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リーダーシップの向上で2022年に変化が起きると期待するジャガーズQBローレンス

2022年07月12日(火) 12:23

ジャクソンビル・ジャガーズのトレバー・ローレンス【AP Photo/Jae C. Hong】

2021年ドラフトでクオーターバック(QB)トレバー・ローレンスが全体1位で指名されたのは、ある程度予測されていた展開だった。

しかし、それ以降のルーキーイヤーは予測とはほど遠いものになっている。短命に終わったアーバン・マイヤーHC(ヘッドコーチ)時代のジャクソンビル・ジャガーズは黒星が重なっていく中で手に負えない状態になっており、ローレンスはその火中に放り込まれていたのだ。

ダグ・ペダーソンHCの下で新時代を迎え、事態が収束し、明るい兆しが見え始めた今、ローレンスは自分自身とジャガーズの双方に明るい未来が待っていると考えている。

ローレンスは『FS1』の“The Herd(ザ・ハード)”に出演した際に、「俺自身はもちろん、チーム全体のリーダーシップが向上したから、今シーズンは大きく変わると思う。だから、全然違う1年になると思う」と語った。

マイヤーの下で混乱に陥ったジャガーズにとって、2021年に実際に起こったことを除けば、その経験は必ず生きてくるだろう。高校、大学と大成功を収めてきたローレンスは、度重なる敗北を乗り越える術を身につけなければならなかったが、フラストレーションを抱えながらもプレーした経験は彼にとって無価値ではなかった。

「確かに、長い1年だったよ」と振り返ったローレンスは「1年を通して、かなりポジティブでいられたと思う。まあ、特に試合が終わった後に家に帰るときとか、5、6試合続けて負けていると、ちょっとつらくなるときもあったけどね。それまでのキャリアでは、たぶん5、6回以上負けたことがなかったんだ。だから、確実に現実を直視することになった」と続けている。

ジャガーズは昨季にわずか3勝しか挙げていない。2021年シーズンはローレンスのクレムソン大学時代のチームメイトでもあったランニングバック(RB)トラビス・イーティーエンがプレシーズンに負傷してルーキーイヤーを棒に振ることになったところから始まり、マイヤーがフィールド外でのスキャンダルによってクリスマスの9日前に退任を余儀なくされるなど、さまざまな出来事があった。何度も困難に直面する中で、チームを導くようなリーダーを擁していなかったジャガーズは、しばしば途方に暮れているようにも見えていた。

シーズン第10週から第17週までの8連敗は、ジャガーズにこれ以上ないほど早くオフシーズンが訪れることを意味していた。しかし、ローレンスはその前に、統計的には散々な成績でも貴重な経験を積んで、その状況を最大限に生かす方法を見つけている。

「ただ、ポジティブでいること、チームをまとめようとすること、それはシーズン中ずっと心がけてきた。それはもうチャレンジングだったさ」とローレンスは明かした。「去年は、それまでのようにただ勝っているときとは明らかに違う視点で、多くのことを学べたと思う。まずは、勝利に対する感謝の気持ちが大きくなった。そして、いくつかの課題を克服し、それをすべて解決して、自信に満ちた状態で新しい1年を迎えようとしている。チームはいい感じだし、スタッフも最高だし、本当に興奮している」

ローレンスには興奮する理由がある。ジャガーズは経験の浅かったマイヤーを、NFLでのプレー経験とスーパーボウルリングの両方を併せ持つコーチに置き換えたのだ。また、オフシーズンには多額の出費を惜しまずに、4月に入る前に合計1億7,500万ドル(約240億0,668万円)以上の保証金を新加入の選手に割り当てている。

新たにチームに加入したガード(G)ブランドン・シャーフ、タイトエンド(TE)エバン・エングラム、ワイドレシーバー(WR)のクリスチャン・カークシーやゼイ・ジョーンズがいることによって、ローレンスの2年目のシーズンは少なくとも少しは楽になるだろう。プロのQBとして活躍した経験から、ローレンスにある程度共感できるペダーソンHCの存在も同じように役立つはずだ。

何より、ローレンスはNFLで勝つことがいかに難しいかをすでに学んでいる。しかも、プロ1年目にして、今後のキャリアで二度と経験しないと考えられるほどの機能不全に陥っていたシーズンを耐えてきた。ここから先はもう上昇していくしかないだろう。

【RA】