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DEクィンのトレードにより「競争力の高いロースターを作り続けられるようになる」とベアーズGMポールズ

2022年10月28日(金) 10:14

シカゴ・ベアーズのロバート・クィン【Scott Boehm via AP】

シカゴ・ベアーズが将来に備えることに目を向けたとき、ディフェンシブエンド(DE)ロバート・クィンが長期にわたってチームにとどまることは何の意味もなさなくなった。

現地26日(水)、ここ数カ月で最も予想されていたトレードがついに成立している。ベアーズはクィンをフィラデルフィア・イーグルスにトレードしてその引き換えにドラフト4巡目指名権を獲得し、チーム最大のサラリーキャップナンバーを取り除いた。ベアーズでリングを追い求められないことが明らかになったとき、32歳のクィンはスーパーボウル出場候補のチームへと送られている。

ジェネラルマネジャー(GM)ライアン・ポールズは金銭面で理にかなっていたとしても、クィンのトレードを優先していたわけではなかった。しかし、イーグルスから連絡を受けたときに、何をすべきか分かったようだ。

ポールズGMは水曜日、トレードを発表した記者会見で「われわれがやろうとしていたことに対して、あまりにもよく道理が通っていただけだ。これにより、われわれは競争力の高いロースターを作り続けられるようになる」と述べている。

トレードがすぐに実現しなかったのは、クィンがベテランの存在を必要としているロッカールームで価値を発揮していたからだ。ベアーズのシングルシーズンでの最多サック記録(2021年にマークした18.5回)を保持しているクィンは、チームの若手選手たちが目指すべき模範となるような存在だった。また、ベアーズが33対14でニューイングランド・ペイトリオッツに勝利したことは、チームが思い描く成長の一端を示すものだったと言えよう。

しかし、トレードのタイミングは残念なものだった。ポールズGMはベアーズがフランチャイズ史上初めてフォックスボロでペイトリオッツを打ち負かしてから数日後にクィンをイーグルスに送っている。

時として、そのようなことは起こってしまうものだ。

他のトレードトークがあったことを否定しなかったものの、内密なものだったと明かしたポールズGMは「私はロッカールームとそれが意味するもの、そして文化を大切にしている。それを台無しにするのは、正直に言って最悪だ。しかし、繰り返しになるが、現在だけでなく将来のためにも、この組織にとって最善のことをするのが私の仕事だ」と話している。

「あれがわれわれにとって最善の動きだと思った」

2022年シーズン開幕前に契約面でマネジメント陣ともめるも、現在はベアーズ守備陣で主要な役割を担っているインサイドラインバッカー(ILB)ロクアン・スミスは、記者会見の場で初めてクィンのトレードを知った。当然ながら、スミスはチームのベテランリーダーの1人が去ることに対して感情的になっており、「最悪。俺は彼のことをものすごく尊敬しているんだ。ちくしょう、クレイジーだ」とコメントしている。

今回のトレードとそのタイミングは、プロスポーツ界におけるビジネスの側面がどれほど頻繁に冷酷なものになるかを示す例にもなった。ベアーズが新しく、願わくは明るい未来に向かって突き進もうとしている中、その責任はスミスをはじめとする他のチームメイトにかかっている。

【RA】