シカゴ市指定委員会がベアーズにソルジャー・フィールドのドーム化検討を提言
2022年07月09日(土) 10:04シカゴ市長のローリ・ライトフットに任命された委員会は、NFLのシカゴ・ベアーズに対して郊外に移らずに湖岸の本拠地にとどまるよう説得する試みの一環として、ソルジャー・フィールドに屋根を設置することを検討するよう提言した。
また、委員会はNFLで最も座席数の少ないスタジアムの収容人数拡大、人工芝の設置、命名権の販売なども推奨している。屋根や円天井をつければ、スーパーボウルやその他のイベントなども誘致できるかもしれない。
委員会は「ソルジャー・フィールドの囲い込みには多額の投資が必要となるが、具体的なコスト、潜在的な直接的・間接的経済効果、利用可能な資金源の全容を完全に理解してシカゴの納税者に配慮した選択肢を決定するためには、さらなる分析が必要だ」と述べている。
このグループの活動はフィールド博物館、シェッド水族館、アドラープラネタリウム、マコーミック・プレイスにある湖岸の建物を含む一帯の土地に変化をもたらす大きな提案の一部だ。それには交通の便を良くし、自転車に乗りやすい地域にすることも含まれている。
一方で、ソルジャー・フィールドへの提言はベアーズが撤退した場合の責任を回避するためのライトフット市長の試みと見ることもできる。
チームは昨年、ソルジャー・フィールドから北に約48km離れたイリノイ州アーリントンハイツの郊外にある約132ヘクタールの敷地を購入する契約を結び、そこが将来スタジアムの建設地となる可能性が出てきた。ベアーズのテッド・フィリップス社長はこの契約が成立するのは2023年初頭で、その時点で「さらなる開発を試みることが財政的に可能かどうか」を判断することになるだろうと明かしている。
ベアーズが1971年以来、本拠地としているソルジャー・フィールドのリース契約は2033年までだ。シカゴ・パーク地区が所有するこのスタジアムは2002年に6億9,000万ドル(約939億1,935万円)をかけて改修されている。これにより、チームはイリノイ大学でホームゲームを行うことを余儀なくされ、スタジアム自体は最終的に国定歴史建造物の指定を失うことになった。
内部は取り壊され、空飛ぶ円盤のようなガラス主体の構造で、有名なギリシャ風とロマネスク風の列柱の上に一端を固定して他端を自由にした梁(はり)が採用された建物に生まれ変わっている。この様式の不調和は多くの批判を浴びただけではなく、改修によって観客席はNFLで最も少ない61,500席まで減少した。
【RA】