試合中のDTパーセルとのやりとりに敵意はなかったとブロンコスQBウィルソン
2022年11月28日(月) 14:58現地27日(日)、カロライナ・パンサーズに23対10で敗れた試合の途中で、デンバー・ブロンコスのオフェンスに対する不満が沸点に達したようだ。試合中、ブロンコスの選手たちはサイドラインで不満の声を上げている。
前半にフィールドゴールを決めて3点をとってからずっと加点できずに第4クオーターを迎えた後、ブロンコスのディフェンシブタックル(DT)マイク・パーセルはオフェンスがフィールドに出る準備をしているときに、サイドラインでクオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンに怒鳴っている姿を目撃された。
パーセルによると、友好的とは見受けられなかったこのやりとりは、活気のないオフェンスに刺激を与えることを期待してとった行動だったという。
試合後、パーセルは報道陣に「フラストレーションだ。何かに活気が欲しい。俺たちは皆、一緒にやっている。それだけだ。あれは俺たちのオフェンスのクオーターバックだ。彼らはフィールドに出ようとしていた。明らかに俺たちはタッチダウンできていなかった。つまり、自分たちの仕事をしていなかったんだ。でも、どこかに刺激が必要だった」と話している。
パーセルが辛らつな言葉を発しても冷静な態度をとったラッセルは、どのように見えたとしても2人の間にいさかいはないと強調した。
「マイクと俺は同じ方向を見ている」と言うウィルソンは「彼は相手にフィールドゴールを決められた後にこっちに来て、むしゃくしゃしていたから“やらなきゃいけないだろ”って言ったのさ。俺は賛成しているよ。だから、俺と彼は同じ方向を見ている。敵意はまったくない」と続けている。
ブロンコスは試合のその時点で20対3であり、得点、ヤード数ともに今シーズン最低を記録しそうになっていた。パーセルが喝を入れた直後、キックオフの際にワイドレシーバー(WR)ジェイレン・バージルがファンブルを喫して、事態はさらに悪化。ブロンコス攻撃陣は次のポゼッションまで待たなければならなくなった。
ボールを取り戻した後、パンサーズがスピードを緩めているにもかかわらず簡単にはいかなかったものの、ウィルソンはようやく狙い通りの結果にチームを導いた。ペナルティが相殺され、2回のタッチダウンになっていたかもしれないパスが無かったことにされた後、ウィルソンはWRブランドン・ジョンソンを見つけて1ヤードのタッチダウンパスを通している。これはウィルソンにとってキャリア300回目のタッチダウンパスとなり、ジョン・エルウェイの記録に並んでNFL史上14番目に多い数字を達成した。
しかし試合後、その偉業を称えることはウィルソンの頭になかったようだ。
シーズン第10週以降、キャリア通算のタッチダウンパス数が299回にとどまっていたウィルソンは「まず、ブランドンがキャリア初のタッチダウンを決めたことの方がうれしい」と語っている。「俺は何よりも勝ちたいんだ。結局のところ、俺が気にしていることは、俺が唯一気にしている記録は勝利数だけだ」
ウィルソンはパス35回中19回成功で142ヤード、タッチダウン1回、インターセプト0回、ファンブルロスト1回を記録した。ランニングバック(RB)ラタビアス・マレーがキャリー13回で92ヤード(キャリー平均7.1ヤード)をマークした一方で、ウィルソンのパスゲームでの苦戦は続いている。パスは精度を欠き、体内時計は壊れたままだ。パンサーズのパスラッシャーたちはその機会を存分に味わっている。
最終的にブロンコスは実質的に獲得したヤード数で今季最低の246ヤードをマーク。第3ダウンの攻撃は14回中4回しか成功させられず、パントを7回強いられ、スリーアンドアウトを5回喫して7回以上プレーが続いたドライブはわずか2回だった。
先週の試合に先立ち、プレーコールの役目をQBコーチに引き渡したナサニエル・ハケットは、ヘッドコーチ(HC)として1年目のシーズンに批判の矢面に立たされている。ここ8試合中7試合を落としたことを受けて、今後もそれは続きそうだ。
自分の進退に不安はないかと質問されたハケットHCは「チームのことがすべてだ。私は試合に勝つ方法を見つけたいだけだ」と答えている。「それは私にとってすごく大切なことだ。コーチも選手も一生懸命やっていて、私はただ彼らのためにそばにいたいだけだ。彼らがフィールドで成功できるよう、努力したい」
ブロンコス(3勝8敗)はシーズン第13週に敵地に赴き、ボルティモア・レイブンズ(7勝4敗)と対戦する予定だ。
【RA】