NFL初のアフリカキャンプで若手アスリートがフットボールスキルを披露
2022年06月25日(土) 12:02ガーナのアクラで今週初め、オウシ・ウメニオーラはアフリカ大陸中から集まった若い選手たちと向き合った。彼らは第1回NFLアフリカキャンプで、自らのスキルを披露し、アメリカンフットボールを学ぶために集結した。
キャンプ開始に合わせて今回の意義を明確に示したオウシは「われわれは皆さんに人生を変える機会を与えるためにここにいる。そのためにわれわれはここにいるのだ」と語った。
6月21日(火)と22日(水)に行われたこのキャンプに、インストラクターとして参加し、ワイドレシーバー(WR)をサポートしたモーリス・ジョーンズ・ドリューはオウシのこの言葉を聞いてゾッとしたと明かす。
ニューヨーク・ジャイアンツで2度のスーパーボウル制覇を経験したオウシは今回のイベント実現に向けて尽力してきた。彼は20年間にわたり、故郷ナイジェリアへの寄付を続けており、彼の最新プロジェクトのひとつである“The Uprise(ジ・アップライズ)”はアクラから北におよそ2時間のところにあるライト・トゥ・ドリーム・アカデミーで開催されたNFLアフリカキャンプの誕生を最終的に後押しした。
ガーナ、ナイジェリア、南アフリカ、セネガル、コンゴ民主共和国の5カ国から集まった49人の参加者の多くは、ジ・アップライズ、エゼキエル・アンサ財団、クリーブランド・ブラウンズのラインバッカー(LB)であるジェレマイア・オウスコラモーアらが開催した各地域でのキャンプを通して選ばれた。今回のイベントは若者たちに注目の機会を与えるとともに、インターナショナルコンバインやNFLのインターナショナル・プレーヤー・パスウェイ(IPP)プログラムへの参加、16歳から19歳のアスリートを対象にロンドンで行われるNFLアカデミー招待という機会を提供した。
彼らがこれまでにジ・アップライズで発掘され、NFLチームと契約したチグボ・ロイ・ムバエテカ(ニューヨーク・ジャイアンツ)、ハガイ・チソム・エンドビージ(アリゾナ・カーディナルス)、ケヒンデ・ハサン・オギニ(カンザスシティ・チーフス)の3選手の足跡をたどることを望んでいるのは間違いないだろう。
NFLアフリカキャンプに参加したアスリートたちの多くはラグビーやサッカー、陸上など他のスポーツをやっており、アメリカンフットボールは『YouTube(ユーチューブ)』で動画を見て学んだという。彼らはアメリカンフットボールに特に親しんでいるというわけではないが、純粋で原石となるアスリートであり、非常に優れた、NFLにおいてアフリカを代表する選手へと成長する可能性を秘めている。
初日はNFLスカウティングコンバインの項目にあるドリル、40ヤードダッシュやショートシャトル、幅跳びや垂直跳びなどが実施された。ジョーンズ・ドリューはレシーバーの基本的なプレーの仕方や、ごく基本的な3ステップのスラントなど、さまざまなルートの走り方を指導している。
2日目になると、参加者たちはゴー・ルート、アウト・ルート、ヒッチ、カール、スラントなど、フィールド上を縦横無尽に飛び回れるようになった。彼らは多くの情報を素早く処理し、適切な深さでうまくルートを走っていた。
ジョーンズ・ドリューはその素晴らしい技術から特に注目した4人のワイドレシーバーとして、パスカル・ハンス・ウゾマ・エケジ、ウドチュク・プレシャス・ウズエグブ、サミュエル・サンデー、オヌー・デビッド・ジョンを紹介している。
「パスカル【身長6フィート4インチ(約193cm)、体重210lbs(約95kg)】は、すべての部分で優れていたという。サイズがあり、インにもアウトにもスムーズに走り込み、非常に真面目に取り組んでいた。ウドチュク【身長6フィート3インチ(約191cm)、体重212lbs(約96㎏)】も非常に熱心で、より自然にボールをキャッチしていた。NFLアカデミー参加資格のあるサミュエル【身長6フィート2インチ(約188cm)、体重191lbs(約87㎏)】、オヌー【身長6フィート1インチ(約185cm)、体重192lbs(約87㎏)】はより未熟だったが、指導によって安定したレシーバー候補へと成長する可能性がある」
「もう1人覚えておきたいのは、今回のキャンプでトップオフェンスプレーヤーとして表彰された、6フィート6インチ(約198cm)316lbs(約143㎏)のオフェンシブラインマン(OL)オコエ・バジル・チジョケだ。コンバインドリルにおいて34.5インチ(約90cm)の垂直跳びを記録した20歳のオコエはグループの中で最もNFLにふさわしい選手だった」
NFLアフリカキャンプは、ファンイベントやフラッグフットボールクリニックを含む1週間のイベント『NFL Africa: The Touchdown (NFLアフリカ:ザ・タッチダウン)』の一環として開催された。オウス・コラモーア(ガーナ)、シアトル・シーホークスのOLBウチェナ・ヌウォス(ナイジェリア)、ヒューストン・テキサンズのDEオボ・オクロンクオ(ナイジェリア)、インディアナポリス・コルツのDEクイティ・ぺイ(リベリア)、マシアス・キワヌカ(ウガンダ)、ローマン・オーベン(カメルーン)、ウメニオーラ(ナイジェリア)といったアフリカ系の元NFL選手、現役NFL選手たちがイベントに参加している。
このキャンプとイベントについては、今年中に『NFL360』で公開予定の特集で詳しく紹介される。ジョーンズ・ドリューは「NFLでプレーする機会を若者に提供するために、多くの人たちが行っている活動を高く評価したい。簡単に言えば、感動的なのである。まだ始まったばかりで、最も素晴らしい部分はわからないのだが」と話した。
【AK】