古巣との対戦を控え、熱狂的なイーグルスファンについて語るカウボーイズOTピータース
2022年10月14日(金) 12:05ダラス・カウボーイズのオフェンシブタックル(OT)ジェイソン・ピータースはかつて10年以上、フィラデルフィア・イーグルスの一員として過ごしていたため、そこのファンのことをよく知っている。
カウボーイズの一員としてリンカーン・フィナンシャル・フィールドに戻ってくることは、それほど歓迎されないだろう。ピータースはNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区同士の待望の対決が行われる週末に何が待ち受けているかを分かっているようだ。
『The Athletic(ジ・アスレチック)』のジョン・マチョタによると、ピータースは現地12日(水)に「フィリーのファンは仲間意識とかカウボーイズ、他のチームのことになると、すげえバカになるんだ。彼らはそれを分かっている。たちの悪いヤツになることを誇りに思っているのさ。罵声を浴びせてくるはずだ。フィリーのファンは最も野生的なファンだ」と語ったという。
イーグルスファンの伝説は根強いものとなっており、よく知られた逸話もある。例えば、サンタクロースに雪玉を投げつけた話だ。他にも、チームが勝利した後にイーグルスファンが電柱や街灯に登るのを防ぐために市の職員がそこに油を塗っているという話もある。かつて火事の現場で英雄的な行動を見せた消防士が「俺の仲間は窓から赤ん坊を投げてそれをキャッチしたんだ――(当時イーグルスに所属していたワイドレシーバー/WRネルソン)アグホローと違ってな」と発言したとき、彼の行為はミームまで生み出した。
そうしたことを踏まえると、たとえ険悪な印象を与えたとしても、ピータースがイーグルスファンをそのように説明するのはまさに正しいことなのだ。
ピータースは経験をもとに話している。ドラフト外でバッファロー・ビルズと契約を結んだピータースはそこでプロボウルに2度選出されたが、真のエリート選手となったのはイーグルスに移ってからだ。ピータースはイーグルス時代に、ドノバン・マクナブやマイケル・ビック、ケビン・コルブ、マーク・サンチェス、サム・ブラッドフォード、現在インディアナポリス・コルツに所属しているニック・フォールズ、そして現在ワシントン・コマンダースに所属しているカーソン・ウェンツといったクオーターバック(QB)たちをプロテクトしている。膝の手術を受けてシーズン終了になっていたものの、ピータースは2017年シーズンに最初で唯一のスーパーボウルリングを手にした。長くイーグルスに所属していたピータースは現QBジェイレン・ハーツのブロック役を務めていた時期すらある。
『The Dallas Morning News(ダラス・モーニング・ニュース)』のマイケル・ゲールケンによれば、ピータースは「俺はそこで初めてスーパーボウルを制した。そこで多くのことを積み上げた。フィリー、それは俺の街だ。また戻って、彼らを打ち負かせたら最高だ」と話したという。
ピータースは無数のイーグルスファンから嫌われているスターが描かれたユニフォームを身につけ、両チームがNFLで最高のチームであることを証明しようと意気込んでいる試合で、敵として戻ってくる。現在5勝0敗のイーグルスは、NFLで唯一の無敗チームとなっており、4勝1敗のカウボーイズはNFC東地区でそのすぐ後ろにつけている。
シカゴ・ベアーズで1シーズンを過ごし、オフシーズンが過ぎるのをじっと待っていたピータースは、通常、先発レフトタックル(LT)を務めているタイロン・スミスが負傷したことで生まれた必要性に応じるために、2022年シーズンが開幕する直前にカウボーイズに加わった。当初、ガード(G)の役割を担うと想定されていた新人のタイラー・スミスが今のところレフトタックルを務めているため、現在はピータースがガードを担当している。
この2人のコンビネーションにより、オフェンシブラインの左側は信頼できるものとなった。それによって、バックアップQBクーパー・ラッシュが指示を出す時間や、ランニングバック(RB)エゼキエル・エリオットとトニー・ポラードが多くのヤードを稼ぐのに十分な余裕が生まれている。
4連勝を収めたことにより、カウボーイズは好調を維持したままイーグルス戦に臨もうとしている。新しいチームメイトがどのような状況に置かれるかをよく理解しているピータースは、それに挑む準備ができているようで次のように強調した。
「ドッグファイトになるはずだ。今朝、何人かの(元チームメイトから)メッセージをもらった。でも、彼らは俺が何をもたらすかを知っているし、間違いなく準備をしてくるだろう。ただ、彼らは自分たちに何が起こるか分かっている」
【RA】