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古巣との対戦を控え、“目まぐるしい”キャリアとイーグルス時代を振り返るコマンダースQBウェンツ

2022年09月23日(金) 13:25

ワシントン・コマンダースのカーソン・ウェンツ【AP Photo/Rick Osentoski】

クオーターバック(QB)カーソン・ウェンツのキャリアがフィラデルフィア・イーグルスで華々しく始まってから6年が経ち、ウェンツの運命を定めるルーレット盤は毎年回されるようになっている。

ウェンツがどこへ向かうのか、どこにたどり着くのか、それは誰にも分からない。

ウェンツは現在、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区でイーグルスのライバルであるワシントン・コマンダースに所属し、先発を務めている。これは現地25日(日)を皮切りに、ウェンツが元所属チームと1シーズンに2回対戦するようになることを意味している。

また、今週はウェンツにとって、フィラデルフィアでの時間を振り返るタイミングにもなった。チームの将来を担う選ばれし救世主としてイーグルスに到着したウェンツだが、最終的には期待外れの不要な存在としてチームを去っている。

ウェンツは水曜日に「このリーグと自分のキャリアは目まぐるしいものだ。それは確実に言える。そこで過ごした時間で本当に良い思い出がたくさんできた。ウソをつくつもりはない。多くの素晴らしい友人に恵まれ、多くの素晴らしい関係を築いた」と振り返った。

「確かに、そういった点では複雑な気持ちになるだろうけど、俺がそこで過ごした時間が目まぐるしかったということ以外に、特にクレイジーなことは起こらないはずだ。あれはワイルドだった。NFLは目まぐるしいけど、まだプレーできていることに感謝しているし、今回も楽しみにしている」

2016年ドラフト全体2位指名を受けた後、イーグルスで5年間を過ごしたウェンツ。2017年シーズンにはNFL最優秀選手賞(MVP)候補になっていたものの、膝のケガに見舞われてシーズン終了になり、チャンスを無駄にしている。ウェンツは実に優秀で、2018年のトップ100リストで3位にも選ばれたが、イーグルスはウェンツ不在の状態でスーパーボウルで優勝したため、問題は複雑になってしまった。

結局、イーグルスのクオーターバックに関する決断力のなさ――チームのファンは常にウェンツと当時のスーパーボウルでMVPに輝いたQBニック・フォールズの候補を議論していた――はウェンツに影響を及ぼした。ウェンツはQBジェイレン・ハーツに先発の座を奪われる前の最後のシーズンで劇的に後退している。2021年、ウェンツはトレードを要請し、イーグルスは喜んでウェンツをインディアナポリス・コルツに送った。

ウェンツは、少なくとも公には恨みを抱いていると明かしていない。

「すごく楽しかった。すごく楽しかったんだ」と語ったウェンツは「もちろん、俺たちはそこで多くの成功を収めた。スーパーボウルで優勝したのはかなり特別だった。その一端を担えたのはすごくクールさ。街もファンも、得られた経験も、素晴らしかった。あそこで過ごした時間は間違いなく大切だけど、今は明らかに敵対する立場にいるから、少し違って見えるだろう。あそこで過ごした数年間は楽しかった。間違いなく大切な時間だった」と続けている。

ウェンツが救世主としてチームに加入し、そのようにプレーしていた最初の2年間は“楽しい数年間”だっただろう。現在はハーツがイーグルスの救世主になっており、月曜日に行われた試合では素晴らしい活躍を見せていた。

イーグルスのチームメイトとして過ごした1年間、ハーツはウェンツとの関係について多くを語らなかった。ぎくしゃくした関係とは言わないまでも、気まずい関係であったことは確実であり、それを簡単に要約するのは難しいだろう。

『Philadelphia Inquirer(フィラデルフィア・インクワイアラー)』によると、ハーツは「俺たち2人は間違いなく互いに尊敬し合っている。彼がインディに行ったときも、今ここにいるときも、お互いに尊敬の念を抱いていることは間違いないし、彼の健闘を心から願っている」とコメントしたという。

ハーツはウェンツの“素晴らしい腕”と、新人時代に目撃したという“クレイジーなプレー”をする能力について称賛した。しかし、ハーツは“今に焦点を当てて”おり、ウェンツとイーグルスの物語を可能な限り軽く見ようとしている。

今はハーツの時間だ。この2週間を通して、その時間はイーグルスファンにとって2017年シーズンよりも楽しいものであったようだ。

ウェンツが5月に予言していたように、今回の試合は良いストーリー展開になるだろう。2022年の初対決が終わるときにどちらのクオーターバックが笑顔を見せているかは、じきに分かるはずだ。

【RA】