元HCのドン・コリエルがプロフットボールの殿堂2023年度コーチ/貢献者部門ファイナリストに
2022年08月25日(木) 17:43故ドン・コリエルがNFLの試合でコーチをしていたのは35年以上前のことだ。
しかし、セントルイス・カーディナルス(現アリゾナ・カーディナルス)とサンディエゴ・チャージャーズ(現ロサンゼルス・チャージャーズ)の元ヘッドコーチ(HC)がこのスポーツに与えた影響は、今でも毎週日曜日に感じられている。
NFL史上最も革新的なオフェンシブコーチの1人であるコリエルが、プロフットボールの殿堂の2023年度コーチ/貢献者部門のファイナリストに選ばれたことが現地24日(水)に発表された。
2010年に85歳で亡くなったコリエルはカーディナルスとチャージャーズで合わせて14シーズンにわたってヘッドコーチを務め、通算で111勝83敗1引き分け、プレーオフ出場6回という成績を収めている。コリエルが最も影響を与えたのは、その攻撃的なアプローチと革新性だ。ランニングバック(RB)を1人起用するフォーメーション、レシーバーのオプションルートの使用、タイトエンド(TE)を動き回らせてパスキャッチャーや“ジョーカー(ワイドレシーバーとしての役割も兼任するタイトエンド)”として使用する手法、ランニングバックのスクリーンやスナップ前の動きなどは、すべてコリエルの功績だ。コリエルと“エアコリエル”というニックネームで親しまれたオフェンスが最も愛され、最も革命的だったのはチャージャーズ時代だった。
今年7月、コリエルはプロフットボールの殿堂のコーチ/貢献者部門で29名のセミファイナリストに選ばれた。8月17日には、シニア部門の25名のセミファイナリストに選ばれていたチャック・ハウリーやジョー・クレコ、ケン・ライリーがプロフットボールの殿堂2023年度シニア部門ファイナリストになったことが発表されている。
サンディエゴ州立大学での功績によって、カレッジフットボールの殿堂入りを果たしたコリエルはその在籍期間に、後にプロフットボールの殿堂入りを果たすことになるジョン・マッデンやジョー・ギブスをアシスタントとして擁していた。また、彼のコーチングツリーにはジム・ハニファンやアーニー・ザンペース、ロッド・ダウハワー、アル・サンダースといったコーチ陣も名を連ねている。
カレッジとNFLで100勝した最初のコーチであるコリエルは、1973年から1977年にかけてはカーディナルスで(42勝27敗1引き分け)、1978年から1986年にかけてはチャージャーズで(69勝56敗)その記録を生み出した。
1974年にカーディナルスでAP通信年間最優秀コーチ賞を受賞したコリエルが、最も印象的な活躍をし、称賛されているのはチャージャーズを指揮していたときだろう。コリエルは1980年シーズンと1981年シーズンに、2年連続でチャージャーズをAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームに導いた。その頃のチャージャーズはパスヤードで6年連続リーグ首位に輝き、NFL記録を樹立している。また、コリエル率いるチャージャーズは得点で3度、トータルオフェンスで5度、パスオフェンスで7度、NFLをけん引した。
プロフットボールの殿堂入りを果たした元クオーターバック(QB)ダン・ファウツは、チャージャーズでの在籍期間のうち9シーズンの間、コリエルの指揮下で活躍している。
コリエルはギブスのときと同様に、ファウツが殿堂入りしたときにそこに参列していた。
過去に6回、プロフットボールの殿堂入りの最終選考に残っていたコリエルは、ギブスだけではなく、ファウツやダン・ディアドルフ、チャーリー・ジョイナー、ケレン・ウィンスローといった元選手たちがいるカントンに向かう入り口に再び立っている。
【RA】