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ブロンコスHCハケットがプレーコールをQBコーチのキュービアックに移譲

2022年11月20日(日) 23:25

デンバー・ブロンコスのナサニエル・ハケット【AP Photo/Ben VanHouten】

ケガで枯渇するオフェンスを活気づけ、苦しむクオーターバック(QB)にリズムを取り戻させるため、デンバー・ブロンコスのヘッドコーチ(HC)ナサニエル・ハケットはその若きHCキャリアで最大の変更を決断した。

ハケットはプレーコールの役目をQBコーチのクリント・キュービアックに引き渡すことにした。ホームゲームとなる現地20日(日)のラスベガス・レイダース戦から、キュービアックがラッセル・ウィルソンにコールをすることになるという。

ハケットは土曜日夜のチームミーティングで熱のこもったスピーチを行い、自身の決定を選手たちに伝えた。3勝6敗でスタートしたチームを救うために彼は必要なことを何でもすると訴えかけている。

伝えられるところによると、ハケットが35歳のキュービアックを選んだのは、彼が過去にプレーコールを経験しているからだという。キュービアックが攻撃コーディネーター(OC)を務めていた2021年にミネソタ・バイキングスはNFLで最も爆発的なオフェンスを持っていた。彼ならウィルソンに今までとは違う位置からの視点を与えることができると思われる。共同プロセスという点は変わらず、ハケットとジャスティン・アウテンOCはゲームプラン作りに深く関わり、試合中にヘッドセットを装着する。キュービアックはプレーをコールし、親密な関係を築いているウィルソンの耳に指示を伝える役目を担う。

元ブロンコスQBでHCとしてスーパーボウル王者に輝いたゲイリー・キュービアックの息子であるクリントは、今週の練習を通してプレーを伝達していた。しかし、ハケットは土曜日のチームミーティングで発表するまでは、ウィルソンやジェネラルマネジャー(GM)ジョージ・ペイトンを含めた建物内のごく少数の人々にしか変更を伝えていなかった。

練習でキュービアックが無線を担当する間、ハケットはフィールドを飛び回り、さまざまなポジションのグループを相手にしている姿を目撃されていている。これは彼が好む実戦型のコーチングだ。そして、試合でプレーコールを任せることで、彼は平日とサイドラインの両方でゲームマネジメントや3つのフェーズ全てにより集中することが可能となる。

1年目のNFLヘッドコーチとして、これは前例のないことではない。昨年、イーグルスのニック・シリアニHCはシーズン半ばでシェーン・スタイケンOCにプレーコールを引き継いでおり、変更後、彼らのオフェンスは上昇に転じた。ニューヨーク・ジャイアンツのブライアン・ダボールHCはバッファロー・ビルズでOCとして優秀なプレーコーラーとして知られていたが、ニューヨークでの1年目にはマイク・カフカにその役目を任せていた。

ビルズ、ジャクソンビル・ジャガーズとグリーンベイ・パッカーズでOCを経験し、HCとしてデンバーでの1年目に批判にさらされているハケットにとっては大胆な動きだ。シーズン第11週を前にブロンコスはスコアリングディフェンスではランキングトップにいながら、オフェンスの得点ランクは32位となっている。シーホークスとの超大型トレードで加入し、オフシーズンに2億4,500万ドル(約343億8,453万円)の契約延長にサインしたウィルソンは、パス成功率がキャリア最低の57.4%、パサーレートは81.4となっており、タッチダウンパスはわずか7回、インターセプトは5回という状況だ。

ブロンコスは故障者リザーブ(IR)の選手が15人でNFL最多タイであり、ケガの多さもウィルソンとオフェンスがリズムを構築する妨げとなっている。ウィルソン自身も広背筋やハムストリングなど複数のケガに見舞われている。

これまでの6敗でブロンコスは平均5点差で敗れており、ワンポゼッションでの敗北が5回とNFLで3番目に多い。

プレーコールを変えることによって、サンデーゲームを皮切りに、より多くの得点と勝利が生まれることが期待されている。

【M】