コマンダースオーナーが球団売却の可能性を検討するためにバンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズを採用
2022年11月03日(木) 15:18現地2日(水)、ワシントン・コマンダースのオーナーであるダン・スナイダーとターニャ・スナイダーがフランチャイズ売却の可能性を含む“取引の可能性を検討する”ために『Bank of America Securities(バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズ)』を採用したと声明で発表した。
声明では「スナイダー家はチーム、全従業員、そして数多くのファンの方々に、フィールドで最高の成果を出し、NFLにおける職場にとっての最高基準を設定するための取り組みを継続することを約束する」としている。
ダン・スナイダーはフランチャイズ全体あるいは一部の売却を検討しているのかという質問を受けて、コマンダースの広報担当者は『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートに対して「われわれはすべての選択肢を模索している」と答えた。
『Forbes(フォーブス)』は水曜日、スナイダーがバンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズに依頼して“NFLチーム全体または少数株の売却”を含む選択肢を探っていると伝えている。また、スナイダーがフランチャイズ買収に関心を持つグループから4件以上の連絡を受けているとも報じた。
リーグの広報担当者であるブライアン・マッカーシーは水曜日に出した声明で「取引の可能性がある場合は、NFLの財務委員会に提出し、全会員の4分の3(32チーム中24チーム)以上の賛成票を得る必要がある」と述べている。
スナイダーと彼が1999年から所有しているフランチャイズは現在、職場での不正行為と違法な財務行為に関する疑惑について、アメリカの下院監視・政府改革委員会と、NFLの代わりに新たな調査を実施している元連邦検事のメアリー・ジョー・ホワイトからそれぞれ別の調査を受けている。
NFLネットワークのトム・ペリセロが水曜日に報じたところによれば、ホワイトが調査を完了する時期はまだ未定だという。
マッカーシーは「メアリー・ジョー・ホワイトは再調査を続けている。スケジュールに関する最新情報はない」と明かしている。
現在進行中の個別の調査は、リーグが当初、弁護士のベス・ウィルキンソンの事務所に依頼して行った独自調査の後に始まっている。ウィルキンソンの事務所の調査では、ワシントンの職場文化が有害なものであることが判明した。スナイダーとチームは1,000万ドル(約14億7,358万円)の罰金を科され、リーグはスナイダーが日常業務を妻のターニャに引き継いだことを明かしている。しかし、ウィルキンソンの調査については、書面での報告がなされていない。
書面での報告がなかったことが、議会による調査につながった。議会は2月に円卓会議を行い、その場でスナイダーが元チーム従業員に性的な不品行を働いたとの新たな申し立てが成されている。スナイダーはこの申し立てを否定した。
インディアナポリス・コルツのオーナーであるジム・アーセイは10月18日にニューヨークで実施されたリーグの秋季ミーティングの場でスナイダーをオーナーから解任することに“メリットはある”と述べている。アーセイの発言を受けてコマンダースは同日に声明を発表し、チームを売却する意向はないと主張した。
コマンダースはその声明で次のように述べている。「アーセイ氏がメディアの虚偽に基づいて公に発言することを選択したのは、非常に不適切ではあるものの、驚きではない。調査が進行中であり、チームには主張されていることに反応する機会がない中で、アーセイ氏が本日、彼の声明を公にしようと決断したのは残念だ。コマンダースは過去2年にわたって、卓越したプロセスを実施してきた。本件の実際の証拠を目にする機会があれば、アーセイ氏はスナイダー家がフランチャイズ売却を検討する理由はないと結論づけるだろうと、われわれは確信している。また、スナイダー家にその意向はない」
2021年3月、NFLのオーナーたちはスナイダーがチームの少数株主を買収できるようにするために4億5,000万ドル(約663億1,358万円)の債務免除を承認している。これにより、スナイダーはフランチャイズの全権を握ることになった。
オーナーを解任するには、他のオーナーたちの4分の3(32票のうち24票)以上が賛成する必要がある。
【RA】