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ラムズRBエイカーズが練習に復帰、トレードは要請していないと明かす

2022年11月04日(金) 12:19


ロサンゼルス・ラムズのキャム・エイカーズ【Kevin Terrell via AP】

現地1日(火)のトレード期限が過ぎるまで将来が不透明なままとなっていた不幸なランニングバック(RB)は、クリーブランド・ブラウンズのカリーム・ハントだけではない。ロサンゼルス・ラムズのキャム・エイカーズもまた、新天地に移る準備をしていた。

どちらもトレードには至らなかったが、ハントの状況とは異なり、チームに不満を抱えているエイカーズはフィールドに戻る前にいくつかの調整を求めている。そして、ラムズとエイカーズはうまくそれをやり遂げたようだ。

エイカーズは木曜日に練習に復帰することになっていると『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが報じている。これはエイカーズがラムズで再びプレーすることに一歩近づいたことを意味していると言えよう。後にNFLネットワークのイアン・ラポポートがエイカーズは予想通り現地3日(木)にロサンゼルス・ラムズの練習場に戻っていたと伝えており、日曜日にプレーする可能性は“現実のもの”としてあるとつけ加えている。

ラムズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイは水曜日、エイカーズはラムズに戻りたがっているのかと質問されて次のように答えている。「ああ、いい会話ができた。設定内容や、さまざまな事柄を決められたと思うが、こういう話し合いの場の良いと思う点は、振り返るチャンスを得たときに、自分自身のことや、期待していることを語りながら、どこがどう違うのか正直に話すことができるところだ。そうした経験をもとに、人として、選手としてエイカーズにはたくさんと自信と信頼がある。必ずしも誰にも非がないことに基づいて結論を急ぎたくはない。しかし、もっとうまく対処できたはずで、私はいつも何よりもまず自分自身を見つめている」

翌木曜日、しばらくの間トレードがうわさされていたエイカーズは、トレードを要請したことはないと報道陣に話している。

『ESPN』のサラ・バーショップによれば、エイカーズは「俺がこのチームの一員でなくなることを要請したことはない。プレーしないよう求めたこともない。練習しないよう求めたこともない」とコメントしたという。

エイカーズは報道陣に戻ってこられてうれしいと話していたが、日曜日に組まれているタンパベイ・バッカニアーズ戦でフィールドに立つのかはまだ分かっていない。ただし、ラポポートによればその方向で進んでいるとのことだ。

エイカーズは健康でありながらここ2試合を欠場してきた。チームはエイカーズをインアクティブとする理由を“個人的な理由”としている。NFLネットワークのイアン・ラポポートは10月中旬に、エイカーズがマクベイHCとの間で哲学的な部分とフットボールに関する部分で相違を感じていると報じていた。これにより、ラムズがトレード期限までにエイカーズをどこかのチームに送るのではないかと予想されるようになっていた。

しかし、ラムズはトレード期限当日にエイカーズへのトレードオファーを辞退したとペリセロが報じている。つまり、両者がとれる方法は話し合い以外に残されていなかった。

マクベイHCは水曜日、現在は休止しているトレード市場について「いろいろな話し合いが行われると思うが、適切な組み合わせ、選手でなければならない。私たちはそうしたことに取り組んできた」と話している。「場合によっては、相手が見返りとして求めるものを必ずしも持っているわけではないし、必ずしも適切だと思わないこともある」

マクベイHCはエイカーズが日曜日に行われるタンパベイ・バッカニアーズ戦に出場すると約束していないが、木曜日の練習に復帰するのはそうした方向に進む前向きな一歩だと言えよう。

ラムズは今シーズンを通してランゲームで苦戦を強いられており、その原因の大半はオフェンシブラインを頻繁に入れ替えていることにある。それに応じてエイカーズの成績も落ち込んでおり、今シーズンは5試合に出場してキャリー51回、キャリー平均3ヤードという記録にとどまっている。

エイカーズはアキレス腱のケガに見舞われるも、予想を裏切って復帰できるよう懸命に努力し、シーズン終盤に復帰を果たして第56回スーパーボウルに出場するなど、NFL入りしてからの短期間ですでに多くのことを経験している。直近の困難がこれからもラムズにいたいかどうかを考えるきっかけになったものの、トレード期限当日に静かな状態が続いたことを受け、マクベイHCとの関係を修復して仕事に戻ることが彼にとっての最良の選択肢となった。

日曜日の試合を前に、ラムズはラッシングでリーグ31位に沈んでいる。

ロサンゼルスで紡がれるこの物語は、エイカーズがラムズの恩寵の下に戻り、フィールドで実りあるプレーをするというハッピーエンドを迎えるかもしれない。木曜日の時点でエイカーズは練習場に戻り、自分からラムズ離脱を要請してはいないことを明らかにした。

【RA/A】