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“以前より気楽に”先発出場に向けて準備するコマンダースQBハイニケ

2022年10月21日(金) 09:45


ワシントン・コマンダースのタイラー・ハイニケ【Kevin Sabitus via AP】

クオーターバック(QB)タイラー・ハイニケは以前にも先発を経験したことがある。

2021年シーズン第1週にQBライアン・フィッツパトリックが股関節のケガで途中離脱してから、ワシントン・コマンダース――当時はワシントン・フットボール・チームという名前だった――がハイニケのチームになるまでそう長くはかからなかった。17試合中15試合に先発出場し、先発した試合でチームを7勝8敗に導いたハイニケは、パス成功率65%、3,419ヤード、タッチダウン対インターセプト比が20対15と、まずまずのパス成績を収めている。

それでも、その成績はハイニケが今後も司令塔として活躍できることをヘッドコーチ(HC)ロン・リベラやコマンダースという名前に改名したチームに納得させるのに十分ではなかった。その結果、コマンダースはオフシーズンにQBカーソン・ウェンツを獲得している。ウェンツ――初めてコマンダースの一員として臨んだ6週間の試合で素晴らしい活躍を見せられていない――が指を骨折して離脱した今、ハイニケは現地23日(日)に行われるグリーンベイ・パッカーズ戦で再び先発の座に戻ることになった。

今回に関しては、ハイニケはどうなるかを分かった状態で臨もうとしている。

『ESPN』によると、ハイニケは水曜日に「前よりずいぶん気楽に、ずいぶん自信を持てるようになったと感じている。去年はちょっと圧倒されていた。15試合も先発したのは初めてだったから、ちょっとだけ参っていた」と語ったという。

まるでハイニケが自分の価値を証明するためのセカンドチャンスを得たかのように聞こえるが、実際のところ、これは彼にとって3回目のチャンスだ。フットボールだけではなく、さまざまな面で異変があった2020年、ワシントンは予想外の展開に遭遇し、シーズン第16週に行われたカロライナ・パンサーズ戦の途中でハイニケを投入した。ハイニケはその試合でパス19回中12回を成功させて137ヤード、タッチダウン1回を記録。次の試合ではアレックス・スミスが出場したため、ベンチに戻っている。その後、2020シーズンで最終的に年間最優秀カムバックプレーヤーに選ばれたスミスの負傷により、ハイニケはタンパベイ・バッカニアーズと対峙するプレーオフゲームで再び必要とされた。

そのバッカニアーズ戦で、パス44回中26回成功で306ヤード、タッチダウンパス1回、インターセプト1回をマークしたハイニケは、全速力でパイロンに突っ込んで成功させた印象的なタッチダウンラン1回も記録するなど、ワシントンファンを興奮させている。当時新人だったディフェンシブエンド(DE)チェイス・ヤングは、まるで“彼の名前を覚えておけ”と主張するかのようにハイニケのジャージーの後ろにあるネームプレートを指差し、彼の活躍を祝福した。

フットボール界は喜んでそれを受け入れたが、2021年シーズンでの苦戦を目にするうちに忘れ去ってしまったようだ。ハイニケは今、根性に欠けることのないプレースタイルで、自分が何者であるかを思い出させるチャンスを手にしている。

「彼のプレーを広げる能力は、俺たちにとってすごく大きい」と話しているコマンダースのワイドレシーバー(WR)テリー・マクローリンはこう続けた。「彼のプレーにはハートがあって、それが多くのメンバーを奮い立たせている。タイラーとプレーすると何が起こるか分からないし、それが楽しいところでもある」

「彼はみんなからプレーメイク能力で信頼されている。それは最も素晴らしいものでも、毎週日曜日に見て慣れ親しんでいるものでもないかもしれない。彼はバックヤードフットボール(ビデオゲームのシリーズ)みたいにプレーするけど、自分自身の中でプレーしている」

【RA】