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フットボールキャリア再開の可能性は“1%”のRBベル、ボクシングで「みんなが間違っていることを証明する」

2022年10月28日(金) 15:29


リビオン・ベル【Courtesy Esther Lin/Showtime】

ランニングバック(RB)リビオン・ベルはボクシングの試合でRBエイドリアン・ピーターソンに強烈なパンチを浴びせて勝利した後、一見すると大型のオファーをすぐに提示された。

プロボクサーデビューを控えているベルは、同じくNFLで活躍した後にボクシングキャリアをスタートさせた元RBフランク・ゴアとの対戦を申し込まれている。

しかし、ベルはゴアとの対戦を望んでいたわけではない。ベルは自分がいかに本気でボクシングキャリアを積もうとしているかを証明するための機会を楽しみにしていた。つまり、彼は本物のファイターを求めていたのだ。

ベルはその機会を、長きにわたってアルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)で活躍してきた“プライムタイム”ことユライア・ホールとの試合で得ようとしている。ベルとホールの試合は、現地29日(土)にアリゾナ州グレンデールのデサート・ダイアモンド・アリーナで開催されるペイ・パー・ビューイベントで、ジェイク・ポール対アンデウソン・シウバのアンダーカードとして行われる予定だ。

ベルは水曜日に『NFL.com』に対し、「番組でフランク・ゴアと戦いたいかと聞かれて、ノーと答えた」と話している。「もうランニングバックとは戦いたくないって言った。だって、正直なところ――フランク・ゴアや他のランニングバックに失礼かもしれないけど――ボクシングに関して言えば、彼らが俺のレベルに達しているとは思えないし、俺が行けるところまで行かせてくれないと思ったから」

30歳のベルが目指しているところは、UFCミドル級で15位以内を維持し、総合格闘技(MMA)でキャリア通算17勝11敗、ノックアウト13回をマークしているホールという猛烈なストライカーを相手に、195ポンド(88.45kg)で4ラウンドの試合を行うことだ。

ベルは今年7月に、ボクシングに専念すると明言した。絶好のチャンスがあった場合は別として、NFLに復帰する可能性はほとんどないことが明らかになっている。

「その可能性は1%だろうな」と言うベルは「プレーオフに進出できるようなチームで、俺はそういう競争力のあるチームで先発の座を得られて――それからスーパーボウルで勝つ可能性がないとだめだ。文字通り、それしか可能性はない」と続けた。

ベルによると、今もNFLのチームから興味を持たれてはいるものの、ボクシングへの専念をやめるには至っていないという。

ベルは「シーズン中に電話がかかってきていた」と明かした。「シーズンが始まってからここまでの間にもシーズン序盤にも、うちのチームに入ってほしいと言われたけど、ボクシングに真剣に取り組もうとしていたから断ってきた」

土曜日の試合ではホールが勝つと予想している人がかなり多い。しかし、ベルが迷わずこの試合を引き受けた最大の理由は、新しい試みに対する自分の本気度を証明したかったからだ。また、勝利した暁にはさらなるチャンスが待ち受けているという点もある。

ベルはホールとの戦いを引き受けたときを振り返り、「あのときは、俺がどれだけ真剣に取り組んでいるか、誰も理解してくれていなかったと思う。俺はマジで真剣だ」とコメントしている。

ベルが新しい舞台でどれほどの成功を収められるかは、土曜日の夜にさらに明確になるはずだが、このうえなく大きな期待を抱いているベルは次のように強調した。

「チャンピオンになって、NFLでオールプロのファーストチームに選ばれた俺が、スポーツを変えても最高のプロになったところをみんなに見せつけたい。ある時点で最高の状態になって、最高峰に達した。ボクシングでもそうする」

他人から信じられるかどうかにかかわらず、別のスポーツの世界で成功を収めることを目標に前進しているベルはこう語った。

「自分が大差でアンダードッグなのは分かっている。大勢の人が俺にチャンスを与えないこともな。だから俺は、リングに上がってみんなが間違っていることを証明する準備ができている」

【RA】