ニュース

ワシントンD.C.司法長官がコマンダース、スナイダー、NFL、グッデルに民事訴訟

2022年11月11日(金) 14:57


ワシントン・コマンダース【AP Photo/Alex Brandon】

コロンビア特別区(D.C.)の司法長官が現地10日(木)に、ワシントン・コマンダース、そのオーナーであるダン・スナイダー、NFL、およびコミッショナーのロジャー・グッデルに対し、4つの各当事者がコマンダースの職場文化の調査について、共謀してコロンビア特別区の住人を欺いた疑いで、司法長官事務所が消費者保護の民事訴訟を申し立てたと発表した。

NFLは木曜日に、司法長官のカール・ラシーンによる“法的にあいまいで事実無根の疑い”を拒絶し、自身を“強く擁護“していくと述べている。

「ワシントン・コマンダースの職場における不祥事については、ベス・ウィルキンソンと彼女の法律事務所によって徹底的、および包括的な調査が行われた」とリーグの声明では述べられている。

「調査が完了した後、NFLはウィルキンソン氏の調査結果の要点を公開し、チームとオーナーシップに対し、記録的な罰金を課した。われわれは本日、D.C.司法長官がNFLとグッデルコミッショナーに対して申し立てた、法的にあいまいで事実無根の疑いを拒絶し、これらの申し立てに対して強い姿勢で自身を擁護していく」

ラシーン司法長官は木曜日に行われた記者会見で、チームとリーグが職場の不祥事について彼らが知っていたことに基づいてD.C.の消費者の権利を侵害したと主張し、スナイダーが関知していた状況について虚偽を述べたとしている。ラシーン長官はどういった賠償を求めているかに触れていないものの、法的には虚偽に対して最大で5,000ドル(約71万円)の罰金が科されると述べた。

「何年にもわたり、チームとそのオーナーは非常に現実的で深刻な危害を起こした上、説明責任を回避するために虚偽を述べた」とするラシーン長官は、グッデルとNFLが世間を誤解に導いたと主張している。

また、チームの財政状況や、シーズンチケット所有者からの収入を伏せていた疑いを受けて実施されている調査について、ラシーン長官は「それに関しては来週にニュースがあるだろう」と話した。司法長官事務所は、当初は職場文化の問題に集中していたこの件について、アメリカの下院監視・政府改革委員会が連邦取引委員会に財政的な不正の可能性がある旨を通達した際に、この件についての調査を開始している。チームは“財政的な不正に関するいかなる示唆”も否定するとしている。

コマンダースは木曜日に発行した声明にて、“この機会を、組織を擁護するものとして歓迎する”と述べた。

「2年以上前、ダンおよびターニャ・スナイダー彼らの組織内に何年にもわたって受け入れがたい職場文化があったことを認識し、そういった行いを許容したことについて何度も謝罪してきた。われわれは一つのことについて、ラシーン司法長官に同意する。すなわち、世間は真実を知ることを必要としているのだ。訴訟では多くのほのめかしやウソ混じりの真実が繰り返されているが、われわれはこの機会を――初めて――この組織を裁判所で擁護し、はっきりと何が事実で何がフィクションかを確立するための機会として歓迎している」

チームに対してはD.C.およびバージニア州司法長官、議会、リーグの主導による複数の調査が行われている。NFLスポークスマンのブライアン・マッカーシーは先週、リーグの委託を受けて元連邦検事のメアリー・ジョー・ホワイトが行っている調査には終了時期が設定されていないと話した。

ラシーン長官は「われわれは召喚状を発行するだろう。宣誓の下で証言を求めることになる」と述べた。

40名以上の元チーム従業員の弁護士であるリア・バンクスおよびデブラ・カッツは、民事訴訟は“私たちがずっと承知していたこと、すなわち、コマンダースとNFLの両者が、それらの被害者のみならず、コロンビア特別区の消費者たちにも影響を与えた、数十年にわたるセクシャルハラスメントや暴言を隠すためにごまかしや嘘を用いてきたことのさらなる証拠になっている”と述べた。

スナイダー家は先週、チームの一部、もしくはすべての売却を検討するためにバンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズと契約したと発表。チームのスポークスマンは組織の扱いについて“すべての選択肢を検討している”と述べた。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


【A】