもしれない。セインツが守備コーディネーター(DC)をヘッドコーチに昇格させた理由の1つだったという可能性もある。ベテランランニングバック(RB)マーク・イングラムは現在のロースターとともにその手法を支持しているようだ。

チーム公式サイトによると、イングラムは「DNAを同じように保ったことが重要だったと思う」と話しているという。「ここを完全に建て直すというわけじゃない。このチームは騒げるし、走っていけるチームだと思っている。もちろん、改善してより良くなって、チームとしてまとまっていかなくちゃならないけど、チームのDNA、チームのカルチャーを同じように保つことはとても大事なことだし、全員にとって利益があると思う」

これまでずっとセインツの主要なラッシャーとして活躍してきたイングラムは、セインツで過ごした9シーズンの間に直接的にアレンHCと仕事をする機会はなかったものの、尊敬を集めているベテラン選手の評価は考慮されるべきだ。今後も守備コーディネーターとしての役割も担っていく予定のアレンHCは、ピート・カーマイケルをクオーターバック(QB)コーチから攻撃コーディネーター(OC)に昇格させ、スタッフのほとんどを留任させている。ペイトンを引き継ぐ上でこの移行が理想的なものだと考えているイングラムは次のようにコメントした。

「明らかにD.A.はショーンとは違う。でも、D.A.は、できるだけ通常の状態を保ちつつ、そこに彼なりの味付けをするという素晴らしい仕事をした。ディフェンスは守備ミーティングでものすごく長い時間、彼と一緒にいたからもっと慣れていると思う。俺たちは彼が代わりを務めなきゃいけないときに時々見かけるだけだった。でも、俺は彼のことをかなり気に入っている。チームのために素晴らしい仕事をしてくれているし、チームミーティングでも素晴らしい仕事をしてくれている。外に出ても、仕事をしよう、効率的にやろう、効果的にやろう、向上していこう、さあ取り組むぞ、危機感を持とう、と声をかけてくれて、素晴らしい仕事をしているよ。俺たちのことを気にかけて、フィールドの外に出してくれる。素晴らしい仕事をしていると思う。同じDNAを持って、同じチームのカルチャーを持つことは、ロッカールームにいる全員にとって良いことだと思うんだ」

ペイトンはヘッドコーチを務めていた15シーズンの間に152勝89敗を収め、10勝以上を挙げたシーズンは9回に上り(そのすべてでプレーオフ進出)、一度も7勝を下回ることなく、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区優勝を7回経験するなど、一貫した成功を収めてきた。セインツの歴代最多勝利コーチであり、2009年にセインツにとって唯一のスーパーボウル優勝に導いたペイトンは、ニューオーリンズのスポーツ界の名士として永遠に語り継がれることだろう。

アレンHCはペイトンの下でそのうちの12シーズンを過ごしたが、それほどの期間を在任し続けるのは簡単なことではない。成績はともあれ、アレンHCはオークランド・レイダースでヘッドコーチを務めた経験がある。当時はチームを8勝22敗に導いてシーズンの途中で解雇されている。過去7シーズンでセインツの守備コーディネーターを務めたアレンHCは、NFLで最も安定した守備陣の1つを指導してきた。2022年シーズンを迎えるにあたり、セインツ守備陣はチームにとって最も強力な戦力となることが期待されており、それがアレンHCの昇格という組織の戦略の大きな要因になっているようだ。

攻撃面でペイトン時代と同じような成功を収めることは、アレンHCにとって最も難しい試みになるだろう。セインツは2022年にこの点で注目を集めるはずだ。現時点ではチームの重要なベテラン選手から尊敬されているが、アレンHCはセインツを新時代に導くためにまだやるべきことがあることを十分に理解している。

「自分としては、オフシーズンは成功したと思っているが、あくまでオフシーズンに過ぎない」と強調したアレンHCは次のように続けた。「これからシーズンが始まるまでの間に、やらなければならないことがたくさんある」

「ここで多くの経験を積んだことで、この役割、この環境、この組織にさらに馴染めたことは確かだ。自分の置かれている状況も、コーチングスタッフの置かれている状況も、選手たちの置かれている状況も良いと思っているが、まだ満足はしていない」

【RA】