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チーフス新人CBワトソンが“非現実的な”インターセプトリターンタッチダウンで勝利に貢献

2022年09月16日(金) 17:20

カンザスシティ・チーフスのジェイレン・ワトソン【AP Photo/Charlie Riedel】

現地15日(木)夜に実施された、プレーメーカーがひしめくAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区同士の対決で、最も大きなプレーを生み出したのはドラフト7巡目指名のルーキーだった。

カンザスシティ・チーフスはサーズデーナイトフットボールで終始ロサンゼルス・チャージャーズにリードを許していたが、コーナーバック(CB)ジェイレン・ワトソンがチャージャーズのクオーターバック(QB)ジャスティン・ハーバートのパスをキャッチしてそこから99ヤードのインターセプトリターンタッチダウンを決めたことで優位に立ち、最終的に27対24で勝利を収めている。

タックル4回、パスブレークアップ1回をマークしたワトソンは試合後、「最終的にボールがちょうど自分の胸に収まって、それをホームに持ち帰ったんだ」と語った。「現実離れした感覚だった。このポジションにいられるのはとてもありがたくて幸せなことだ。エンドゾーンに入ったときはどうすればいいのかすら分からなかったから、ただ立ちすくんでいる姿をみんなに見られてしまったけど、あれは一生忘れられない瞬間になるだろうな」

2022年NFLドラフト全体243位指名を受けたワシントン州立大学出身のワトソンは木曜日に、昨季のAFC西地区優勝チームで先発の座を獲得し、プロ入り5カ月目にして自身にとって今季最大のハイライトの1つを生み出している。

チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードは「あれは重要でビッグなプレーだった。ビッグプレーだ」と述べた。

17対7でリードされた状態で第3クオーターを迎えたチーフスは、キッカー(K)マット・アメンドーラのフィールドゴールで17点となり、同点に追いついている。しかし、続くドライブでハーバート率いるチャージャーズはタイトエンド(TE)ジェラルド・エバレットに向けた26ヤードのパスをチーフス陣3ヤード地点で成功させるなど、リードを奪い返そうと試みた。エバレットはこのプレーで明らかに疲弊していたが、交代させられることはなく、ハーバートはまたすぐに彼を狙っている。ところが、ハーバートのパスは低く、ワトソンはルートを飛び越えて走り抜け、99ヤード後にチーフスファンを立ち上がらせた。

そのプレーはワトソンにとっての大きなハイライトであると同時に、歴史的な偉業でもあった。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、新人による第4クオーターでの逆転タッチダウンとしては史上最長記録を更新したという。また、『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によれば、チーフスの勝利確率を54.1%上昇させたとのことで、試合の流れを変えるものになったのは紛れもない事実だ。

ワトソンはシーズン第1週に行われたアリゾナ・カーディナルス戦にも出場していたが、彼にとってのNFL初先発の舞台は木曜日のプライムタイムに開催されたライバルのチャージャーズとの対決だった。

「ずっとがむしゃらにやってきたし、誰かが出られなくなったときに備えて準備を整えておこうと思っていた。それが実現したんだ」とワトソンは話している。

23歳のワトソンにその瞬間が訪れ、彼は輝きを放った。しかも、その瞬間はワトソンが予測していたと話しているものだった。

「正直に言うと、目が覚めたときにインターセプトを決められると思ったんだ」と言うワトソンはこう続けている。「今日、7巡目指名選手の自分が初先発の試合で早くから多くを試されることが分かっていて、ただただ流れに乗れる気がしていた。それが実現したんだ」

「驚いたよ。自分が決められるのは分かっていたんだけど、実際にやれた時はもちろんびっくりした」

その光景を目にしたとき、会場にいた7万3,000人以上の観客が間違いなく衝撃を受けただろう。リーグでトップクラスの実力を誇るQBパトリック・マホームズやTEトラビス・ケルシー、ディフェンシブタックル(DT)クリス・ジョーンズらが率いるチーフスが、チャージャーズを相手に行き詰まっていたにもかかわらず、初先発の無名のルーキーがプロボウラーのパスの前に立ちはだかってタッチダウンを決め、チームを逆転に導いたのだ。

「その瞬間に何が起こったのか覚えてすらいない。あまりにも非現実的で、ただ感謝の気持ちでいっぱいだった」とワトソンはコメントしている。

【RA】