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QBウェンツの古巣を退けて評価を高めるコマンダースQBハイニケ

2022年11月16日(水) 15:20


ワシントン・コマンダースのテイラー・ハイニケ【AP Photo/Rich Schultz】

2022年のスケジュールが公開された当時、シーズン第10週はクオーターバック(QB)カーソン・ウェンツの再会ツアーになると期待されていた。

ウェンツが指を負傷したことでフィラデルフィアへのホームカミングが妨げられる中、マンデーナイトフットボールではワシントン・コマンダースのバックアップQBテイラー・ハイニケがニュースの話題となっており、その活躍でQB1の役割を手にした可能性も浮上している。

ハイニケとコマンダースはフィラデルフィア・イーグルスに今季初黒星をつけており、32対21でイーグルスを退けている。これは過去5戦の中で、4度目の勝利だった。ウェンツは今週に故障者リザーブ(IR)からの復帰が可能になるが、ハイニケが指揮を取り続ける可能性は、ワシントンが無敗のライバルを倒したことと同じくらい、話題になっている。

ウェンツが戻ってきても先発を務めるだけの仕事をこの試合でしたかを尋ねられたハイニケは「分からないね」と答えた。

「試合を通じて、俺のミスも多かった。でも、また俺の名前が呼ばれてプレーする必要があるなら、俺は出ていって自分の能力でできるかぎりをやるつもりだ。だから、どうなるかは見てみよう」

マンデーナイトの試合が終わったとき、ハイニケの成績は決して輝かしいものではなかった。ハイニケはパス29回中17回成功、211ヤード、タッチダウン0回、インターセプト1回、パサーレーティング66.9という数字で試合を終えている。それにもかかわらず、ハイニケは必要なときにビッグスローを決め、ハイニケが率いるオフェンスはチェーンを前に進め、40分と24秒にわたってボールを保持していた。少なくとも、ハイニケは勝利を決めたクオーターバックであり、先発としての戦績は3勝1敗に上昇している。

コマンダースのヘッドコーチ(HC)ロン・リベラは「スクリメージラインをコントロールしてボールを動かせれば、状況をスローダウンさせられるはずだと感じていたし、私たちにはそれができた。つまり、彼はダイナミックなクオーターバックで、ものすごい仕事をしたということだ」と述べた。

リベラHCは月曜日にハイニケを称賛する一方、ウェンツが戻ってきたときに誰が先発になるかは明かしていなかった。

ハイニケの月曜日のスタッツは目を見張るようなものではなかったが、コマンダースがハイニケと共に勝者になったのは確かだ。一方、ウェンツはワシントンの先発QBとして今季に2勝4敗となっており、それにはイーグルスに24対8で敗れたシーズン第3週の試合も含まれる。

さらに、他の面もある。コマンダースは2021年にハイニケが先発として7勝8敗となり、試合平均209.7ヤードをマークしつつ、タッチダウン20回、インターセプト15回を記録した上で、このオフシーズンにウェンツをトレードで獲得した。

ハイニケは「俺はOTAのときに、俺たちはカーソンを先発として招き入れたのであって、俺のナンバーが呼ばれるならばその準備は整っていると言った。だから、どんな決断であれ、彼らが求めるなら望むところだ」と話し、こうつけ加えている。

「来週に俺がカーソンのバックアップをするならそれも良しだし、テキサスでのゲームに向けて自分にできるやり方で彼を助ける。俺にとって一番大事なのは勝ちに行くこと、そして勝ち続けること。俺がプレーしていても、そうでなくてもな」

ウェンツのリーダーシップは過去に批判されており、ハイニケはアンダードッグでありながらもチームメイトたちに火をつけ、活気づけてきた。

リベラHCは「彼のガッツ、そのプレー。アンダードッグのメンタリティを打ち破るのはときに難しいものだが、彼こそ、その男なんだ」とコメントしている。

ハイニケかウェンツかの決断はいずれ下されるだろう。しかし、ハイニケがコマンダースのQB1になるのだとしたら、それを後押しするのは前戦での忘れがたいセンセーショナルな先発出場だ。

「俺のキャリアで一番の勝利かもしれないな。ディビジョンライバルだし、無敗だし、彼らの本拠で、マンデーナイトだろ? これ以上はないさ」とハイニケは言う。

ワシントンの空気には興奮の気配があり、過去4週のうち、3週で勝利を挙げている。そのいずれも、それまでにはほとんどなかったものだ。ハイニケは月曜日にウェンツの古巣を退けることで、自らの場所を勝ち取ったのかもしれない。

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