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元オールプロのRBベル、プロボクシングデビューで元UFCのユライア・ホールに判定負け

2022年10月31日(月) 13:41


リビオン・ベル【Courtesy Esther Lin/Showtime】

真剣にプロフェッショナルボクシングの世界でキャリアを切り開こうとしている元オールプロのランニングバック(RB)リビオン・ベルが、現地29日(土)に大きな舞台に挑んだ。

元1,000ヤードランナーにとって残念なことに、ベルは番狂わせを成功させることができなかった。

ベルはアリゾナ州グレンデールのデザート・ダイアモンド・アリーナで実施されたペイ・パー・ビューイベントで、ジェイク・ポール対アンデウソン・シウバのアンダーカードの試合でプロデビューしたものの、元UFCファイターであるユライア・ホールとの4ラウンドマッチをユナニマス判定で落としている。ホールが40対36で白星を飾った。

しかし、ベル(0勝1敗)がホール(1勝0敗)からの敬意を得たのは確かだ。スコアが読み上げられた後、ホールはピッツバーグ・スティーラーズ時代にプロボウルに選ばれたベルについてこうコメントしている。

「俺は彼に、ものすごく尊敬すると伝えた。これはキャリアをスイッチしてやるにはあまりにもハードだし、彼はプロフットボール選手だったわけで、自分の快適なゾーンの外側に踏み出してこれを――世界で一番タフなスポーツ、あんたの立場はともあれ、これは世界で一番タフなスポーツだ――をやっている彼を、本当に尊敬する。あんたを誇りに思う。これで厳しい道だって分かっただろうし、前に進み続ければ成功するって、俺が保証する」

長くUFCミドル級で活躍してきたホールはさらに「彼には間違いなく驚かされた。彼はとても良かった。彼にはここ(このスポーツ)に自分の居場所がある。このスポーツは明らかに知的だが、彼がボディへのジャブにこだわったのは、わざとかは知らないが、そこについてはとても着実だった。それに強かったな。何度かやられて、マジかって感じだった。だが、それでもやってかなきゃいけなかった。俺は彼を誇りに思う。あんたはいいヤツさ」と話した。

ベルは左ジャブを繰り出すことで戦いを開始し、ホールのアウトサイドから仕掛けていった。ハイガードに構えるホールはしばしばパワーのあるパンチを繰り出していく。ホールはベルを後退させ続け、序盤に左から良い当たりを入れていた。第1ラウンドにはそれほど多くのアクションがなく、焦れた観衆からはブーイングが上がっている。

第2ラウンドになってアグレッシブなところを見せたホールはジャブを増やし、次第に激しさを増していく。型破りな動きと速い足さばきで、ベルはホールにとって捉えがたいターゲットであることを証明したものの、ホールが4つの右アッパーカットで成功を見いだす。ベルも攻撃を繰り出し、動こうとしたものの、ホールの動きがそれに先んじていた。

第3ラウンドに魅せたのはベルで、ボディへのジャブでホールを痛めつけ、連撃で右クロスを入れている。ホールには疲れが見えたが、ラウンド――そしてこの試合自体――の大部分でより強いパンチを相手に浴びせていた。

試合が終わりに近づくにつれ、ホールは何度か右からの強烈な打撃を決めている。ラスト30秒に入り、このバトルが最も盛り上がったところで、ベルのマウスピースが宙に飛んだ。とは言え、これは疲れからベルが自ら吐き出したのかもしれない。攻撃を続行して堅実に当て続けたホールだが、試合が終わるまでにベルもパンチでそれに反撃していた。

この試合はベルが求めていたものだった。この競技においてステップアップしたことで、ベルがボクサーであることにどれほど真剣なのかが示されている。おそらく観衆からはもっと受けが良かったであろうNFLの元RBフランク・ゴアとの試合を退けたベルは、より危険である一方、ファンからの引きが強いわけではないホールとの試合を選んだ。

番狂わせの勝利には至らなかったことから、ベルのボクシングへのフォーカスは、次の決断までまた試されることになるだろう。

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