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12月4日の試合でNFLによる出場定処分から復帰予定のブラウンズQBワトソン

2022年11月28日(月) 11:50

クリーブランド・ブラウンズのデショーン・ワトソン【AP Photo/Ron Schwane】

クオーターバック(QB)デショーン・ワトソンはここ2週間、ジョシュ・アレンやトム・ブレイディと同じような練習をクリーブランド・ブラウンズのスカウトチームで行ってきた。

ただ、情報筋によればワトソンはあらゆる機会――ファーストチームとのレップス、サイドラインでレシーバーとともに過ごす時間、コーチ陣とのミーティング――で少しでも多くの仕事をこなそうと必死だという。それは、ワトソンが古巣ヒューストン・テキサンズと対戦する12月4日(日)の試合で約2年ぶりに有意義なゲームアクションができることを本人もチームも願っているからだ。

NFLは現地27日(日)、ワトソンがリーグの個人的行動規範違反による11試合の出場停止処分から月曜日に完全に復帰し、次の日曜日のテキサンズ戦に出場する見込みであると明言した。NFLとNFL選手会(NFLPA)が8月に交渉した和解条項により、ワトソンには63万2,500ドル(約8,789万円)の減俸に加えて500万ドル(約6億9,480万円)の罰金と、マッサージセラピーのセッション中に複数の女性に対する性的不品行を働いたとする疑惑を考慮して、診断を受けた上で定期的なカウンセリングなどの治療計画に従うことが要求された。ワトソンは20件以上の民事訴訟に対して内々に和解契約を結び、罪に問われることはなく、2つの大陪審は彼の起訴を断念している。

ワトソンは8月12日に行われたブラウンズのプレシーズン開幕戦でプレーしたまったく印象に残らない3回のセッションを除いては、テキサンズの2020年シーズン最終戦となった2021年1月3日以来、試合に出場していない。ワトソンはその後すぐにトレードを要求したものの2021年シーズン中にトレードが実現しなかったため、テキサンズとの合意のもとで2021年は全くプレーしなかった。そして今年3月にワトソンはブラウンズへトレードされ、テキサンズは2022年、2023年、2024年のドラフト1巡目を含む前代未聞のドラフト指名権を手に入れ、ブラウンズはワトソンとこれまた前代未聞となる5年総額2億3,000万ドル(約319億7,230万円)の完全保証の契約を結んでいる。

ワトソンの出場停止処分を予想していたブラウンズは春から夏にかけては彼に練習の70パーセントほどしか参加させず、トレーニングキャンプの後半からはより多くの練習をQBジャコビー・ブリセットに割り当てるようになった。そのブリセットは今季、シーズン第12週のタンパベイ・バッカニアーズ戦を終えた時点で先発QBとして4勝7敗の成績を収め、キャリアハイとなるパサーレーティング90.7とタッチダウン12回、インターセプト6回を記録している。

27歳のワトソンは10月10日にチームの施設への立ち入りやミーティングへの参加が許可され、11月14日の練習に参加している。

ブラウンズはブリセットの準備を整えると同時に、ワトソンには先発するつもりで毎週のゲームプランに参加させるという綱渡りをしてきた。ワトソンが過去2週間の練習でファーストチームのレップスに参加できたのは数回ずつで、ブリセットがすでに何回もこなしているプレーを練習の終盤に行っていたと情報筋は話している。その数回のレップスでさえ、ワトソンがハドルの中心になることに彼自身とチームが慣れるのに役立っているようだ。それ以外の時間はスカウトチームと練習しているワトソンは今週、ブレイディではなく彼の強みであるスクランブルをしないようコーチたちに念を押されている。

ワトソンは過去2週間に、スペシャルチームの時間などの特定の期間にサイドでレシーバーたちに向けって追加で投球を行ってきた。しかし、コーチたちはたとえばアマリ・クーパーに余分にルートを30回走らせることを望んでいないため、そこが微妙なラインだったようだ。

ミーティングでもすべてがブリセットを焦点として進められていた。ただし、QBコーチのドリュー・ペツィングを含め、複数のコーチたちがワトソンとの時間を設けている。ペツィングは毎週のコールシートを用いてワトソンと対話し、何が好みで何がそうではないかをワトソンに尋ね、リードやチェックを把握できるようにし、今週からワトソンが先発していくプロセスをシミュレートしてきた。

6週間にわたってワトソンが施設内の立ち入りを禁じられていた間にも、ブラウンズはプレーコールやルート名称などを調整している。とは言え、情報筋によれば、ワトソンは素早くそれについていっているという。練習について語る者は誰もがワトソンは好調に見えたと言い、日々、何度かの見事な投球を披露しているとのことだ。

ワトソンの独特なスキルセットを踏まえ、ブラウンズの攻撃スキームには自然な転換が発生するはずだ。ただ、それは一気にやってくるものではない。また、これだけの期間を現場から離れている選手なら誰でも、ゲームスピードへの調整期間が必要になるだろう。

ブラウンズは12月4日(土)にテキサンズの拠点であるNRGスタジアムを訪れる予定だ。

【R/A】