デショーン・ワトソンの疑惑に関連する訴訟でテキサンズが原告側と和解
2022年07月16日(土) 11:15クオーターバック(QB)デショーン・ワトソンがマッサージセラピー中に起こしたとされる行為に関して、その行動を可能にしたとして当時の所属チームであるヒューストン・テキサンズを提訴していた、もしくは提訴しようとしていた30名の女性たちと内容秘匿での合意に至ったと、原告側の弁護士が現地15日(金)に発表した。
テキサンズオーナーであるマクネア家のジャニス、ハンナ、キャルは金曜日に声明を発行し、その中で次のように述べている。
「2021年3月に当時のフランチャイズクオーターバックに対する疑惑を初めて知ったとき、私たちは衝撃を受け、深い悲しみを覚えた」
「私たちの組織はデショーン・ワトソンの不正行為を全く把握していなかったが、私たちはこの問題を友好的に解決することを意図的に選択した。これはいかなる不正行為も認めるものではなく、むしろ、あらゆる形態の性的暴行や性的不品行に反対する明確な立場を表明するものだ」
「本日の和解が関係者、ファンの方々、そしてヒューストンのコミュニティ全体に、何らかの形で終結をもたらすことを期待している。今後は組織として、未来に目を向け、すべての人々が尊重されるように今できることを実行していくことに焦点を当てていく」
ワトソンとテキサンズに対する民事訴訟の原告全員の弁護士であるトニー・バズビーは、和解の条件は極秘にされると述べている。
バズビー弁護士は声明で「本日、ヒューストン・テキサンズの組織に対して申し立てを行った、あるいは行おうとしていた女性たちが全員、主張を取り下げた」と述べ、こう続けた。「和解の条件はそれぞれの支払い額を含め、機密事項となっている。この申し立てやテキサンズが関与したとされる疑いについて、これ以上コメントすることはないが、申し立てに対するテキサンズの対応と、ワトソンの所属チームの対応とが極めて対照的であったことだけは指摘しておく。すでに報じられているように、テキサンズに対して申し立てた30名の女性のうち、正式な訴訟を起こしたのは1名だけだ。その訴訟は適切な和解書が完成し次第、ただちに確定力のある決定として退けられる予定だ」
テキサス州ハリス郡で6月27日に起こされた訴訟では、マッサージセラピーのセッション中におけるワトソンの疑惑の行動をチームが認識していた上に、「テキサンズの組織の関係者がワトソンの行為を把握していた、あるいは把握していたはずだ」と訴えられていた。
また、「ヒューストニアン・ホテルに用意された部屋、プライベートマッサージを受けるために提供されたマッサージテーブル、テキサンズのセキュリティ責任者から提供されたNDA(秘密保持契約)」を含め、テキサンズがワトソンにセラピーセッションを行うためのリソースを提供したとも主張されていた。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが報じたところによると、金曜日に発表された和解について、NFLはコメントを控えているという。
ワトソンがマッサージセッション中の性的暴行および不品行で告発された後、NFLは彼がリーグの個人行動規範に違反したかどうかを独自に調査しており、ワトソンはNFLから処分を受ける可能性がある。元連邦地方裁判所判事で、NFLとNFL選手会(NFLPA)から共同で指名された懲戒責任者のスー・ロビンソンの元で行われたワトソンの懲戒に関するヒアリングは、デラウェアにて3日間にわたって続き、6月30日に終了した。
6月21日には、ワトソンが性的不品行を働いたとして民事訴訟を起こしていた24名の女性のうち20名と内容秘匿での合意に至ったと発表されている。
バズビー弁護士は金曜日に出した声明で、ワトソンに対する残り4件の訴訟は今後も継続されると明かした。
ワトソンはこれまで、一切の不正行為を否定し、女性たちとの性行為はすべて合意の元だったと主張している。10名の女性が訴えたワトソンに対する刑事告訴について、テキサス州にある2つの大陪審は起訴を見送った。
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