QBジャクソンとレイブンズの延長契約は合意に至らないまま2022年シーズンが開幕
2022年09月10日(土) 16:53ラマー・ジャクソンは、ボルティモア・レイブンズとの延長契約に合意できなかったため、長期的な保証なしに2022年シーズンを迎えることになる。
このニュースは、数カ月にわたってジャクソンと交渉を行い、交渉に関する問い合わせに頻繁に回答することを余儀なくされていたチームから発表された。ジャクソンが設定した現地9日(金)の期限までに合意に至ることはなく、レイブンズは時計の針が正午を告げる前に声明を出した。
レイブンズのジェネラルマネジャー(GM)エリック・デコスタは「双方の最善の努力にもかかわらず、われわれはラマー・ジャクソンとの契約延長に合意することができなかった。われわれは、彼がこのプロセスにどのように対処してきたかということに大変感謝し、ラマーが率いるわれわれのチームについて興奮している。シーズン終了後も長期契約の合意に向けて取り組んでいくが、現在は2022年の活躍を楽しみにしている」とコメントした。
2022年シーズンを前に契約は成立しなかったが、レイブンズのヘッドコーチ(HC)であるジョン・ハーボーは、ジャクソンが今後も複数シーズンにわたってレイブンズにいることに自信を示した。
ハーボーは「私は直接的に今回の契約には関与していないが、希望を持っている。こういう問題は、最終的にはうまくいくものだ。それには自信があるよ。最初に言ったと思うが、時が来ればなんとかなるんだ。ラマーはクオーターバック(QB)としてここで長い間プレーすることになる。昨日も彼と少し話したんだけど、“おいおい、ベストを尽くしてフットボールに集中しようぜ”って感じなんだ。そしてそれは、彼がずっとやってきたことだ。何も変わらないし、ただ日曜日に集中していることは分かっている」と話した。
3月上旬に、デコスタはインディアナポリスで行われたNFLスカウティングコンバインで演壇に立ち、次の10年の多くの期間においてジャクソンのプレーを保証するという確固たる願望を表明した。しかしその時でさえ、その発言は交渉の前段階でむしろ両者の間に距離があるように聞こえた。デコスタは記者団に対し「彼は私を見つける方法を知っているし、私は彼を見つける方法を知っている」と語っていた。
彼らはお互いを見つけたが、すぐに契約に合意するのに十分な時間はなかった。
ジャクソンは2022年以降の保証がないまま新人契約の5年目、最終年を迎え、大ケガを負った際に価値が下がってしまう可能性がある。一方、レイブンズは2019年のAP通信NFL最優秀選手を確保せず、彼がフリーエージェント(FA)に近づくことを許すという賭けを行っているのだ。
交渉の詳細については、まだあまり明らかにされていない。ジャクソンは、オファーから具体的な内容をリークして、世間の反応に影響を与える可能性のある代理人を使っていない。その代わりに、彼はフォトショップで合成されたマイアミ・ドルフィンズのユニフォームを着た自分の写真にいいねを押し、長期契約の欠如についての長期的な議論に喜び、『Twitter(ツイッター)』上で静かにすることを拒否しながら、いつものように自分のビジネスを行っている。
この行き詰まりは、総金額に起因している可能性がある。デショーン・ワトソンの完全保証、2 億 3,000 万ドル(約327億7,615万円)でのクリーブランド・ブラウンズとの契約は、クオーターバック市場に影響を与え、レイブンズのオーナー、スティーブ・ビスシオッティは、特にワトソンのように1人の選手に多くのお金を与えることに対して、反対する最初の1人だった。
彼にはそれなりの理由があった。ワトソンがブラウンズから前例のない契約を受け取ったとき、レイブンズには時間が迫っていた。それはジャクソンのドラフト同期で、全体7位指名、6年2億5,800万ドル(約356億2,625万円)の契約延長に1年以上前に署名したジョシュ・アレンと同じであった。
それはNFLのオーナーにとって、間違いなくはした金と言える金額ではない。しかし、最終的に、契約金額はレイブンズがジャクソンをどれくらい評価するかによる。彼らはまだスーパーボウルに到達していないが、毎年挑戦者となるための会話をしている。まだスーパーボウルリングを獲得していない状況で、チームはその名声のために大金を支払うことをいとわないだろうか。
そして、ジャクソンは2022年のシーズン終了後にこのことを再検討する気があるのだろうか。それとも、2023年にジャクソンがフリーエージェントになってしまうという、考えられない事態に向かっているのだろうか。
フランチャイズタグがその事態を防ぐだろうが、この問題がすぐには解決に向かわないことは明らかで、状況は奇妙で興味深いままである。ロンバルディトロフィーを獲得すれば、事態はもっと楽になるに違いない。
【AK】