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バッカニアーズQBブレイディがキャンプ中の休暇について言及

2022年08月29日(月) 10:28


タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Zach Bolinger】

タンパベイ・バッカニアーズはクオーターバック(QB)トム・ブレイディがフィールドに戻ってきたことを喜んでいるはずだ。

現地27日(土)夜に行われたプレシーズン最終戦はバッカニアーズとそのスタークオーターバックにとって、異例尽くめの8月の重要な分岐点となった。バッカニアーズがインディアナポリス・コルツに27対10で敗れた後、ブレイディの報道陣への対応も注目されている。それはブレイディがチームに戻ってきてから初めて臨んだメディア対応だったからだ。

『Tampa Bay Times(タンパベイ・タイムズ)』によれば、ブレイディは練習を欠席した理由について「すべて個人的なものだ」と明かし、こう続けたという。「人はそれぞれ、抱えている状況が違うし、人生には本当に固有の課題があるものだ。僕は45歳だろ。いろんなことが起こるんだ。だから、自分のできる範囲で、人生を考えていくしかない。その連続なんだ」

ブレイディは個人的な理由で計画的にとった11日間の休暇について、詳細を語らなかった。当然、今回の異例の休暇は45歳のQBに関するさまざまな説や、チーム全体に対するフットボール以外の疑問をもたらしている。しかし、1週間の練習を経たブレイディは土曜日の試合で、チームメイトがブレイディの不在によって生じ得る影響を軽視してきた理由を証明した。

バッカニアーズはブレイディがいたことで、このプレシーズンで初めてオープニングドライブで得点を挙げている。しかも、それは有利な状況だったわけではない。フィールド中央部での第4ダウン残り3ヤードという場面で、ブレイディは今回の試合で初めてパスを成功させ、重要なファーストダウン更新に繋げている。その後に投げたパス5回をすべて成功させたブレイディは、結果的にプレー11回で66ヤードを獲得するドライブを演出。キッカー(K)ライアン・サコップが30ヤードのフィールドゴールを成功させてそのドライブを締めくくった。

ブレイディは「今までたくさんフットボールをしてきた。数多くのシーズン、試合、練習を経験してきたから、かなりいい感じだ」と強調している。

2ミニッツオフェンスという体裁のもと、バッカニアーズはブレイディが指揮を執ったことで気合が入っているようだった。ブレイディがこの夜に成功させた6回のパスは新加入のベテランワイドレシーバー(WR)フリオ・ジョーンズを含めて5人のレシーバーの手に渡っている。ジョーンズはサイドライン際で、オープニングドライブで最長にあたる20ヤードのパスをキャッチし、チームをレッドゾーンに到達させた。

「フリオは本当に息を合わせやすい。NFLのエリートワイドレシーバーだ」とブレイディは話している。

ブレイディはオープニングドライブでパス8回中6回成功、44ヤードという記録を残して出番を終えた。ブレイディの復帰は明るい展望をもたらした一方で、バッカニアーズはプレシーズン最終戦を負傷者なしで終えたわけではない。

センター(C)ロバート・ヘインシーが足首を負傷して第2クオーターで退場し、9月11日(日)に行われるシーズン第1週のダラス・カウボーイズ戦への出場が危うくなっている。ヘインシーのバックアップであるガード(G)ニック・レベレットも肩の負傷により途中離脱した。

ヘインシーは7月28日にCライアン・ジェンセンが膝に重傷を負ってから、2022年シーズンにバッカニアーズの先発Cになるべく取り組んでいる。ブレイディがプレシーズン最終戦に出場したのも、キャリア2年目のヘインシーとのプレーに慣れることが大きな理由となっていた。

ブレイディはヘインシーについて「タフなポジションだ。つまり、オフェンスにとっては重要なポジションだ。センターポジションはね」とコメントしている。「もちろん、ライアンを失うのはみんな嫌だった。程度はまだ把握しきれていないけど、しばらく時間がかかるだろう。ヘインシーはそこを任され、良い仕事をしている。去年はチームメイトと組織全体から信頼を得るために本当に一生懸命に取り組んでいたし、これから素晴らしい成果を見せてくれるはずだ」

オフェンシブラインからまたも負傷者が出たことを受け、バッカニアーズでは依然として憂慮すべき傾向が続いていると言えよう。先発Gアーロン・スティニーはプレシーズン第2週で膝を負傷してシーズン絶望になっており、これ以上、ブレイディのブロッカーが長期欠場することは許されない状況となっている。

とはいえ、バッカニアーズのユニフォームを着用したブレイディがドライブを成功させたことで、最も懸念されていた不在は終わりを迎えたことが分かった。途中で一時的な中断があったものの、ブレイディとその仲間たちはフィールドでの成功によってこの1カ月を単なる余談に変えるべく、2022年シーズンに向けて前進しようとしている。

「ラインに何人か負傷者が出てみんなで対処しているところだけど、良いユニットになって戦おうとしている」と語ったブレイディは「ダラスでは本当に優れた相手と対戦することになる。僕たちにとって本当にいい試練になるだろう」と続けた。

【RA】