QBライアンはペイトン・マニングと似た統率力を持っているとコルツオーナー
2022年10月24日(月) 10:11インディアナポリス・コルツにとって、今季が始まってからこれまでの道のりは容易なものではなかった。レギュラーシーズン初戦を引き分けという退屈な結果で終えたコルツは、次の試合で惨敗を喫している。そのような中、9月のシーズン第2週目を終えた時点で、物語の筋書きは決まっているかのように見えた。
つまり、コルツは年間を通して苦戦を強いられるチームだと見られていた。
しかし、オーナーのジム・アーセイは自分のチームやそのクオーターバック(QB)がそうなるとは思っていないようだ。また、ここ最近の結果もその方向を示してはいない。
アーセイはニューヨークで行われた秋のリーグミーティングで『NFL.com』にこう話している。「われわれは傑出したチームになるために徐々に調子を上げていくと信じている。そして、このディビジョンで最高のチームになれると思っている。あとは、それを証明するだけだ」
シーズン初戦でヒューストン・テキサンズと引き分けになったコルツは、次の試合でジャクソンビル・ジャガーズに24対0で惨敗した。しかしそれ以降は、カンザスシティ・チーフスを相手に大金星を挙げ、シーズン第6週には高得点での勝利でジャガーズにリベンジを果たしている。
一方で、コルツはここ数週間、攻撃陣からも守備陣からも最も優秀な選手が欠けた状態で試合に臨んでいた。ランニングバック(RB)ジョナサン・テイラー(足首)とアウトサイドラインバッカー(OLB)シャキール・レナード(背部/鼻/脳しんとう)がケガに対処していたのだ。また、オフェンシブラインの不調も相まって、コルツは苦戦を強いられてきた。
「最近はプレシーズンに3試合とレギュラーシーズンに17試合が組まれているから、シーズン半ばくらいまでどうなるか分からないというのが実情だと思う」と言うアーセイは「私は自信を持っている。もっとうまくボールを運ばなければならないし、そうすればもっとうまくプロテクトできるようになるだろう。しかし、とても自信がある」と続けた。
アーセイは大勢の記者を前にして、ダニエル・スナイダーがワシントン・コマンダースのオーナーを退くことに“メリットがある”という爆弾発言をした後に、自分のチームの状況をNFL.comに語っている。スナイダーについて10分以上にわたってコメントしたアーセイは、スナイダーの問題が表面化してからNFLオーナーの中で最も重大な発言をしたのだ。
2試合を欠場していたテイラーがシーズン第7週から復帰を果たし、オフェンシブラインの調子も良くなってきてはいるものの、コルツは今回も守備陣のリーダーであるレナードが不在のまま戦っている。アーセイは現地23日(日)に行われたタイタンズ戦に臨む前、「ディビジョンで0勝2敗1引き分けからスタートするのはきつかったが、今は3勝2敗1引き分けで、テネシーに行けば(4勝2敗1引き分けに)するチャンスがある」と話していた。ただし、結果としてコルツはこの試合を落としている。
今オフシーズンにコルツが獲得した最も大物の選手はQBマット・ライアンだ。ジェネラルマネジャー(GM)クリス・バラードは37歳のライアンがまだ余力を残していると信じている。今のところ、ライアンの成績は浮き沈みが激しく、パサーレーティングは86.2と、2009年シーズンにマークしたキャリア最低の数字と同じような成績を残すペースでここまできている。
しかしながら、ライアンは最近になって調子を上げている。特に、ジャガーズに勝利した試合では389ヤードを投げてタッチダウン3回を成功させた。ライアンはここぞという時に最高のプレーを発揮しているようで、それがアーセイを感心させる要因となっている。
アーセイはライアンについて「彼は“険しい目つきをしたミサイルマン”だと言っておこう」と述べ、次のように続けた。「私は多くのリーダーと関わってきたが、彼はペイトン・マニングと肩を並べる存在だと思う。本当に極めて優れているし、一歩も引かないタフな男だ。第4クオーターでは最高のプレーをしばしば見せてくれるし、マット・ライアンをあてにしないなんてことは決してしたくないはずだ。彼は勝者であり、ファイターであり、われわれのチームは彼の周りでその気質を取り入れつつある。それはエキサイティングなことだ。もっと多くのことが明らかになっていくのは間違いない。しかし、われわれは本当に心強い。本当にだ」
【RA】