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新たな役割で成功を収めているペイトリオッツCBジョナサン・ジョーンズ

2022年11月18日(金) 11:28


ニューイングランド・ペイトリオッツのジョナサン・ジョーンズ【Kathryn Riley via AP】

ロッカーの前でいくつかの質問を受ける前、ニューイングランド・ペイトリオッツのコーナーバック(CB)ジョナサン・ジョーンズは少し片付けをして、クリーツやスニーカーをきちんと並べて、ロッカーの下にある引き出しを閉じた。

「ただ自分の役割を果たそうとしているだけさ」と言ったジョーンズは、いつもの輝くばかりの笑顔を見せた。

特に注目されるわけでもないフリーエージェントの一人として2016年にフォックスボローにやってきたジョーンズだが、静かな自信と共に自らの仕事に取り組み、スペシャルチームでしか出番のない選手から始まり、守備陣で小さな役割を得て、ついにはこのユニットになくてはならない存在になっている。

ペイトリオッツのヘッドコーチ(HC)であるビル・ベリチックは日曜日に予定されているニューヨーク・ジェッツ戦を前に、ジョーンズについて「ジョンはわれわれのベストプレーヤーの一人だ」と語っている。

「誰もが彼には非常に大きな信頼を感じると思う。コーチ、選手、彼と一緒にいる人々や、彼を見ている人々が。彼は本当に確かな存在で、頼りにできる男だ」

セーフティ(S)デビン・マコーティーもベリチックHCと同様の賛辞を送っている。

「彼が成長していくのを見ているのはすごくクールだった。彼はものすごくたくさんの能力を秘めたドラフト外の選手としてここにきて、自分の手でつかみ、一生懸命にやってきた。あいつについては言い尽くせないくらいさ」

ジョーンズは今年に予想外の新たな役割を得た。長くスロットコーナーだったものの、トレーニング期間中にアウトサイドに移動したのだ。CBスティーブン・ギルモアやJ.C.ジャクソンがトレードで出ていったため、ペイトリオッツはこのポジションが近年より手薄になっていた。報道用資料では5フィート10(約178cm)、190ポンド(約86kg)とされているジョーンズだが、それは正確ではない。彼はそれより小さく、軽い。だが、パフォーマンスがそれを感じさせないのだ。

マコーティは「あいつが190ないのが、いつも笑えるんだ。そうは見えないだろ。そこに出ていけば、彼はヒットしている。2018年のスーパーボウルではあいつが(チームメイトであるパトリック・チャンの)腕を折って、(当時ロサンゼルス・ラムズのRBトッド・ガーリーに)タックルを決めた。頭の良さもあって、あいつは俺たちの中で一番賢いフットボールプレーヤーの一人だと思う。あいつならアウトサイドもインサイドもプレーできるし、フリーセーフティだってできるかもしれない。どんなコールでも、どんなことでもできる。一緒にプレーしていて楽しいやつさ」と話している。

ジョーンズはアウトサイドで好プレーを見せてきた。『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』によれば、これだけ多くのカバレージスナップ(237回)に参加しながら、これだけ少ない(11回)パス成功を許した選手はいないという。また、ジョーンズは8試合(負傷によって1試合を欠場)でインターセプト2回(インディアナポリス・コルツ戦でのピック6を含む)を記録し、相手の獲得ヤードを174ヤードにとどめている。ジョーンズにとって、これまでのスロットの役割とアウトサイドでの役割の違いとは何なのか?

「俺にとっては、ただ耐えるってだけだ」とジョーンズは『NFL.com』に語っている。

「スロットにいるみたいに、ランゲームにもっとかかわっている。すぐそこで起こっているからもっと見るようになっているし、アウトサイドにいることは、プレーのたびに閉じ込めていくってことだ。前にも言ったように、俺はアクションの中にいるのが好きな男だから、そこが自分にとって一番大きい調整だった」

他にはどうだろう? その体の大きさ、もしくは小ささにもかかわらず、29歳のジョーンズは、インサイドでプレーすることの身体性を一番恋しがっている。

ジョーンズは笑いながら「前ほど人にヒットしないんだ。そこが恋しいね」とコメントした。

ただし、例のごとくジョーンズは「やらなきゃいけないときは、やるよ」とつけ加えてもいる。

ジョーンズはそうしてきた。常にそれをやってきた。ケガがない限り、それはジョーンズに対する期待値ではなく、スタンダードであり続けるだろう。

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