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NFLを引退する意向を示したCBウェインズ、「頭の中ではもうやめたと思っている」

2022年06月21日(火) 11:29


シンシナティ・ベンガルズのトレイ・ウェインズ【Zachary Silver via AP】

コーナーバック(CB)トレイ・ウェインズはフットボールの夢の中で生きてきた。シンシナティ・ベンガルズでここ2年間、ケガに悩まされていたウェインズはその追求をやめて人生の次のステップに進もうとしている。

少なくとも今のところは公式に発表していないが、ウェインズは事実上、プロフットボール界から退いた。最近、ポッドキャスト『Geary & Stein Sports Show(ギアリー&スタイン・スポーツ・ショー)』に出演したウェインズは、NFLで7シーズンを過ごした後、フットボールキャリアを続けることに興味がなくなったと言い、次のように明かしている。

「隠していないから言うけど、正直、もう何も探求していないんだ。実際、複数のチームから電話があった。正直、頭の中ではもうやめたと思っている。何も気にしていないから公式には言ってない。でも、引退したようなもんだ。発表したわけでもなんでもないけどな」

ウェインズの決断の主な理由は健康問題だ。チームがスーパーボウル進出を果たした2021年シーズンを終えた後ですら、もう引退する時期だと思ってしまうほど、最後の2シーズンはウェインズにフラストレーションを与えるものだった。

「シンシナティでの生活はケガばっかりだったから、スーパーボウルという感じはしなかった」とウェインズは説明している。「ミネソタでは一度も経験したことがないようなことだった」

「スーパーボウルでプレーするはずだった――まあ少しはプレーしたんだけど――出場するはずだったんだけど、結局はまたケガをしてしまった。この試合が終わった後、妻に“出場するはずなのに、体が故障しているから出られないなんて、これほど悔しいことはない”って言っていたんだ」

ミシガン州立大学でスター選手として活躍した後、2015年ドラフト全体11位指名を受けてNFLキャリアをスタートさせたウェインズは、大きな期待を寄せられながらミネソタ・バイキングスに入団。プロボウルに選出されることはなかったが、最初の3シーズンでインターセプト5回とパスディフェンス26回をマークし、堅実なディフェンシブバックとしてプレーしてきた。

2020年にバイキングスから移籍したウェインズは、ベンガルズと3年4,200万ドル(約56億6,775万円)の契約を結んでいる。しかし、ベンガルズの一員としてフィールドに立つ前に、トレーニング中に胸筋を断裂してしまい、2020年シーズンを棒に振ることになった。2021年シーズンも現実は厳しく、ウェインズは合計5試合に出場するも、またもや故障者リザーブ(IR)に置かれている。

ベンガルズが最終的に第56回スーパーボウルへの出場を果たしたポストシーズンには復帰できたものの、ウェインズはスペシャルチームの選手として出場しただけだった。さらに、本人が語っていたように、最も重要な試合では足首のケガが原因で思うようにチームの力になれなかった。

このようにもどかしい思いをしてきたウェインズは、身体の健康を維持し、家族と過ごす時間の方が重要だと考えている。バイキングスの元アシスタントや元チームメイトとの再会を考慮しても、もう一度やり直す気にはならなかったようだ。

ウェインズは「実は、JG(フィラデルフィア・イーグルスの守備コーディネーター/DCのジョナサン・ギャノン)やアント(セーフティ/Sのアンソニー・ハリス)ともう一度一緒にやるためにフィリーに行きかけたんだ。でも、その時点では“もう終わる準備はできてるな”っていう感じだった」と話している。「あと数年は楽にプレーを続けられるんじゃないかって? そうだな。でも、俺には家族がいて、もっと子どもたちと一緒にいたいんだ」

「俺としては、プレーして、夢に生き、やり遂げ、家族を養えるだけのお金を稼いだ。俺はずっと、自分の意志で去りたいと思っていた。人生にはフットボール以外にもいろんなことがある。足を引きずったり、いつも痛みに耐えて歩いたり、そんなことをせずにフットボール以外の人生も楽しみたいんだ。ほろ苦さもあるけど、結局は正しい決断なんだろうなと思う」

ウェインズが本当にこれで引退すれば、7シーズンで79試合に出場(うち57試合に先発出場)し、インターセプト7回、パスディフェンス43回、タックル259回(うちフォーロス9回)、サック1回という成績でキャリアを終えることになる。ウェインズは自分の意思を貫くことで得た安心感を胸に、次のステージに進もうとしている。

【RA】