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ベイカー・メイフィールドに対する発言はサム・ダーノルドを“守る”ためだったとロビー・アンダーソン

2022年07月09日(土) 11:57


カロライナ・パンサーズのロビー・アンダーソンとロサンゼルス・チャージャーズのクリス・ハリス【AP Photo/Peter Joneleit】

カロライナ・パンサーズがベイカー・メイフィールドのトレードを完了する前から、先発ワイドレシーバー(WR)の一人がこの動きに明らかに不快感を示していた。

4月、ロビー・アンダーソンはパンサーズがクリーブランド・ブラウンズのクオーターバック(QB)を獲得しようとしているという『NFL Network(NFLネットワーク)』の報道に対し、『Instagram(インスタグラム)』で「ノー」と力強くコメントした後、当該コメントを削除している。アンダーソンは6月に地元メディアに対し、パンサーズの現先発でアンダーソンにとってはニューヨーク・ジェッツで2シーズンを共に過ごした長年のクオーターバックであるサム・ダーノルドにとって「良いチームメイト」になるように努めていると語っていた。

現地6日(水)のトレードの前に録音された『I Am Athlete(アイ・アム・アスリート)』 ポッドキャストにおいて、アンダーソンは当時の、そして加入が差し迫った現在のメイフィールドへの反応について自信ありげにこう説明している。

「俺がしていたこと、それはサムを守ることだったってこと。結局のところ、俺とサムは相性抜群なのに、すべてもう一度やり直さなないといけないようなもの、そういうことさ。彼を軽蔑しているわけではない。今現在の自分のクオーターバックを守るためだったんだ」

“今”はもうないのかもしれない。パンサーズはトレードによって元全体1位指名のメイフィールドを獲得し、ダーノルドとメイフィールドはトレーニングキャンプでポジションを争うことになる。ダーノルドはすでにカロライナでの1年間の経験があり、ヘッドコーチ(HC)マット・ルールの下でもプレーしたが、メイフィールドにはプレーオフの経験とより優れたフィールド上でのトラックレコードがある。

アンダーソンの指摘によると、ダーノルドはパンサーズの先発ワイドアウトとの確立された相性の恩恵を受けている。一緒にプレーした3シーズン(2018年、2019年、2021年)で、アンダーソンは昨年の3本を含む14本においてダーノルドのパスタッチダウンの受け手になっている。ダーノルドのキャリアにおいて、彼のタッチダウンパスをより多くキャッチしたレシーバーはいない。

2022年にダーノルドがアンダーソンの先発QBになる保証はないが、それでもレシーバーによる彼の擁護は止まらない。アンダーソンは『I Am Athlete(アイ・アム・アスリート)』で、ダーノルドがジェッツとパンサーズで成功しなかったのは、彼のせいばかりではなく、彼はただ、最初から成功するように準備されていなかっただけだと主張した。

アンダーソンは次のように説明した。「これはサムにも伝えたことなんだけど、リーグに入ってからの彼の成長はめちゃくちゃだったと思うよ。パトリック・マホームズ、ラマー・ジャクソンを見てみろ、彼らはすぐにはプレーできなかったんだ。サムはすぐにプレーすべきだったとは思っていない。彼のキャリアは間違った方法で急発進してしまったんだと思う。俺は、この建物の中にいて、コーチも、俺もそこにいた。そういうことさ。それはすべて正しくなかったんだ。だから、彼を擁護するならば、100%正しく成長できたとは思えないんだ」

ダーノルドはジェッツのトッド・ボウルズHCとジェネラルマネジャー(GM)マイク・マッカグナンによって、メイフィールドより2つ後ろの2018年ドラフト全体3位で指名された。南カリフォルニア大学出身の彼はトレーニングキャンプでテディ・ブリッジウォーターとジョシュ・マカウンを打ち負かし、シーズン第1週から司令塔として先発。NFLでの初パスをインターセプトされたのが印象的だった。ダーノルドは初年度4勝9敗、タッチダウン17回、インターセプト15回の記録を残し、好調なままシーズンを終えた。しかし、シーズン後にボウルズHCが解雇され、後任のヘッドコーチとしてアダム・ゲイズが就任した。数カ月のうちにマッカグナンGMも更迭され、ジョー・ダグラスが後任となった。

ダーノルドは9勝16敗、タッチダウン28回、インターセプト24回と、ゲイズの下での2シーズンは病気やケガに悩まされ、2020年シーズン後にはゲイズが解任された。2021年のオフシーズンにはロバート・サラーが新HCとして雇われ、サラー=ダグラス体制の最初の動きの1つはダーノルドをパンサーズに送り、ザック・ウィルソンと交代させることだった。2021年シーズン中、ダーノルドはケガで一時的に欠場し、P.J.ウォーカーやシーズン途中に契約したキャム・ニュートンに散発的に取って代わられた。

現在、今度はドラフトの同期によって、ダーノルドは再び取って代わられる危険にさらされている。アンダーソンはダーノルドの味方となるが、2022年シーズン、誰が彼にタッチダウンパスを投げるのかを決定するのはルールとそのコーチ陣だ。

【AK】