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NFL選手会会長で元ブラウンズCトレッターが9年のキャリアに幕

2022年08月26日(金) 11:42

クリーブランド・ブラウンズのJC・トレッター【AP Photo/Kirk Irwin】

NFLPA(NFL選手会)の会長であり、かつてクリーブランド・ブラウンズのセンター(C)として活躍していたJC・トレッターが、現地25日(木)に9年間のNFLキャリアに幕を下ろすことを発表した。

「次のチャプターへ」

「2011年5月、俺は自分に向けて手紙を書いた。当時、250ポンド(約113kg)のタイトエンドだった俺は、半月板手術を受けた後のリハビリに臨みながら、自分の人生で成し遂げるべきことを決意した。手紙はこう始まる」

「“現在は2011年5月7日午前2時35分だ。君はプロのアスリートになる決心をした。ドラフトで指名を受け、辞めたいと思うまでNFLでプレーするのだ”」

「具体的に何をするのかも書き連ねた――その目標を達成するためには何が必要なのか、その過程でどんな犠牲を払う必要があるのか。俺はその手紙を大学の部屋に飾り、それ以来ずっと持っている」

「その目標を実現するためにオフェンシブラインにポジションを変えるというのは、確かに、考えてもみなかったことだった。それでも、目標に到達するために全力で取り組み、必要であればどんなことをするのもいとわなかった。次の2年間で50ポンド(約23kg)増量し、新しいポジションを学び、最終学年の最後にグリーンベイ・パッカーズから4巡目で指名を受けた」

「現在は2022年8月25日午前8時30分だ。今日、俺は手紙に記した2つ目の内容を実現させる決心をした。望んだときにプレーするのを辞める――自分の思うがままに。自分が成し遂げてきたことにも、自分に誓いを立てたあの夜からこんなにも遠くまで来られたことにも誇りを感じている。31歳の俺が20歳の俺に話しかけられるとしたら、俺たちはやったぞと心から伝えられるような気がする。俺たちはすべてを有言実行し、それ以上のことも成し遂げられたんだ、と」

「NFLで過ごした9年間で、ものすごく多くの素晴らしい人々に出会えたことは幸運だった。このキャリアをこんなにも面白いものにしてくれたすべての皆さんに感謝している」

「揺るぎないサポートをしてくれた両親と姉にも感謝したい。リトルリーグからNFLまで、試合の場にあなたたちがいることは自分にとってこの上なく大事なことだった。俺たちは常に小さなチームになっていて、それぞれに対して感謝してもしきれないと思っている」

「妻アンナへ、君がいなかったらここまでやってこられなかった。俺が夢を実現するのを支えるために、ものすごく多くの犠牲を払ってくれた。それが当たり前のことだったとは思わない。俺の愛する人生を2人でつくりあげてきた。俺たちの次のチャプターが始まるのがとても楽しみだ」

「フィールドでの出番は終わったかもしれないが、フットボールから離れることはない。NFLPAの会長としての仕事にもっと労力を投じることも、過去、現在、そして未来の偉大な選手たちに代わって、さらなる発展を推し進めることも楽しみにしている」

グリーンベイ・パッカーズから2013年ドラフト4巡目指名を受けたトレッターのキャリアは、ケガに悩まされるところからスタートした。トレッターはルーキーシーズンを棒に振っただけではなく、2年目のシーズンも大半を欠場している。しかし、パッカーズで4年間を過ごした後、クリーブランド・ブラウンズでは屈強な主力選手へと変貌を遂げた。

トレッターは過去5年間をブラウンズで過ごし、80試合で先発を務めている。2021年シーズンは1試合しか欠場しておらず、ここ数シーズンはNFLでもトップクラスのオフェンシブラインを堅固に支える存在として活躍していた。

トレッターは2020年にNFLPAの会長に選出され、2022年に再選を果たしている。フィールドでの試合からは離れるものの、選手の確固たる擁護者としての活動に「もっと労力を投じる」つもりだと言及した。

タンパベイ・バッカニアーズやサンフランシスコ・49ersなど、ベテランセンターの力を必要としているチームがある中、トレッターの名前はフリーエージェント(FA)の候補者としてよく挙がっていた。31歳の引退はその選択肢を一掃している。

【RA】