QBウィルソン率いるブロンコス相手に輝きを見せたシーホークスQBスミス
2022年09月14日(水) 12:57現地12日(月)夜、デンバー・ブロンコスに17対16で勝利したシアトル・シーホークスの先発クオーターバック(QB)には“ジーノ! ジーノ!”という掛け声がルーメン・フィールドのスタンドからまるでシアトルの激しい雨のように降り注いでいた。
QBラッセル・ウィルソンの後任として臨んだ初戦で、QBジーノ・スミスは試合の前半にパス18回中17回成功、164ヤード、タッチダウン2回を記録し、出だしからほぼ完ぺきなプレーを見せている。
シーホークスのヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルは試合後、「ジーノについてはどうだろうか? つまり、ジーノは試合の前半で18回中17回を成功させたのだ」と述べている。「誰がそんなことをする? そんなことをする人はいない。彼がジャクソンビル(ジャガーズ)戦でもやったのを思い出してほしい。彼はたぶん、連続で12回か13回かそんなところだった。ジーノは今夜、これまでずっと練習してきたのと同じようにプレーした。ずっとそのように見えた。練習のときと何ら変わらないように見えた。だからこそ、われわれは彼を信じたし、だからこそ、彼は仕事を勝ち取ってマンデーナイトフットボールに出て、フットボールの試合に勝つことができたのだ」
試合序盤から素晴らしい活躍を見せたスミスは、ポケットの中で落ち着いてプレーし、プレッシャーをかいくぐってオープンなレシーバーを次々と見つけ、試合前半に13回連続でパスを成功させてブロンコスのセカンダリーを打ち負かしている。
かつてニューヨーク・ジェッツからドラフト2巡目指名を受けたスミスにとって、月曜日の試合は2014年以来となるシーズン初戦の先発出場となった。それ以降、スミスはずっとバックアップの役割に甘んじてきた。
試合に勝利した後、スミスは『ESPN』に「彼らは俺を見限った(wrote off)。俺はやつらに返事しないけどな(write back)」と当意即妙にコメントしている。
月曜夜、スミスは自分のキャリアはまだ終わっていないと宣言したのだ。
キャロルHCは「彼は今夜、足を使って私の予想よりも多くのプレーをやってのけた」と明かしている。「見ての通りだ。みんなが疑っていたかどうかや、われわれが埋め合わせをしていると考えていたのかどうかは知らないが、そうではない。これが彼の姿なのだ。明らかに、彼は再びそれをやってのけた」
スミスの序盤のプレーはウィルソン時代からの移行を円滑にするのに役立っている。ベテランQBはオフェンスがぬかるみにはまったときに「後半にもっと良くならないといけない」と指摘した。スミスは今回の試合でパス28回中23回成功、195ヤード、タッチダウン2回、パサーレーティング119.5をマークしている。しかし、スミスは全体的なプレーを通して、キャロルHCがチームに求めるタイプのシグナルコーラーになり得ることを証明した。
シーズン第1週に素晴らしいプレーを見せたにもかかわらず、スミスは1試合だけの栄誉に安住しているわけではないと強調している。
「まったく。まったくそんなことない。認められたとは思っていない」とスミスは言う。「俺はいつも認められていると思っているから、今回の勝利でそう思ったわけじゃない。単にチームと一緒に素晴らしい1勝を挙げただけ。俺はみんなが踏ん張る姿が大好きだ。プレーするときに持っている情熱が大好きだ。俺たちはただそれを持ち続けていかないとだめだ」
月曜夜の勝利はスミスとシーホークスにとって輝かしい成果になったものの、QBはシーズンが長期にわたることを理解している。スミスにはまだまだやることがあるのだ。
「俺たちはハッピーだ」と語ったスミスは「ああいうふうにプレーして、チームのフットボールをやれたら、多くの試合に勝てるような気がする。でも、俺にとってはただの1勝に過ぎない。16試合以上の準備をしないと」と続けている。
【RA】