RBエイカーズへのトレードオファーを辞退し、残留を期待するラムズ
2022年11月03日(木) 15:19トレード期限が迫る中、ランニングバック(RB)キャム・エイカーズがロサンゼルス・ラムズでの自分の役割に対して不満を表明していたことを受けて、エイカーズとチームは数週間前から決別の準備を進めているとみられていた。しかし、11月1日(火)アメリカ東部時間16時を迎えたとき、他チームから声がかかっていたにもかかわらず、エイカーズはまだチームに残っていた。
ラムズはトレード期限の前に複数のチームから寄せられていたエイカーズに対するオファーを辞退していたと『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが水曜日に報じている。ペリセロが情報筋の話をもとに伝えたところによると、ラムズは現在、エイカーズが今シーズンもチームのためにプレーすることを期待しつつ、エイカーズやその代理人と話し合いを進めているという。
ラムズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイはその後、エイカーズやその代理人と“とても有意義な会話”をしたと明かしており、“いくつかの選択肢を検討している”と語った。マクベイHCはエイカーズが今週の練習に参加する“可能性”があるとつけ加えている。
マクベイHCは「日曜日(タンパベイ・バッカニアーズ戦)の出場に関しては、本末転倒なことをしたくない」と報道陣に明かした。「いろいろなことを検討しているところだ。すでに言った通り、おそらく話し合いの後、今後にできる可能性のある選択肢がいくつか出てきた。彼の復帰やこのグループとの協力、あるいは他の手段を探るということに関しては、これから明確になるだろう」
エイカーズはチームが“個人的な理由”と呼んでいるものによって、ここ2試合でインアクティブとなっている。NFLネットワークのイアン・ラポポートは、エイカーズがマクベイHCとの間で哲学的な部分とフットボールに関する部分で相違を感じており、ラムズはエイカーズのトレードに乗り出す見込みだと10月16日に報じていた。マクベイHC自身もトレード期限を迎える前、エイカーズの移籍は検討の余地があり、可能性があると話している。
ところが、その動きは実を結ばなかった。そのため、ラムズはRB陣に(今のところ)エイカーズを含め、マルコム・ブラウン、ダレル・ヘンダーソン、ロニー・リバース、そして復帰予定のカイレン・ウィリアムズを擁している。
エイカーズがラインアップにいようといまいと、ラムズは今シーズン、ランプレーで苦戦を強いられてきた。ラムズは試合平均ランヤードが68.4ヤードと、リーグでほぼ最下位に位置している。唯一、上回っているのはシーズン第9週に対戦予定のバッカニアーズ(61.9ヤード)だけだ。これまでに試合平均で70ランヤードを下回っているチームがプレーオフに進出したことはない。アキレス腱を断裂してから1年余りのエイカーズは今季、5試合に出場して2試合で先発を務め、タッチ平均3.6ヤードという心もとない成績を残している。
エイカーズの問題を含めてそうしたことすべてが、トレード期限前にRBクリスチャン・マカフリーの獲得にラムズが積極的になっていた理由となっている。ラムズはドラフト4巡目指名権が足りなかったため、カロライナ・パンサーズとの取引に失敗した。ラムズにとってさらに悪いことに、マカフリーはラムズの地区ライバルであるサンフランシスコ・49ersに入団している。マカフリーはシーズン第8週に行われたラムズとの対戦で珍しいタッチダウンハットトリックを達成するなど、素晴らしい活躍をしている。
マイアミ・ドルフィンズがチェイス・エドモンズをデンバー・ブロンコスに送り出す代わりに49ersからジェフ・ウィルソンを獲得したり、インディアナポリス・コルツとバッファロー・ビルズがナイヒーム・ハインズとザック・モスを交換したりと、複数のチームが期限に際してランニングバックポジションに変更を加えた。一方で、ラムズはエイカーズを動かすことも、他のテールバックを加えることも選んでいない。
エイカーズが今週、ラムズでのセカンドチャンスをつかむ準備ができているかどうかは今のところ不明だ。しかしながら、トレード期限が過ぎた今、ラムズと不満を抱えているランニングバックが打つ手は無くなってしまった。共にプレーするか、たもとを分かつか、その2択だけが残されている。
【RA】