協力関係の拡大とデータ収集により、さらなる安全性向上を目指すNFL
2022年11月11日(金) 11:37NFLの各チームが競争に打ち勝つためにフィールド上で新たな戦略を立てているように、リーグも新たな革新的技術によってより安全なゲームの構築を続けている。リーグはディビジョン1の大学フットボールプログラムとのパートナーシップを拡大し、フィールド上での頭部に対する衝撃のデータを収集するために、選手たちに新型のマウスガードセンサーを装着させると発表した。収集された情報は、脳しんとうの減少および頭部全体に対する衝撃の減少に向けた取り組みに活用される。
昨年、大学レベルでプログラムが開始された際に参加した4校――アラバマ大学、ノースカロライナ大学チャペルヒル校、ワシントン大学、ウィスコンシン大学――に加え、今年は新たにフロリダ大学、ジョージア大学、ピッツバーグ大学、バンダービルト大学の4校がプログラムに参加した。
NFLの4つのクラブでも同様のデータ収集が行われている他、8つの大学で250名以上の選手が参加している。これはリーグのデータ収集量が大幅に増加していることを意味している。
自由に使える情報が増えたことにより、NFLとNFL選手会(NFLPA)の独立したエンジニアリング専門家が試合や練習における衝撃の頻度と深刻さを分析および理解する能力はさらに向上するだろう。そうしたデータは、より性能の高いヘルメットおよびその他の保護具の開発や、選手にとってはより安全でありながらファンにとってはよりエキサイティングなゲームにするためのルール変更、ゲームの指導方法や練習方法の調整などに役立てることができるはずだ。
マウスガード技術の仕組み
データセンサーを格納するマウスガードのカスタムフィットは、NFLパートナーの『Align Technology(アライン・テクノロジー)』によって実現された。歯科専門家がアラインの機器を使用して8大学すべての参加者の歯をスキャン。これは個人用のマウスガードを作成するのに役立っている。
安全衛生の知見を得るためのデータ収集とその活用
マウスガード・プログラムの拡充は、選手の健康状態および安全性を向上させるためにデータを収集するリーグの取り組みを反映したものだ。例えば、NFLはフィールドでのケガをより正確に把握するために、ヘルメットやショルダーパッドなどの保護具にRFIDタグを埋め込んでいる。選手がロッカールームからフィールドに出ると、タグが電波で感知される仕組みになっており、データは中央デジタル管理システムに送信される。
NFLの多岐にわたるセンサーデータを他の情報――例えば、フィールドの表面性能や天候に関連する変数、選手の作業負荷およびパフォーマンスのデータ、ビデオ映像――とともに分析することで、選手のフィールド上での経験を総合的に把握することが可能になる。データはプレシーズンやレギュラーシーズンを通して各クラブに共有されており、シーズン中における安全性の向上や選手の健康維持に役立っている。
【RA】