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勝率5割未満のチームで苦戦する攻撃陣を率いるQBブレイディとQBロジャース

2022年10月25日(火) 11:59


タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Rusty Jones】

クオーターバック(QB)のトム・ブレイディとアーロン・ロジャースは通常、勝者として月曜日のコラムのトップを飾る。ところが、2022年は異なっている。

ブレイディのタンパベイ・バッカニアーズ(3勝4敗)とロジャースのグリーンベイ・パッカーズ(3勝4敗)はともにシーズン第7週で敗れ、勝率.500を切った。

ブレイディにとっては2002年(NFLの先発として初めてのフルシーズンで、健康ながらプレーオフを逃した唯一のシーズン)以来、7試合を終えて初の負け越しとなった。一方、ロジャースにとっては7試合まででキャリア初の負け越し記録となる。

ブレイディとロジャースの記録を合わせた6勝8敗はシーズン第7週を終えた時点で過去最低の成績。二人合わせて1試合あたりパッシングタッチダウンが1.5回というのも、ロジャースが2008年にパッカーズの先発になって以来、最初の7試合の記録としては最も少ない。さらに、二人の合計パサーレーティング93.7は、第7週までで2013年(88.0)以来の低さとなった。

史上最強のクオーターバックの二人が率いるオフェンスの状態は芳しくない。

カロライナ・パンサーズと対戦したシーズン第7週でバッカニアーズは3点に抑えられ、ブレイディのキャリアでチームが3点以下だったのはこれでたったの5試合目となる。そのうち2回はニューイングランド・ペイトリオッツで過ごした20シーズンの間に、残りの3回は2020年にTB12がバッカニアーズに加入してから起きている。

ブレイディはこの敗戦で2018年以来初めて同一シーズン内で複数の連敗を喫することになった(2022年は第3週から第4週に連敗し、現在第6週から第7週にかけて連敗中)。試合開始時に負け越しとなっていたチームにブレイディが2連敗したのは、彼のキャリアで初めてのこととなる。

ブレイディがタンパベイに移ってから無得点でハーフタイムを迎えるのは5回目で、そのすべてでNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区のチームが相手だった。バッカニアーズは2022年の7試合中5試合で、ハーフタイム時点で相手にリードされている。

現地23日(日)にブレイディは49回中32回のパスをコンプリートさせて290パスヤードを記録し、タッチダウンとインターセプトはなし。ブレイディのキャリアでタッチダウンを決められなかった試合としては最も多くのパスアテンプトを記録しており、49回以上のパスアテンプトで稼いだヤード数としては4番目に少ない試合となった。

敗戦後にブレイディは「誰も自分たちの現状を良く思っていないし、自分たちのプレーや行動に満足している者はいない」と『ESPN』に話している。「全員の責任だ。自分たちでなんとかするしかない」

ロジャースを司令塔に据えたパッカーズの過去最悪のスタートは2018年の3勝3敗1分で、その時チームはプレーオフを逃している。パッカーズは2022年にシーズン7週目までで、すでにヘッドコーチ(HC)マット・ラフルアーが指揮した最も多い1シーズンあたりの敗戦数と同じ数だけ負けている(2021年は13勝4敗)。

パッカーズは2018年のシーズン第11週から第13週――マイク・マッカーシーHCが在任中の最後の3試合――以来となる3連敗を喫した。さらに、第7週を終えた時点でパッカーズがNFC北地区の首位に2.5ゲーム以上の差をつけられたのは、2006年以来のこととなる。

パッカーズは23対21で敗れたワシントン・コマンダース戦で合計232ヤードを獲得したが、これは2021年のシーズン第1週にジャクソンビルでのニューオーリンズ・セインツ戦(38対3で敗戦)以来最も少ないヤード数だ。2022年にパッカーズはオフェンスによる1試合平均得点が17.0点(第7週は14点)となっており、これは最初の7試合としてはロジャースのキャリアで最も少なく、チームにとっても1試合平均16.7点を記録した2006年以来、オフェンスによる最も少ない得点数になる。

ロジャースは日曜日に35回中23回のパスを成功させて194ヤードとタッチダウン2回を記録。2022年にパスヤードが200を切ったのはこれで2回目となる。特に前半は惨憺(さんたん)たる状況だった。ロジャースは最初の2クオーターで15回中9回のパスをつないで47ヤードを記録し、前半と後半のどちらかで15回以上投げてパスヤードが50ヤード未満だったのはこれがキャリアで2度目となる。

2022年のロジャースは1試合平均のパスヤード(228.1)と1パスアテンプトあたりのパスヤード(6.5)でキャリアローの数字を記録している。1試合あたり1.6回のタッチダウンはキャリアで2番目に少なく、94.9のパッサーレーティングはロジャースが先発を務めた15シーズンで3番目に悪い評価となる。

2022年にロジャースは300ヤード以上を記録した試合もなければ、タッチダウンを3回以上決めた試合もなく、最初の7試合でどちらも達成できなかったのは初めてのこと。日曜日の敗戦により、ロジャースは11試合連続でパスヤードが300ヤードに届かず、これは12試合連続となった2015年の第11週から2016年の第6週にかけて以来の最長記録となる。

ロジャースは第8週にバッファロー・ビルズとの厳しい戦いを控えているが、今シーズンにはまだ望みがあると信じている。

「まだ(望みが)あるに決まってるだろ」とロジャースは『ESPN』にコメントした。「このチームについて心配はしていない。むしろ、これは俺たちにとってすごくいいことなのかもしれない。今週は誰も俺たちにチャンスをくれないだろうけど、サンデーナイトフットボールでバッファローに行って、本来の実力を見せつけるチャンスになる。俺たちにとっては最高の状況かもしれない」

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